日本一周川下り

カヌーで全国一級河川を中心に川下りをした旅日記。
日本一周の楽しいやり方等、カヌーとは無関係に楽しめるでしょう。

 同 【2003年 8月13日】

2006-11-05 06:26:16 | Weblog
《渚滑川》

番号 河川名 全長(km) スタート地 ゴール地 難易度
備  考
2 渚滑川 84(内約4)
宇津々橋 海岸  易 北海道では鮭を拾っても密漁だ

 「宇津々橋」の下で、ぐっすり寝た。
 今日は8時出発の予定と北海道新聞に話して居たので、少しゆっくりだが、準備万端怠りなきよう、セーリング用具も積み込み、いつでも降ろせるように、準備OK!
 渚滑川(しゃこつがわ)川原で、待っていると窓ガラスを「とんとん」、簡単に挨拶を済ませ、早速、ご質問が始まる。まだ、お若い記者さんで、やはり頭の良っそうな顔立ち。男は(本当は女性もだけれど)中身が顔に出るから、親から貰った顔と言えども、自分の責任なのだと、言うことが分かっていない人が時々いるが、やはり頭の良い人は良い顔をしているものだ。
 話しが横道にそれたが、写真を何枚も撮って戴き、いよいよ出発。
 昨日の大雨の影響もあって、水量もあり、流れのスピードもあるのが嬉しい。
 1009:岸を蹴ると、見送りくださった記者さんとはすぐに距離を離してしまった。
 新橋と渚滑橋の間に、鮭・ニジマス・カラフトマスなどを取るための川全体を覆うヤナがあり、川はそのままでは通れないので、左岸の石原をポーテージしようと、上陸しかけた所、『こっちへ来い、ヤナの上を通ったら良い、わしが上げてやるよ!』と、親切なお声、私も助かるし、ヤナに興味があるので、喜んでその様にする。
 ヤナは下流側へ浮きを並べ、その上にスノコのように木を綺麗に並べ幅、2、5mくらいで、上流から来る水は、スノコの間から、流れ落ちる。そのスノコの下側には遡上する魚が通れないように仕切り網がしてあり、それにぶっつかった魚は、右岸側へ誘導され、右岸にはおとり箱があり、一度入ると自分では出られない仕組。それを捕獲し、卵や精子を採り受精させ、稚魚を育て、放流するのだそうだ。
 話しを聞いて、驚いたことに、川に上った魚は生きているのは勿論、死体でさええも、一般の人が取ることが禁止、即ち、「密漁」になり、警察も取締りをしているとのこと。海で取るのは自由なのだそうだ。何か変な感じがしないでもない。放流はしているけれど、海で自然に育った魚、それを「密漁」と言うとは?生簀(いけす)の魚ならば盗人呼ばわりされても当然だろうけど、自然の川にいる魚それも死んだ魚でさえも「密漁」とは、何だかすごく恐ろしい考え方だ。

 ヤナを乗り越え、渚滑橋を過ぎ、少し進むと、海が近づき、流れもなくなり、陸から見ると深いように感じたのだが、浅い浅い。中央部分は砂州になり、かもめ等水鳥のコロニーとなっており、毛づくろいをしたり、あくびをしたり、何んだかすごくリラックスしている、カヌーが近づいても全く動じない、知らん振り。ここ最近、こんなに近くで鳥を見れるのは無かった。
 そのコロニーを過ぎるともう海、スタート地からの距離は6km余り、64分で河口まで到着。河口の幅は狭くなっていて、6~70mと言ったところ。

 海は結構波が高く、少し沖から、砕け波になっており、暫く見ていたら、一箇所だけ砕け波でなくなる所があり、そこを抜ければ、オホーツクの海へ出れる。でも、時々砕け波になっている。風は、悪いことに、丁度沖からわずかに吹いている程度。風の向きも強さも非常に悪い、だけど、『よし、やってやろう!』と、波の来ない川側へ戻り、アンカーを打ち、安定させて、水上で、セールをつけ、マストを立て、ラダーを装着、パドリング仕様から、セーリング仕様に、無事、変えることが出来た。言葉では簡単だが、特にラダー周りを装着するには、難しくカヌーはダブルエンダーで、スターン(船尾部)が細くなっているので、少しバランスを崩すとクラッとひっくり返る可能性が高いので、超要注意なのだ。
 弱い向かい風、進みたくても中々前へ進んでくれない、でも何とか、波が大きくなっている河口ぎりぎりまでは順調に進んだ、が、そのすぐ後、波がぐ~んと高くなり、崩れ波となって襲ってきた、最初の一発は無事クリアーできたが、次の波が大きく襲ってきて、バウへドドーと襲ってきて、波が中に入り込んだ。『ヤバイ!』と、弱い風では間に合わないので、セールはフリーにし、急ぎパドルでバック。が、ラダーが横向きになり、自由にならない、波に対してカヌーが横向きになり危機の状態、急ぎラダーをアップ。横波を受け、大きく傾くが、重心を下げて、水の浸入は防ぎ『バック!バック!バック!次の一発を食らうと、ヤバイ!』
 このとき崩れ波では無くなり、波とうねりはあるが、少しおさまった。川方向へパドリング。静かな平水区域へ戻ることが出来た。『ほっ!危なかったな~!』これ以上挑戦するのは止めだ!絶対にヤバイ!分っていた事では有るが、風が弱すぎたし、方向も悪かった。まあ、チャレンジだけはした。

 ここで、上陸。広々としてて、比較的見通しの利く所なのだけれど、昨日置いておいた自転車が中々見つからず、くくりつけた位置を充分に確認もしていなかったので、見つからない、一瞬『また、やられたか?』と心配した。それらしき所をあちこち探し、やっと見つかり、一安心。
 自転車で車を取りに宇津々橋へ。土手を帰り、先ほどのヤナのお父さんに挨拶しようと思ったけど、姿が見えないので『まぁ、好いか!』と、通り過ぎた。

 カヌーで川を下り、海へ入り、セーリングする、と言う、このカヌーの特徴を生かそうと、やってみたのだが、オホーッツクの波に残念だが、実現できなかった。次回どこかで出来るだろう。
 この渚滑川は短い・小さな川で、自然の流れだったものから、急に人工の影響を受けてきたのではないだろうか?尤も、北海道では、まだ”開発局”で、まだ開発しようと、間違った方向へ歩んでいるきらいが無いではない。ここを丁度、書いている、今朝(平成15年11月5日)のニュースでは、「釧路湿原を曲線化に戻す工事が始まった」。自然は極力自然に、人間が自然をコンクリートで克服することはできないし、するべきでは無い。自然と人間が共生するべきだろう。即ち、人間が自然と上手に付き合うことだろう。人間が自然に従うのが筋だ。

 紋別町を後にし、湧別川へ向けて、GO!
 狙い定めて、一番下流の橋、「湧別大橋」へナビを会わせていたが、着いて見ると、左岸がパークゴルフ場、これ絶対に車が入れる。トイレもある。橋の下を見ると、一段上になっているところの芝が綺麗なのでと、ここを泊地にキープ。
 対岸の右岸側は上陸地点に大丈夫。何だか簡単に決まってしまった。
 上流のスタート地点を探しに行くのだが、今日は減量していない。車内で自分が落としたガスで自分が失神しそうな位、臭~い。『駄目だこりゃ!』

 先ずは減量と、次の道の駅「中湧別」へ到着。減量後、ここの特徴は「チューリップ温泉」どんなのだろうか?
 で、休憩室のことを尋ねた、『電源借りれますか?』一寸躊躇しながら『どれくらいの時間ですか?お客様の込み具合にもよりますけど…』など、言っておられたけど『特別の制約は無いので、どうぞ!』と、了解を得たので、ここでゆっくりすることにした。
 3時間ほどPCを使い、湯に浸かり、チューリップの花が浮かんでいるのかな、と期待したが、時期もあること、だからそれは無く、チューリップの造形物があちこちにしつらえてあるだけだった。身も、心も、さっぱりした所で、帰るがもう大分暗くなっていた。日が短くなってきたことが感じられる。
《湧別町湧別大橋下泊》

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