現代川柳『泥』第五号
垂れ流す午後の会話と冬の金魚
我慢ならぬならぬとうそぶく金魚
灰汁抜けて昂ぶることもなく金魚
樹林の吐息ではらはらと舞う金魚
身を捨てて海を知ろうとする金魚
煮ても焼いても食えぬ生臭い金魚
薄暮からはらり抜け出すカメレオン
常夜灯妖しく光る猫家族
真っ赤な嘘ダダイズムなど良く似合う
俗世を捨てるに惜しい花ごよみ
ある日ふと溺れてみたい河にでる
愁眉ひらいてあっけらかんと握り飯
凡俗のわたしに出来ぬことばかり
降りる筈もないの蜘蛛の糸とモルヒネ
砂漠の真ん中放尿ああ生きている
落ちていた会話とグローバルな会話
蝶よ花よ骨抜きばかり殻ばかり
延長線上におく湿った榾木
泣きながら咲く浜木綿と憐憫と
放心の骸でパンを焼いている
竜巻に呑まれてみたい沙羅の下
時代に背 革命ごっこ花ごっこ
逆切れてなす術もなき梨の花
慢心の楔打つ手に霙はらはら
シンジケート抜けて激しい雨に遭う
甘い懊悩ランダムに抜く生温かい風
夕闇が炙り出すわが歪な影
壁ぎわではっしはっしと折るは自我
楯ひとつふたつこの苛立ちは何だろう
どぶ板をめくれば慙愧ごうごうと
垂れ流す午後の会話と冬の金魚
我慢ならぬならぬとうそぶく金魚
灰汁抜けて昂ぶることもなく金魚
樹林の吐息ではらはらと舞う金魚
身を捨てて海を知ろうとする金魚
煮ても焼いても食えぬ生臭い金魚
薄暮からはらり抜け出すカメレオン
常夜灯妖しく光る猫家族
真っ赤な嘘ダダイズムなど良く似合う
俗世を捨てるに惜しい花ごよみ
ある日ふと溺れてみたい河にでる
愁眉ひらいてあっけらかんと握り飯
凡俗のわたしに出来ぬことばかり
降りる筈もないの蜘蛛の糸とモルヒネ
砂漠の真ん中放尿ああ生きている
落ちていた会話とグローバルな会話
蝶よ花よ骨抜きばかり殻ばかり
延長線上におく湿った榾木
泣きながら咲く浜木綿と憐憫と
放心の骸でパンを焼いている
竜巻に呑まれてみたい沙羅の下
時代に背 革命ごっこ花ごっこ
逆切れてなす術もなき梨の花
慢心の楔打つ手に霙はらはら
シンジケート抜けて激しい雨に遭う
甘い懊悩ランダムに抜く生温かい風
夕闇が炙り出すわが歪な影
壁ぎわではっしはっしと折るは自我
楯ひとつふたつこの苛立ちは何だろう
どぶ板をめくれば慙愧ごうごうと