番号 | 河川名 | 全長(km) | スタート地 | ゴール地 | 難易度 | |
12 | 釧路川 | 154(内約13) | 摩周大橋 | 開運橋 | 難 | 第一滑り台は要注意 |
759:出発。弟子屈町の街中の護岸に囲まれた所を滑って行く、浅いけど底をこすることはほとんどない、どんどん滑っていくと「この下段差あり、流れが早くなります、気を付けてください」と、書いてある。さあ、どんなのかな?と、一抹の不安と楽しみで、進んで行く、また、同じ文が書いてある。左岸にも書いてある。流れが速くなった。音も聞こえる。さあ、近づいた。見ると、幅が狭く、真ん中を行けば大丈夫と言う感じで、割と楽な気分で突っ込むとぐっと右へカーブしていて、流れはコンクリートへぶっつかっている、『おっ!こりゃヤバイ!』と思ったら、もう一瞬の間に壁へガツン!コンクリート壁へ白い傷が付いていた。そのまま流れに乗って、下って行く。『やったな!こりゃ、ガジョンを壊したかも知れないぞー!シャーない!』暫く下るとまたも「この下段差あり、流れが早くなります、気を付けてください」とある。ここで、初めて「旅本」に書いてあったすべり台が2箇所あると書いてあったことを思い出した。
次が第二のすべり台、見ると今度はまっすぐに滑っているので、別段問題ではなく、カナディアンはバウも浮力が大きいので、波に乗っかるとすぐ浮力がきき、沈み込みが少ないので、大きな波も大して問題ではない。ただ、波長が長くて、波に突っ込むと水をすくい込むことはあるが、まあ、横向きにならない限り、波で沈することはまずもって無い。だから流れの真ん中へ突っ込みGO!GO!だ。
気持ち良く、猛烈な速さで、すっ飛んでいく。『ヤホー!』だ。
そのあと、少し進むと素敵な瀬があり、楽しく下り、流れに乗って下って行く。
また、暫く下ると、中洲があり、左岸側は倒木が川幅ほとんどを覆い、右岸側は流れが細く速いが、中州の向こうの見えない所の木の様子が何だか変、気になる。おかしいぞ!と、言うことで、詳しく見てみようと中州に上陸。左岸の倒木は中洲側に1m幅ほど樹木のないところがあるが、倒木の丁度すぐ上に、常呂川と同じように、中州から横への流れ込みがあり、押されて、倒木へ押される危険がある。その1m幅を抜けることは難しそうだ。右岸は変だと感じた所はやはり倒木があり、強い流れは幹の辺りにぶっつかり、中洲側は緩やかな流れではあるが幅も余りなく、やはりカナディアンで通過するのは一寸難しいかな?と判断、ここはポーテージすることにした。
このような瀬が次々と現われるのは、大体、磯分内地区の「開発橋」の真下まで位のこと、その後は瀬がほとんどなく、流れはずっと続き、のんびりと下って行ける。キセキレイが結構多く、前へ前へと逃げてくれるので、一羽を何度も楽しめる。飛び方に注意してみると、セキレイ類はおおむね、川面から50cmほどの高さまでで、波を打つように高く低く、高く低く、す~いすいと飛んで行く。飛び方や止まったときの仕草はセグロセキレイもキセキレイもやはり全く同じ。
釧路川も水制工が突き出ている所も多くあり、それに流木がつかまり、川へ突き出ているので充分な注意が必要だ。この工法は間違っているのではないだろうか?!
突然、頭のすぐ上へ3羽の鶴が飛んで来た。ゆったりとした羽ばたき、優雅に飛ぶ姿はなんとも美しい、羽の下側半分が黒い。ソデクロツルなのだろうか?鶴は冬の渡り鳥と思っていたのだが、夏でも鶴は日本に居るのだった(帰って調べると丹頂だったし留鳥だった。)
先の磯分内の辺りから、聞こえるのだが、腹に響くようなズドン、暫くするとズドンと言う、自衛隊の砲撃訓練所が近くにあるのだろうか?えらい腹の底にずしんと来る音、今まで聞いたことの無い音。変な音だ。
無事?と言えるかどうかだが、1147:標茶の「開運橋」へ着岸。3時間48分の、カヌーは一部破損したけど、鶴にも逢えたし、強烈な流れも体験したし、素敵な川旅だった。
さあ、これから自転車の旅の始まりだ。
自転車の良さはスピードが出ていないから、すぐ止まれる。止める所を気にしないで良い。回りの景色をゆっくり眺められる。ゆっくりだから道の左右を見ることができる。下りのカヌーでは上半身の運動、帰りの自転車は下半身の運動、丁度バランスがとれた運動量、等など、確かに、上り坂や向かい風はきついものだが、非常に楽しいものなのだ。だから、自転車を楽しんでいる人も多いし、広大な北海道や果ては日本を自転車で一周している人も居られる。下り坂なんぞは最高に気分が良い。
今日もきょろきょろ左右の景色や風情を楽しみながら帰って行くと、緑の牧草地に茶色いもの100mほど先だが、見えた。おっと、何と、鹿だ、二組みの親子4頭が居た。子供は草を食べている、2頭の親が私の様子をじっと見ている。カメラを取り出し、遠くだけど、パチリ!(撮ったつもりだが後で気が着いたら、キャップをしたままだった、馬鹿やろうめ~!)もっと近づきたいと自転車を離れ、後戻りしようと数歩動いたら、一声「ケン!」と鳴いた。『逃げろ!』と、言う意味らしい、即、ポ~ン、ポ~ンとジャンプしながら、牧草地のはずれ、樹木帯の所まで逃げて行き、また、こちらの様子をじっと見ている。車が大きな音を立てて走っていても、動じないのに、人間が少しでも異常な動きをすると彼らは逃げる。キット人間の恐ろしさを良く知っているのだ。
そこから、5分も走らない内に、今度は目の前30mの道路に1頭の鹿、まだ、若そうで、毛は乱れた感じだが、道路を横断したいらしいが、反対側は工事中で、70cmほどの高さの柵が連続してあり、それを飛び越えるのに躊躇しているようだ。カメラを取り出そうとしていると、後ろから、車の音。彼は勇気をだし、その柵を一気にポンと飛び越え、向こうの牧草地へ逃げ込んだ。残念、写真が撮れなかった。
それから、少し進むと、ずっと遠くだけど、緑の牧草地に白いものが二つ、キット鶴だ。
自転車で走っていると、こんな楽しみが味わえるのだよ~ん。
1514:車の所へ到着。3時間9分もかかった。まあ、途中の楽しみが多かったのだから、また、急ぐ旅でもないし、気持ちの良い、楽しい旅なのだから…。時間があるということはすごくありがたく、幸せなことだ。これがスローライフだ。
人間の幸せは、自由な時間だ。金じゃない。が、人間は金が有れば幸せになれるとほとんどの人は金を求めているけど、私が貧乏して感じたことは、『金は、最低限は必要だが、人を決して幸せにはしてくれない、どちらかと言えば、不幸せにするものだ。』と、感じている。 国会議員も「金」で人生を破滅にしている人が結構多いし、「金」欲しさで人を殺(あや)め、遺産相続で醜い兄弟喧嘩をし、新聞テレビの悪いニュースはほとんど「金」が絡んでいる。日本人は所得倍増以来、金持ちになって中流意識を持ち(先進諸外国から、比べるとまだまだ下流だけど)、消費税を導入させ、外観ばかりてらい、中身をおろそかにし、子供教育もきちんとできず、金を与えて、機嫌をとり甘やかし、子供の時からおしゃれを覚えさせて、格好ばかり気にする人間になり、中身はいいかげん、「金」が子供を駄目にしている。将来はどうなることやら?!「金」は使い方が問題なんだ、日本人は金の使い方を間違えている。困ったものですね。
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