現代川柳『泥』二号
沈黙の箱の深さへ放つ魚
確かめておこうと箱を振る 寡黙
花溢る箱の広さをまなうらに
孵化をする気配かすかに揺れる骨壷
さらさらと星を雫して魚 帰天
逝く魚のかたちに濡れてゆく夕陽
喫水線 別れ上手な魚たち
いつまでも歪な壺と戯れる
半身を濡らし二章の一行目
さすらうて候ページ繰り続き
辞書のない言葉に溺れ秋の脈
ナーバスな言葉に揺れている芒
ポケットの深さへ落とす比喩暗喩
火の雫つぎつぎ雫し惰眠する
祭から祭り人語獣語を響かせて
本日は晴天ゴッホの耳が咲く
ハーブ群生 呪縛の解けぬ身半分
血族もスギナも地下へ累々と
イントロの長さ石榴はすでに熟れ
犬の高さを越えて鬼頭は
一本の何を殺めて洗う指
秋は其処 白紙に戻す足の裏
銀の雨さむい冷たい 極刑か
昴ぶりは有ったか黄楊で髪を梳く
魚臭の手 性善説を曖昧に
闇深くいよいよ光る背も指も
満開の絵手紙並べ ゼロ番地
蜘蛛は糸光らせ見事なエピローグ
神無月ならば鏡を伏せ あ そ ぶ
沈黙の箱の深さへ放つ魚
確かめておこうと箱を振る 寡黙
花溢る箱の広さをまなうらに
孵化をする気配かすかに揺れる骨壷
さらさらと星を雫して魚 帰天
逝く魚のかたちに濡れてゆく夕陽
喫水線 別れ上手な魚たち
いつまでも歪な壺と戯れる
半身を濡らし二章の一行目
さすらうて候ページ繰り続き
辞書のない言葉に溺れ秋の脈
ナーバスな言葉に揺れている芒
ポケットの深さへ落とす比喩暗喩
火の雫つぎつぎ雫し惰眠する
祭から祭り人語獣語を響かせて
本日は晴天ゴッホの耳が咲く
ハーブ群生 呪縛の解けぬ身半分
血族もスギナも地下へ累々と
イントロの長さ石榴はすでに熟れ
犬の高さを越えて鬼頭は
一本の何を殺めて洗う指
秋は其処 白紙に戻す足の裏
銀の雨さむい冷たい 極刑か
昴ぶりは有ったか黄楊で髪を梳く
魚臭の手 性善説を曖昧に
闇深くいよいよ光る背も指も
満開の絵手紙並べ ゼロ番地
蜘蛛は糸光らせ見事なエピローグ
神無月ならば鏡を伏せ あ そ ぶ