日本一周川下り

カヌーで全国一級河川を中心に川下りをした旅日記。
日本一周の楽しいやり方等、カヌーとは無関係に楽しめるでしょう。

 同 【2003年 8月27日】

2006-11-19 06:35:02 | Weblog
《鵡川 Ⅰ》

番号 河川名 全長(km) スタート地 ゴール地 難易度
備 考
10 鵡川 135(内約12) 川西頭首工 鵡川橋  易 穏やかなおとなしい川

 朝、大内さんがすぐ近くだと聞いていたので、その辺りへ行って聞いてみるが分からない。仕方なく、鵡川へ向かった。道路表示板に「鵡川河川事務所」の矢印、矢印に従って行くが、見つからないが代わりに児童公園があった。これ幸いと食器の洗浄とボトルへ水を汲んでいたら、河川事務所の車が斜め前へ入っていった。『何だ、探していたけど、ここじゃん!』公園の前だった。
 で、事務所に行き、訳を話すと、鵡川と沙流川と両方の地図を戴き、鵡川には頭首工が二箇所あるとのこと。ありがたや!また、鵡川は沙流川より河川管理が良くできているから、被害はなかったとも言われた。
 下見に出発、鵡川は確かに被害は遥かに少ない模様、特に、人災や土手への被害はなかった様なので、土手をほとんど走れた。
 春日地区に入ると「春日小学校 さようなら」とある。『ここも、過疎で閉校になるんだな!』
 そのすぐ側に「春日橋」、工事中だが、通ると、川原にカヌーが見える。『オー、ラッキー!』そちらに向っていくと、先方も川原から上がってくる。『ありがたい、情報がもらえるぞ!』すれ違う前に、手を上げて、止まっていただき、鵡川情報をお聞きした。
 『ここと、川西頭首工のすぐ下から下れる。川は穏やか、危険な所は無い。流れもある。今朝、子供と一緒に、鵡川橋へ下った。我々はこれから上流のラフティングコースへ行く』とのこと。ありがたい情報で、お聴きした通りに川西頭首工へ行く。距離にして、ゴールからは陸路14、2km、丁度良い。で、カヌーを降ろそうとしていると、一人のがっちりした男性がやって来られた。

 『わしは頭首工の管理をしている者だが…、』 『こんにちは、それは良かった。頭首工って、何ですか?』 『農業用水の取り入れの堰で、これは川の西側用。この上にあるのが東側用の頭首工。』 『あぁ、そうなんですか!頭首工って何だか気持ち悪いような、変な名前でしたから…。』 『出来た時は、あそこが綺麗に平らだったけど…。度々の大水であんなにがたがたに壊されたよ。』 『水の力はすごいですからね~!』 『それであんたは日本一周しているんかね?』 『えぇ、』 『一人でかい?』 『えぇ!複数ではキットできないでしょう。途中で喧嘩別れするかもしれません。』 『それもそうだろうな!』 『まあ、下の春日橋で工事しているから、あそこさえ注意すれば、後は問題ない、気をつけて行きな!それと、昼から、ここへダンプが入って、雨で無くなった土を入れるから、気をつけてやってくれよ!』

 カヌーを降ろし、車で帰る。今日は難しい瀬はなさそうだから、自転車を積んで下ろうとロープの準備もしておいた。
 ゴールの鵡川橋へ帰って、昼を食べ、自転車で上流へ。着くと先ほどの管理人さんがまた居られて、そこへ土を降ろしていた。その工事してる皆さんとも、話しになり、カヌーに自転車を積み、3人の見送りをいただきながら、

 1317:出発した。 この鵡川も黄河状態で、とうとうと流れている。大した瀬もなく、流れの速いところを探しながらの行程。
 そんな中、今日も楽しい出会いがあった。 先ずは、3羽のマガモ、私が流れに乗って下っていくが、逃げない。うれしい。5mほどに近づいても、きょろきょろしているが逃げない。5mの横をするりとこちらが滑り降りた。やはり逃げなかった。こんな鳥たちばかりだとうれしいのだけれど、鶴は300mで逃げる。普通は近くても7~80mまで近づければ良い方だ。

 もう一つ、これは前にも書いているけど、カモの「水とんの術」の件、流れに乗って滑っていくとカモが多分、こちらが近づいたのに気がつかないで、逃げ遅れたのだろう、こちらも気がついたら、1mほどの所になっていた、カモはクチバシまで水に入れ姿勢を低くし、体も少し沈め、必死で水とんの術をしている。鴨の顔の表情は、大きさから言えば、人間が巨大恐竜に遭った様なもの、恐怖心は相当なものだから、カモ君は恐怖におののいて、必死で身を潜め隠れていたのだろう。が、何となく安心してるような表情でも有ったように見えた。
 カモの子供達は飛び立って逃げることが出来ないので、人間が近づくと、草や木の根っこなどにスーッと泳いで行き、静かにひそんで隠れる。私も出来るだけ脅かさないようにはするのだけど、近くで見たい気分もあり、この矛盾した気持ちで鳥達を見せて戴だいている。

 動物達に、いわゆる顔色と言うものがあるだろうかと思う人も居るかもしれないけれど、前にも書いているけど、カモでも犬でも、はっきりと顔色に出す。「目は口ほどにものを言い」は人間だけでない。今後、あなたも気をつけて見られることをお勧めします。犬は喜びに尻尾を振るだけではなく、顔色も変わりますよ~。犬にもよるかも知れないけれど・・・。

 1543:ゴール!川距約12km、2時間26分間の今日も楽しい、ダウンリバーだった。
 さて、今晩のねぐらを決めようと、第2候補はあるが、もっと良いところは無いものかと鵡川橋の下はと向う、橋上から見ると多数のカヌーが左岸の川原に並んでいる。『おっと、これが春日橋で会った人が言ってた、子供たちのキャンプ場だな!』と、降りて行き、挨拶をする。若い男先生、にこやかに話される。『学校が廃校になるので、最後の思い出作りに、学校の所からカヌーで川下りし、キャンプをしようと言う企画で、やってきました。明日は海まで行くんです。もうすぐ晩御飯が出来るので、一緒に食べませんか?酒ももうすぐ届きます!』と『あぁ、ハイ、ありがとうございます。「春日小学校さようなら」と、書いてあったのを見ましたよ。やはり廃校ですね。全国でたくさん起こっていることですよね。児童数の減少で仕方ないんでしょうね~!』 『そうです。残念ですけど、運動会も出来ないんです。5校が閉鎖して、1校になるんです。子供たちは遠距離通学になりますけど、バスで送迎です。』 『通学は少し不便ですけど、友達が多くなって、その方が良いことですよね~。ここはキャンプ地としても良いので、私もここにテント張りますので、よろしくお願いします!』設営を終えた頃、『どうぞ!』と、お声を戴き、『ハイ、参ります。』と、返事。子供達の数ほど無いけどジュースと最後のワインを持参した。

 男の子が『どうぞ!』と、カレーを持ってきてくれた。大人集団のところへ行くと、校長先生を始め、女先生など、ワインを開け、振舞う。喜んで下さった。こちらは焼肉と野菜炒め、一人の美人先生がメインで「おさんどん」をしてくださる。さすが、北海道、やはりこんな時はジンキスカンなのだ。話の中で「あずまジンギスカン」が特別うまいのだとそれを焼いてくださる。誠に美味しかった。今度、チンギスカンするときはご指名だ。
 カヌーの話、学校の現状や未来の話等など、多岐に亘り話題は尽きない。
 キャンプファイヤーの周りで踊ったり、子供が計画して肝試しをし、花火をするなど子供たちには素敵な、良い思い出が出来たことだろう。

 昨夜の野村さんたちが来ると言っていたので、花火は参加しないで、その間を利して、計画の場所でテント張っていたら悪いので、橋の下や公園に行って見たけど、姿は見えなかった。今日の昼、寿司パーティーをやっているのだから、無理だろうとは思っていたけど、やはり来れなかったようだ。
《鵡川橋左岸泊》

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