
以下の記事は私の放送番組「ハワイアン・パラダイス」の2004年12月1日付けブログにも書き、こちらのブログ「MATTのひとりごと」にも1年後(2005年10月31日)に転載したのですが、以前のブログをご覧になっていないかたも居られると思いますのでオリジナルから6年経過した今回再度ご紹介いたします。
今回の追記:ハワイに来て見ると至る所でこの曲が流れていますし、この曲を歌う若者がたくさんいて、「歌詞が間違っている」ことなど気に掛けていないのが改めて気になって再掲することといたしました。いまや無駄な抵抗になっていますが少しでも多くの人たちに読んでいただければ嬉しいです。
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IZ(イズラエル・カマカヴィヴォオレ)は1997年6月にわずが38歳で世を去りましたが、彼の没後もその歌声や生きた姿勢に共感を覚えるファンはかえって増加しているとさえ思えるほどです。これを受けて彼の所属していたマウンテン・アップル社より次々とCDやDVDがリリースされてきました。 そして2004年10月には彼のミュージックビデオではなく、彼の背景を紹介するDVD「IZThe Man Behind The Music」
がハワイでリリースされ、引き続き日本でも2004年12月にリリースされることとなりました。
このアルバムには彼の演奏が断片的にはいっているだけで、その大半は家族や友人達による彼の横顔紹介のビデオになっています。ただし、1曲だけかれの代表曲として「Over The Rainbow」が演奏の実況ではなくCD音源をもとにいろいろなシーンの画像とともに流されています。 IZについては、すでに2004年6月の第9回http://www.himajin.net/diary/p.php3?8374/61#441435で紹介していますが、このときにはこの「代表曲」を意識的に割愛いたしましたので、ここでその理由を記しておきましょう。
彼の歌うこの曲(当初は「Somewhere Over The Rainbow」というタイトルがつけられていました)はその昔ジュディー・ガーランド(ライザ・ミネリの母親)の主演と唄で大ヒットをした映画「オズの魔法使い」の主題歌でたくさんの歌手が歌ってきました。イズの唄ったものも米本土のヒットチャートの上位を占めたり、映画「ジョー・ブラックをよろしく」の主題歌としても使われ、更には世界中のTVCMのバックに使われたり、イタリアではNo1ヒットを遂げたりと、イズの代表曲にふさわしい人気を誇っています。
このことも勘案してマウンテンアップル社ではこのDVDにも収録したのだと理解しています。
私自身も彼の歌声が大好きで、できればこの曲も紹介したかったのですが、あまりにも彼の歌う歌詞がイイカゲンでしたので、涙をのんで割愛しました。どれくらいデタラメかをごらんください。(左がオリジナル、右がイズの歌った歌詞・・・DVDより) オリジナルの歌詞はキチンと韻を踏んでいるだけでなく、素敵なストーリーまでが感じられる「詩」になっていますが、イズの唄は単数、複数の違いのような細かい点は措いて詩のフレーズをメチャメチャに混同させているのです。
これは彼がオリジナル歌詞をよく理解していなかったのだと思いますが、オリジナルとの検証をしなかったプロデューサーたちの責任が大きいと思います。彼のような偉大な歌手が歌ったCDは、たくさんの(プロ・アマをとわず)歌手たちがカバーというかコピーする可能性がありますので、この歌詞の混同もそのままたくさんの歌手に間違ったまま歌われてしまうことを憂慮しているのです。
メロディーを変更することにも問題がありますが、そちらは「アレンジの範囲」として容認できる可能性もあります。でも歌詞を取り違えるのは原作者に対して大変失礼なことと思います。
・・・ということで「新DVDの紹介」というタイトルとは変わってしまいましたが、私のスタンスをご紹介しました。 このことは別としてこの新DVDは大変貴重な資料が満載されていますので、イズのファンにとっては愛蔵盤となることでしょう。
今日は少しペースが落ちたようですが...
そういえば金沢のbakaponさんはお元気なのでしょうか?
何となくブログに関心が・・・
「ボクはそう覚えていたんだから・・・」という方たちにはオリジナルとして出版された楽譜を渡したり、すでに録音してディスクになってしまった演奏には「ユニークなアレンジで・・・」と曲が間違っているのをそれとなく匂わせたり、大変でした。(そのような表現のライナーノーツをご覧になったら「メロディーが間違っている」と読み替えてくださいね。)
なお、ブログの提供会社は無数といってよいほどたくさんありますので、ほかのブログも参考にえらんでみてください。
ぼくは,ブッシュがイラクを攻撃しようと始めたころに,開かれた,戦争ハンタイ!のチャリティーライブというやつに出演したときに,いちばんふさわしいと思って,このIZバージョンのover the rainbow をカヴァーしました.
歌詞がオリジナルと違っているのも気がつきましたが,これも彼の味のうち,たとえば急に What a wonderful world や,twinkle twinkle little star が出てきたりするのと同じレベルととらえて忠実にカヴァーしました.
”the dark sacred night” じゃなくて "I like the dark" ってところはオリジナルどおりにしましたけど.
やはり悪い事?はできませんね!
PATさんのサイトは再開されませんか?愛読していたんですが・・・
訳あって、NUAには行ってませんが、ハワイアンは大好きです。
ハワイの香り、また味わいに行きますのでその時にお会い出来たら嬉しなぁ。
少なくても原曲よりいつも新鮮に受け止められています。
きっと作者達も喜んでいるのではないでしょうか。
この曲でIZ菌にかかった患者として。
たとえば美しいラブソング「カーウア・イ・カ・フアフアイ(ふたりはしぶきに濡れて」をつくったレレイオーホク王子が、ジョニー・ノーブルによってこれが無断改変された「タフワフワイ」として世界中でヒットしたのを知っても決して喜ばないと思います。
ましてやそれが更に改変されて「やんなっちゃった節」にまでなったと聞いたらやんなっちゃうと思いますが・・・・