日本一周川下り

カヌーで全国一級河川を中心に川下りをした旅日記。
日本一周の楽しいやり方等、カヌーとは無関係に楽しめるでしょう。

 同 【2003年 8月18日】

2006-11-10 05:33:20 | Weblog
《移動&調査》

 道の駅「はなやか(葉菜野花)小清水」の裏にあるキャンプ場「浜小清水前浜」を後にし、釧路川源流の弟子屈湖へ向う。
 途中、摩周湖への案内板、摩周湖は過去、2度来ているし、2度とも晴天に恵まれ、摩周湖の美しさを知っているので、必要は無いのだけど、天気が良いので、そちらへハンドルを切った。曲がりくねった道を登り、到着すると、さすが摩周湖、すごい人、観光バスも数台止まっている。今日は少しガスが掛かっていて、くっきりとは見えないが、その性だろうけど、昔の方が綺麗だった様な覚えがある。
霧?ならぬピンボケの摩周湖
 まあ、長居をしても仕方ないので、そこそこにして、屈斜路湖へ。
 途中、川湯温泉街を通る。曲がり角の所に、「足湯:無料」があった。最近は、色々なところで、「足湯」ができ、流行っている。話の種に、と浸ってみる。一度や二度で、何がしかの効果もないのだが、気持ちは良いものだ。東京からの若い美人のお二人の旅行者も入ってきた。うれしい混浴だ?
無料の足湯
 ようやく屈斜路湖が見えた、湖岸を走ると「屈斜路コタン アイヌ民族資料館」があり、アイヌ語に関することで疑問に思っていることもあるので、入館。
 アイヌ民族の生活や現状など見せていただいたり、世界の先住民族のおかれている立場のビデオも見せていただき、なぜ、民族差別などするのだろうか?アメリカインディアンにしろ、黒人にしろ、オーストラリアのアボリジニ、エスキモー等など。夫々に素晴らしい文化や歴史を持っているのに…。私には差別は理解できないことだ。現代人のおごりの部分ではないだろうか?それも間違ったおごりだし。
 同じ人間じゃないか!否、人間だけじゃない、豚でも牛でも鳥でも魚でも、人間だけじゃ生きていけないのだから…。この世に、人間がいなくても地球生命は生きて行ける。だが、人間以外の生命がいなくなったら、即座に人間は生きていけないのだから…。雑草と言えども無駄に生命を絶つことをしてはいけないものだ。「雑草も空気の浄化をしているんだ」と知らなければ…。
 アイヌ語に関する疑問の件は解けた。ただ、疑問はアイヌ語とは関係無く日本で生まれた純粋の日本語だった。

 釧路川はワイルドな部分も多くはないが、少しながら危険な場所があり、ここを下るには、先ずは最新情報を得る必要がある。その為には、アイヌコタンの斜め前の「リバー&フィールド」さんを訪れ、お聞きする。『台風10号の後で、水量は多く流れが速い。流木が多く、危険な所がある。特に、「土壁の瀬」と、言われる所は流木が溜まりやすい所、今はカヤックでも難しい、あなたの腕がどの程度かはわかりませんけど、カナディアンは行かれない事お勧めです。なお、「眺湖橋」の袂に川情報を準備してるし、「入川申請書」を書くことになっています。ので、どうしても行かれるならば、書いて行って下さい。』と、おっしゃられた。

 富士川や長瀞など結構きつい所行ってるので、チャレンジしたい気分はたっぷりとあるが、プロほどの腕はなく、どちらかと言えばのんびりカヌーだし、年でもあるし、腕は大したことないのは事実、それと、瞬間的判断とそれに応じた体力・瞬発力などの行動が問われる場所だとは理解できる。その辺で少々劣っているだろう。兎に角、もう少し情報も欲しいし、下見できるならばと下流へ行く。

 その前に、和琴半島を一周の散歩道があるのでと、40分ほどで一回りできる距離、丁度一番反対側の見晴台の下にはカヌーでしか行かれない湖岸に湧き湯が有り、数艇のカヌーイストが楽しそうに入浴しているのが上から見下ろせた。急な断崖になっているので、上からは降りていくことは出来ない、この湯へ入れるのは、カヌーイストに許された特権だ。
 一回りし、湖岸の砂浜へ帰りつくと、ここでは数羽のカラスが水浴びをしていた。非常に珍しい光景、本当の「カラスの行水」を見せてもらった。

 さて、下見に出発、ずっと川を見ることが出来ないが、9kmほど下った所の「美留和橋」 があり、そこで川を見ようと車を止める。そこに一人の女性、挨拶し、お聞きすると、ご主人が『屈斜路湖からカヤックで下っているので、ここを通過するのを待っている。私は「土壁の瀬」のところが特に危ないからとお聴きしたので、止めました。で、「摩周大橋」まで下るのです。』とのこと。多摩ナンバーの車だ。ご夫婦で川下りしているなんて、素晴らしいことだ。東京からここまで来て、カヌーを楽しまれるなんて、これもすごいことだ。

 次の「美農里橋」からは川幅は狭いけれど、深さがあるらしく、流れは美留和と同じ程度。
 次の「礼友内橋」からも川を見るが、どちらも見えるところは、流れは早いけれど危険を予測させるものは全く無い、素直な流れ、でも危険は見えないところに存在しやすいものだ。
 「摩周大橋」へ着き、上陸地点を確認し、すぐ近くの道の駅「摩周温泉」へ行って見るが、売店はなんだかすごく寂しそうだった。キャンプ適地も見つけ、確保しておいて、再度、上陸地へ行くと、先ほどの多摩の車が来ていた、松下婦人(仮名)の姿は見えない。『良かった。彼はまだこれからここへ上陸されるのだ、そしたら、最新情報を聞けるぞ!』と、帰着を待った。
向こうが摩周大橋、足元がカヌーポート
 30分程したら、一隻のカヤックが着いた。奥さんも陸の上流へ行って待っておられた模様で、奥から帰ってこられ、早速「土壁の瀬」の状況をお聞きした。『倒木が酷く、水の多い所は、狭いので、カナディアンは難しい。真ん中は浅いのでそこは通れる。しかし、その後の、左右から倒木が倒れてて、その間隔が1m程しかなく、流れの中を横に動かなければならない所があり、これはカナディアンでは、無理でしょう。また、その後の所で、中洲があり、左は良いけど、右側は張り付きやすいところがあり、失敗すると非常にやばい所がある。私はカナディアンには乗らないけど、私なら絶対に行かないですね。』と、そして『ここでは年間、何隻かのカヌーが無料で手に入るんですよ』とも、松下さんは話して下さった。また、奥さんは、『先の「美留和橋」で待ってたとき、救助隊が3人来られて、カヌーが張り付いて、救助要請があったので、救助に行かれましたよ!』と、話された。やはり中々厳しい場所だな!

 その様に、状況をお聞きし、判断すると、沈する可能性は非常に高い、沈は怖くはないが、ここまで流れてくればカヌーは上陸させられる。が、もし、カヌーは木に引っかかって残る、私は流されるとなったら、困るし、カヌーが修理不能に壊れて、この旅を中断しなければならなくなったら、もっと困る。と、言うことで、この「土壁の瀬」を避けることにし、「摩周大橋」から下を下ることにしよう。
 では、ここ弟子屈町から下り、下の標茶(しべちゃ)へ自転車を置きに行かねばならない。「開運橋」を目指して、GO!
 「開運橋」もその周りは公園、テントはOK!自転車を潅木の木に隠れた状態にし、チェインを掛け上流の摩周大橋へ帰る。陸距は27、8kmとあるが、川は曲がっているので、30km位あるだろう。
《摩周大橋土手沿い草地に泊》

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