日本一周川下り

カヌーで全国一級河川を中心に川下りをした旅日記。
日本一周の楽しいやり方等、カヌーとは無関係に楽しめるでしょう。

日本一周川下り 【2003年 6月 8日】

2006-08-30 09:26:16 | Weblog
《揖保川》
番号 河川名 全長(km) スタート地 ゴール地 難易度 備考
64 揖保川 70(内約6.2) 吉島統合頭首工 嘴崎橋  易  

 039:痙攣が脚にきて、目覚める、少し冷えたのかな?脚の痙攣にはふくらはぎをストレッチしてやると、すぐ良くなるので、また寝入った。
 215:超早いけど、起床。  250:テント撤収終了。出発!まだ、真っ暗だ。
 5分程、走ってコンビニの光で走行準備。そのまま出て行くのも気が引けるので、一応、朝食用にサンドイッチと豆乳を買った。
 451:兵庫県入り、先ほどから眠くなってきていたので、道路わきの駐車場でうたね、10分ほど寝たかな?  頭をすっきりさせて、出発!

 535:揖保川(いぼがわ)着。北竜野、「祇園橋」の下へ到着。  600:川原でごみを拾っている女性に声を掛けるが、反応が無い。肩を叩いて、
 『おはようございます。良いことしておられますね!』 『私は耳が十分に聞こえないけれど、どちらから?』 『広島県福山です。』 『私、若い頃、呉に住んでいたのですよ。広島も良いとこですよね。ここは竜野の別荘地なのですよ。緑が多く、空気は綺麗で、山と川に囲まれ、買い物するにも、お店が近くにあって、歩いてでも、自転車でも、行けるので、年寄りにも良いところなのよ!昔はね、丸太を組んだいかだが流れてて、橋の上から眺めたもんなのよ!鮎も多くってね、子供でも手づかみしてたのよ!』と。
 また、芦田川と同様、犬の散歩がすごく多い。『あの山並みを「寝釈迦」と言って、お釈迦様の寝姿に似ているのよ。』と、教えてくださった、ご婦人は3匹の大きな犬を散歩に連れておられた。『全部捨て犬だったのよ。可愛そうだからと拾って育ててるんですけど、大変ですわ。』

 ここは、右岸だがどうもカヌーを上げるのが難しい、で、左岸の「嘴崎磨崖仏(「いぼ取り地蔵」として古来信仰され、30m程上流に4体の石仏もあり、右岸側には拝殿まであるのだそうだ。
 「文和3年(1354年)10月建立」と、説明書きにあった。
嘴崎磨崖仏
 ここを上陸地点と定め、自転車と靴・靴下を置いた。
 上流へ下見しながら行くと、「吉島統合頭首工(とうしゅこう)」にぶっつかった。そこで、魚類遡上調査をしておられた、永六輔さんにひげを生やしたような人に色々魚の話をお聞きした。
 ボツボツと、調査員が来られると、そのそっくりさん、帰ってしまわれた。  ここより上流は無理なので、この堰の下からなのだが、ここはカヌーを降ろすのが、少し大変なところで、写真のようにしなければならなかった。

 揖保郡新宮町の「香島橋」の所から「嘴崎橋」まで、6,2km、距離は短いけど大きな頭首工なので、仕方がない。  出発に、先駆けて、一寸早い昼食済ませ、

 1145:スタート。 カラスに似た黒っぽい鳥がすぐ側から飛んだ。カワガラスだったかな?こんな所にいるかなぁ?
 多くのセグロセキレイ、ダイサギや、ツバメなど鳥が沢山いる。50cm位と80cmほどの大~きな鯉が悠々と泳いでいるのも見える。ここにはアユやマスが遡上するのだそうだ。それほど、綺麗で、良い川なのだ。
 でも、『一昔前までは、下流がなめし皮の産地で、川が猛烈に汚れていた、その頃は遡上なんて無かったけど、周りの下水道化が進んで、揖保川がきれいになり、遡上するようになった。マスはアユの稚魚を食べるので敬遠され、ここでは網を入れて、一網打尽にするのですよ。』と、マス釣り師の池田さん(仮名)は話された。池田さんは『マスの仕掛けにコイが掛かり、大きすぎて上等の竿を折られてしまった。』と、しきりに残念がっておられ、釣具屋さんへ急がれた。

 「揖保川」は瀬が多く、次々と現れ、非常に楽しい、水も綺麗だし、自然も多く残っており、ゴミも少なく、岡山県の「高梁川」と同様、河川敷の活用が非常に良く出来ている。岡山県も兵庫県も川に対する考え方が中々進んでいるようだ。   普通、アユの釣り師はカヌーで下っていると、いやな顔をされるのだけれど、ここの若いお方は、『どこまで行かれるの?』と、向こうから、声がかかって来た。やはり、中には、こんな好い人もいらっしゃるのだ、と、再認識。『はい、崖に仏さんが彫ってある所までです。』 『気を付けて~!』 『ありがとうございます。あなたもしっかり釣ってくださ~い。』

 嘴崎磨崖仏の所へ到着、丁度そこへ、ヤングマンが寄って来られた。
 『こんにちは!』 『こんにちは、下ってこられたのですか?』 『はい、新宮の頭首工の所からです。』 『あれができて、距離が取れなくなりました。私もファルト持ってるんですけど、水が少ないと痛むので、余り乗っていません。歩くばっかりになるもんでね~。』 『そうですね、ファルトは持ち運びには便利ですけど、その点が残念ですよね~。どうしても、ハルに弱点がありますからね~。』 『そうなんです。ですから、「宝の持ち腐れ」してるみたいです。』 『カヌーはFRPのもんですよ~。軽いし、強いし、修理は簡単だし。私なんか、今日も、ベキーと言わしてしまいました。古傷が裂けたんでしょう。お陰で、水が前より多く入るようになりました。でも、少々痛んでも、それ以上に、安心して、楽しく遊べるし、しっかり使ってやった方がカヌーにとってもうれしいことですからね~。』 『そうですよね~、修理すれば良いことですしね~。』 『そうです、そうです。私なんかも、もっと傷がひどくなったら、修理します。今、便利になって、どこでも修理材料手に入りますからね~。』
 
《加古川》

番号 河川名 全長(km) 備考
63 加古川 96 不可

 国道2号線より北上、25km程の「大門橋」右岸から5km下流が水量不足、カヌーの上げ下げも難し過ぎるので中止しよう。ここは以前にも、チャレンジしようと、下見したけど、チェインで川原に入らせてくれないので、中止したことがあった。
 それで、今度は、もっと上流へ来たけど、やはり無理だった。
 ワンボックスカーのルーフラックにカヌー4隻も積んだ人と出会い土手の路上で川下り情報を戴く。が、彼も『ここ、加古川ではやっていない。』との事。やっぱり、駄目なんだ!
 加古川の河川敷は、福山の「芦田川」と比べて、駐車場の数は少ないが、その付近の整備はすごく立派。綺麗に芝生が張られ、家族や友達と、テント張ってくつろいだり、バーベキューしたり、バドミントンなどの簡単なスポーツもでき、楽しめ、トイレが設置され、水場もあり、ゴミ箱を撤去し、「ゴミ持ち帰り教育」がしっかりなされているので、ごみをきちんと各自が持ち帰っている。
 揖保川も同じで、中々良い雰囲気だった!
 今夜はここ加古川の川原で宿泊しよう。

 ペットボトルの2㍑程度のが欲しいが、ゴミがない、転がっていないのだ、昼に、テントを張って楽しんでいたグループが帰られる時に、お願いして一つ戴いた。彼等はゴミが減り、私は、これを活用し、ローソク立てを作った。

      
《加古川々原伯》
 
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《はじめに》

2006-08-13 06:52:36 | Weblog
 さぁて~、出発はしてきたけれど、これから、日本全国の『一級河川』の川下りをめざして、どんな旅になることやら、大雑把な計画は出来ているけど、行って見なければ判らないことばかり、どちらかと言えば「行き当たりばったり」の、「ちゃらんぽらん計画」しか立てていません。
 その「行き当たりばったり」の計画とは、山陽路を東進、奈良から、紀州を抜けて、名古屋から、東海道を通り、富士五湖でセーリング、関東は広く、川が多いので、行ったり来たり、関東地区の友人にも会いたい、その後、太平洋側を北上、北海道へ渡り、ぐるっと一回りして、帰りは日本海側を南下、山形市での「日本一の芋煮会」へ参加し、北陸路から、琵琶湖周辺へ行き、ここでも友人と杯を交わしたい、その後、山陰路へ。この辺りで、10月中旬を迎えるであろうから、一旦福山へ帰り、冬ごもりをし、その間、痛んだ箇所の修理、そして旅の記録を整理し、次行の準備をする、と、言った程度の計画しかしていません。
 なお、腰痛持ちの小生、軽いとは言えども、25kgのカヌーの上げ下げに、全くの不安が無いわけではないがグキッときた時はその時、と言った軽い気持ちです。

 この「日本一周川下り」の思いつきは、老年期を間近に控えた私、金は無いけど、時間だけはた~っぷり有るので、くよくよしても仕方ない、この時間を有効活用しようと、昨'02年の夏の終わり頃、私に出来ることで、今まであまりひとがやっていないこと、また、後進のお方のお役に立てれるならばと、そして冥土への土産に、と欲張った考えで、持っている物を適当に、ポンポンポ~ンと車に放り込み、出発したと言う訳です。元々は海をセーリングで一周する計画だったのだけれど、時間的な問題と費用の問題で、川下りに変更したのです。

 カヌーと言うと、多くのお方は、テレビで見られて、荒波立っている激流をポールの間を、グイグイと漕ぎ、時に沈しても、くるりと起き上がり(エスキモーロールと言う)、力の限り漕ぎ進むと言う、スラローム競技を思い出されるでしょうけれど、私の乗るカナディアンカヌーは激流と戦うと言うスタイルではなく、非力の女性でも、老令者でも、ゆったり・のんびりと、回りの景色や動物など自然を楽しみながら、川の流れに身を任せと言った感じで川を下って行き、時間もそれほど気にしないで、どちらかと言えば「お遊び!」と、言った感じの乗り方ができるもので、いわばスローライフを楽しめる乗り物・遊びなのです。

 この私のカヌーは、1988年頃、日本ヨット界第一人者と言えるヨットデザイナー、横山晃・一郎親子の設計による、世界初と言えるセーリングカナディアンンカヌー「洋」なのです。なお、現在は、この「洋」を設計変更をし、一段と使いやすく、スピード性能も良くなった 「アクアミューズ」 が市販されています。
 元々、セーリングから、海の世界へ入り、ディンギー・小型クルーザーと遊んだが、「野田知佑」さんの書物や記事の影響を受け、川の楽しさを知り・思いを寄せて、セーリングカナディアンカヌーへのチャレンジとなりました。

 なお、折角日本各地を回るのだから、訪れた各地の食べ物との出会いや多くの人たちとの出会いを楽みながら、そんな「のんびり旅」なのです。これも野田さんの影響かな?
 兎に角、明るく、愉快な、ゆったりとした、貧乏旅にするつもりです。

”中国新聞”
 出発に先駆け、新聞に報道されたものを紹介させていただきます。

”山陽新聞”
 出発の前日、福山市役所の記者室へ赴(おもむ)き、計画の発表、
”読売新聞”
記者会見で、出発は明日と言うことで、記者さんを慌(あわ)てさせてしまったことは、申し訳有りませんでした。
”サンケイ新聞”
 なお、ちなみに、一級河川とは?
     国土交通省の規定には、

 『一級河川』:「国土保全または国民経済上、特に重要であるため、政令で指定された水系(川は何本もの支川が幹川に集まり一本になりますが、集まる全部の川をまとめて「水系」と言います)に含まれる川」を言い、管理は原則として国が管理し、一定区間については都道府県に管理を委任しています。
 『二級河川』:一級河川以外の、公共の利害に重要な関係のある水系に含まれる川」を言い、管理は都道府県が行います。
 『準用河川』:上記以外の小規模の川で「河川法の対象外となりますが、準用する制度に基づいた川」もあり、管理は市町村が行います。
 『普通河川』:「上記三川以外で、河川法の適用を受けない末端の小河川」を言い、管理は地方公共団体の条例により行われています。


となっています。

日本一周川下り 【2003年 6月 7日】

2006-08-08 09:47:25 | Weblog
『日本一周川下り』をめざして     宗片 康修 著
           
2003 06 07 スタート

≪出発≫

 朝、早くに電話、珍しいことだ。取り上げると、聞きなれた、一寸甲高い声、高蓋さんだ、『新聞見たよ、びっくりしたよ!この前の同窓会のとき何も言わなかったなー、あんたなら出来るよ、気をつけて頑張り~!応援してるよ~!』 『ありがとう!楽しみながら、頑張ってきます。』
 ありがたいお言葉、気を引き締めて、最後の準備、怠りなきよう進める。
 1623:快晴 現在の走行距離36090km。
 我が家を後にした。まずは、パソコンショップの”コム・ショット”さんへ定電圧電源を預けに…。
 その後、元町「はしもとくだもの店」で、りんご箱を戴きバナナを購入。
 1742:王子町、友達の平井商店さんへ、注文していたロウソクや香取線香を戴きに行く、何と餞別と言うことでお店の商品を色々、自分では思いつかなかったもの、そして缶詰などを下さった。そして、社員の皆様と共にずっと、手を振って、見送ってくださる。「さぁ、出発だ!」

 1756:岡山県へ入る。2号線を東進 鴨方あたりで何となく雲行きが怪しい感じ。
 1850:高梁川を渡って、左折、左折で川原へ、
橋上からの夕日
 少し上流へ行き、丁度良い場所があり、ここを宿泊場所に決定!
 テントを張り、食料品を運び込み、ご飯を炊きたいのだがテント内は「火気厳禁」故、外でご飯を炊きたいが、少し風がある。困ったな、と思いつつ『そうだ、あれを使おう!』 と、思いついたのは、 自作のトイレ

「トイレを?」と、思われるでしょうが、洗えば綺麗なもの、と言ってもまだ未使用なのだけど、丁度、すっぽりとコンロが入り、周りに垂れ幕があるので、風除けになる。誠に具合が良い。トイレがこんなことに役立つとは考えてもいなかった。その内、写真をお届けしましょうね。
 無事ご飯も炊けて、おかずとなると、まだ何ら用意していなかったので、早速、戴いた缶詰をあけた。何とこれほど早く、役に立つとは思いもしなかった。いつもの平井婦人のやさしい気心の現れ、『ありがとうございます。』助かりました。

                    
《高梁川々原泊》