日本一周川下り

カヌーで全国一級河川を中心に川下りをした旅日記。
日本一周の楽しいやり方等、カヌーとは無関係に楽しめるでしょう。

 同 【2003年 8月14日】

2006-11-06 07:40:00 | Weblog
《湧別川》

番号 河川名 全長(km) スタート地 ゴール地 難易度
備 考
3 湧別川 87(内約10) 上湧別リバーサイドゴルフ場 湧別大橋 中易 瀬が多く楽しい

 朝、スタート地点を探しに走る。10kmほど上流に「上湧別リバーサイドゴルフ場」があり、その中央付近に丁度降りれるところがあり、ここに決めた!
 ゴルフ場のはずれとは言え、車を置いておくことには躊躇する部分があるので、カヌーをここへ降ろしておき、車をゴールで待機させ、自転車でまたここまで上って来ることにした。
 ゴール地へ帰る途中、道産子が歩いていた、見るとタイヤの上に重石を乗っけて引っ張って、歩いている、これは面白いとパチリ。
トレーニング中の道産子
 お聞きすると『道産子の「ばんばレース」へのトレーニング』だそうだ、毎日30分は歩いているとのこと。『優勝目指して、頑張っている。』と言われた。『頑張ってください!』。

 MTBで上流へ行くとき、大きなねぎ畑に休憩し始めたお父さんが居られたので、話しかける。
 『おはようございます。大きな畑ですね!』  『いや、もっと大きいのはこの向こうにあるよ!』 『今年は冷夏のようですが、どんなですか?』と、言いながら、道から降りて行き、隣へしゃがむ。『今年は雨が多く、寒いけど、ねぎは大丈夫だったが、米は大変だな!わしは、農地は全部で37町歩、あちこちにある。まとまってないのが、一寸不便よ!米とねぎとビートを作っているよ。でも、米は今年は駄目だな。
ず~と向こうまでねぎ畑
ず~とじゃがいも

 昔、ジャガイモとねぎを作っていたけど、種まきも借り入れも同じ時期になるから、両方は出来ないので、ジャガイモは止めた。牧場は10町歩で、馬10頭、飼っとる。牧場は小さい、猫の額よ!』 『これは(お父さんの左横のもの)何をするものですか?』 『ねぎを起こすものよ!』 『???』 『畑が大きくなると機械も大きくて、高くなり、儲けが出てこないのが実情よ!機械代に追われてばかりで、農家は大変だよ!』 『皆さんで一台の機械を順番に使ったら良いのじゃないですか?』 『昔は何人かで、共同で機械買ってやってたけど、誰でも自分が先に使いたいので、どうもうまく行かなかった。それで、結局、各自で買うようになった。皆、我田引水だからな。』と、悩みも打ち明けられた。それが農家の現実には違いない。何とか、方法が無かったのだろうか?

 お父さんも仕事へ帰り、先のねぎを起こす仕事を始められた。見ていると、先の『???』が解けた。ねぎは葉が倒れるので、そのままでは「ねぎ掘り」の機械が入れられない、そこで、倒れたねぎの葉を起こし、機械の車輪が通る通路を作る道具だった。4列づつにその道具を入れて、左右に葉を起こし、中央側へ倒す。すると、ねぎ4列毎の同じ幅で道が綺麗に出来上がる。その道を、車輪が通り、両輪の間のねぎの根を切りながら収穫するのだそうだ。
 根を切っておかないと、ねぎに栄養が行き過ぎて、変形し、市場の規格に合わないだそうだ。尤も、『変形ねぎばかりを別にして、売れるけど…』とも言われた。変形してても、中身は玉ねぎなんだから、切って使うのだから、形は変形でも問題は無い。なのだけど、市場へ出すのは外観が綺麗でないと売れないからだ。全く変な世の中になったものだ。

 昭和30年代後半頃、日本人の懐具合が良くなりかけた時代、「曲がったきゅうりは格好が悪いから嫌だ」、「虫が食ったキャベツや白菜は気持ち悪い」、「虫が沸く米は汚いから捨てる」と、市場で売れなくなり、きゅうりは真っ直ぐに矯正し、農薬蒔いて虫を殺して見栄は綺麗な野菜や米になったが、安全とは言えない。食べ物は安全でなければいけないのに、味はその次、形はずっと後で良いのだ。
 また、それまで行われていた肥料のウンチのリユーズ(再使用:リサイクルは多くのエネルギーが必要だが、リユーズは非常に少ないエネルギーで再度使える。例:ビール瓶など洗浄だけですぐ使える)も臭いとか汚いとか虫がわくと言われ、使われなくなり、ウンチの海洋投棄が行われ(現在は、肥料その他にリサイクルされている)、農家も楽な農薬を使い、これまた費用の流出となり、農家が苦しくなる元凶、残留農薬の問題も十分な解決を見ないで、市場に流出した(現在も残留農薬はあるので注意が必要だ)。
 今頃では、わざわざさなだ虫を体で飼う健康法もある。今の日本人は栄養を取りすぎているから腹中の虫に栄養を取ってもらう必要があるのだそうだ。

 農薬散布は、最初に、農家が汚染されたが、次が魚や虫が汚染され、それを食べる鳥が激減し、農薬芋を餌にされていた猿に奇形が増えた。今、猿の餌は無農薬芋。だが、人間はまだ農薬野菜や米を食べている。だから、昔は無かった病気、原因不明の病気が、今の子供達に現れているのだが・・・。キット、農薬や食品添加物など化学物質の性だと考えられている。自然から生まれた人間など生き物は化学物質はおいそれと分解できないからだ。分子式は同じでも自然のものと人工的なものはやはり違いがあるのだ。
 きゅうりは太陽の光が当たれば曲がるもの、曲がったきゅうりは健康の現れ。真っ直ぐなきゅうりは充分な太陽が当たっていないのじゃないかな?見てくれは綺麗でも、中身が、健康でなかったり、栄養不足じゃないかなぁ?そんなの食べて、健康にはなれないよ~!今、日本はグルメ・グルメと言って美味しいものばかりを探しているけど、間違っている!おいしさよりも、安全でなければ…。

 虫食い野菜は、虫が「この野菜には毒が無い、食べても大丈夫だよ!」と、教えてくれているもの、虫が食わないものを人間が食べて、大丈夫な理由(わけ)がない。『虫の食ってないきれいな野菜の方がずっと、ずっと、気持ちが悪い・怖い・危ない・危険だ!』見た目が綺麗な野菜ばかり食べていると将来キット病気になるに違いない。同じように、工場生産の食べ物も添加物の含有を見て、口にすることが必要だ。

 ほとんどの生き物と同様、人間は生きたものを食べているもの、病気や死んだもの食べて、健康でいられる理由が無い。じゃがいもも玉ねぎも芽が出て当たり前、芽が出ない野菜は、死んでいる、それは気持ちが悪い・キケン・ヤバイ!と考えた方が正しい。食べ物は、自分の生命を健康に維持するために食べるもの、腹を満腹にする為のものじゃない!口の欲望を満たすためじゃない!
 話が大きく横道へそれたので、元へ戻そう。
ず~とビート
 北海道は土地が広い、畑が広い、先のそば以外にも、ジャガイモ、
ねぎ、ビート、麦、何でも、広~い畑だ、兎に角、畑が広~いのだ。

 この辺りは畑ばかりじゃない、お家の敷地も広~い、家に行くまでの前庭も広~い、また時には、家に行くまでに少しの道を入らなければならない。そんなお家では、郵便屋さんや新聞配達さんが奥まで入らなくても良い様に、大きい道沿いへ郵便受けを付けていたりして、配慮している。ご立派!
 また、奥まった家では、誰が住んでいるか判らないから、表通りに表札ならぬ、表看板?を建てている、その中でもユニークなものを見つけた。実に楽しい!ワタナベさんのセンスの良さが伺える一品だ。
道路側に建てられた表札、素敵だ
 道路から家が奥にある個人のお家でも、このような表看板?を掲げているお家も散見される。自転車で歩けば、こんなに途中の楽しみがすごく多い。

 ゴルフ場に、自転車を寂しく残しておくのも忍びないので、今日はカヌーに積んで下ろう。この前のような失敗をしないようにと、ロープで確実に縛り、バランスも崩れないように十分注意しておいた。これなら安心だ。
 1014:スタートしてすぐ、橋のすぐ下で、父娘3人が釣りをしていた。一番小さい女の子が竿を持っていた、『こんにちは、釣れますか~?』と、言った途端、彼女は竿をグイーと立てた。見事15センチほどの魚を吊り上げた。『おめでとう!』と、大きな声で言ったが、もう大分離れたので聞こえたかどうかは分からない。が、小学校の彼女は大喜びしてる様は見えるし、声は充分に聞こえてきた、鼻、高々だった。

 湧別川は今までと少し違う所があった。それは、テトラポットやブロック、又は金網に石を積めこんだものが積み上げられて、川に向って波止場のように横へ突き出ている(水制工)ことだ。これに流木などが流れ着き、大きく育っている。カヌーにとってうれしくない部分だ。気をつけましょうよ~。でも、これって、水を制することができるかなぁ、この場所で川幅を狭くしてるんだから、造流提と言うことになるのだが…。
 スタートから、大きくは無いが次々に瀬が現れる。楽しい川だ。流れも速く、快適、快適!そんな中、セグロセキレイが目の前を横切った。次には5mほどの横を追い抜きざまにチチチチと鳴きながら前へ飛んでいった。今度は私の頭上をくるくると回っている。今までに無いこと、岸では数羽が乱舞している。何事なのだろうか?私を威嚇しているんだろうか?それとも、親愛の態度かな?兎に角、不思議な光景を見せてくれた。セグロさんありがとう。

 ここは川幅が狭かったり、広くなったりしているので、瀬が多いのだろう。本当に瀬が多く、次の瀬にどこから入れば楽しいか、それを追うのに結構忙しく、グレードは低いので、瀬に対するエキサイティング度は無いけれど、次へ次へとコースを選んで突っ込むことが非常に楽しい川だ。
 流れが速いので、今日は向かい風なのだけれど、押し戻される感じはない、どんどん進んでいる。幅のある瀬で、倒木がたくさん出ていて、流されてきた、生木も引っかかっており、その間をぬって進む場所へ来た。どこを通ろうかと少し迷っているうちに、流速が早いから、すぐその場所へ到達。ヤバイと思ったが時すでに遅し、生木の上へ突っ込んでしまった。が、生木で枝の太さが5センチ程度だったので、向こうが曲がってくれて、木の上を滑って通り過ぎた。やれ、危なかった。あれが太い木だったら、やられる所だった!と、迷ったことを自戒!

 水は少しずつ浸入しているので、時々、汲み出してやらねばならない。その時、つい、後ろの汲み出す水の方を見てて、進行方向を見ないで居る。
 今日はその件で危ない目に合うところだった。中湧別橋の少し下流、後ろ向きで水をかい出していて、何で気がついたか無意識なのだが、多分水の音が前を見させたのだと思うが、ふと前を見ると5mほどの所に水面と肩辺りの高さとに、太い枝を横たわせている倒木があった、急ぎ、パドルを掴んでバック、その肩の高さの枝を手で押して、水中の枝もクリアー。『おー、危な~!そのまま行ってたら、肩をぶっつけ、急激な重心移動で、傾き確実に沈だったぞ!』又も自戒!

 湧別大橋の上500mほどの所、倒木がたくさんあり、間を縫って進むのが少々困難だから、早めに対処し、今度は充分に気をつけた。
 いよいよゴール。この湧別川は危険な部所も多かったけれど、瀬が多く、一つ一つは小さな瀬だが、次の瀬へどこから入るかを考え、それに向ってコントロールする所が非常に楽しい、面白い川だった。『湧別川さん、ありがとう!』
 1152:ゴール。非常に早いペースだった。
 陸路11,4km 川距10km。
北海道らしいポプラの木
 次はサロマ湖だ。大きな湖、うっかり道を間違えて、着いた所は「アッケシ草群落地」今は緑の水草だが、秋には、一面赤く染まり、宿便取りの薬草として、効果があると言う話を聞いたことがある。
アッケシ草群落の表示板
 そのままサロマ湖を横目に見ながら、飛ばして、常呂川(ところがわ)へ向けた。
 北見市の北見大橋着。運動公園があり、橋の下が心地よさそう。よし、今夜はここだ。と即決!次にすることは、食べること。と、走っていて、ふと目に付いたのが、「河川管理事務所」『おっと、ここを活用しない手はない。』と、即、伺う。丁度お盆の最中だが二人の職員さんが居られて、話すと、『あぁ、今朝、新聞に出ていた人ですね?』 『あっ、出てましたか?知りませんでした。あぁ、良かった。』 『これが常呂川と網走川の地図です。これが堰などがあってカヌーが通れない印、こことここ。網走はこことここが通れません。』と、懇切丁寧に教えてくださった。帰るときには、もう一人の方が、新聞を切り取り、コピーもしてくださった。「ありがとうございます!」
北海道新聞:h15・8・14
 常呂川では草が乾いていて、丁度、気持ち良い程度の硬さ、高さでテント張るとふさふさでクッションが非常によろしく、気持ち良く寝れる。
《北見大橋下泊》

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