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川柳・ボートっていいね!北海道散歩

川柳・政治・時事・エッセイ

孔雀の羽・・池さとし

2007年11月24日 | 川柳
            現代川柳『泥』第五号作品集

          孔雀の羽を大きく広げるウォシュレット

  星明り手負いの傘を持て余す
                     受け取り人不明の荷となる我が痩身
  うろこほどの夕焼け一枚盗りに行く
                     どう座っても僕は傾きかけている
  錠剤のひとつはきっと解体屋
                     どの指が一番重い偽証罪
  ほんとうの愛が隙間に落ちている
                     風船を無数に飛ばすコーヒータイム
  くちびるをゆっくり濡らすとき殺意
                     定型も破調も母は包みこむ
  ネクタイの殺意と危ない日を過ごす
                     どの星にたどり着くのか吾が係累
  首洗うカウントダウンするように
                     落ち葉踏むいたるところにダリの髭
  バランスの微妙に崩れる被告席
                     ウォシュレットの屈辱星を見たことがない
  街角の星占いは愉快犯
                     たましいの在り処一個の星光る
  いつものようにタイムスリップするベンチ
                     れんこんの穴からひょいとテロの顔
  迷路から覗くと何も怖くない
                     噴水は賢兄 愚弟はウォシュレット
  砂漠から出られぬ駱駝もネクタイも
                     月がのぞいているいつもの死体安置室
  夜の底流れるディフォルメされた傷
                     駄菓子屋に昭和の夕焼け空が浮く
  椅子とりゲーム僕の辞書から削除する
                     ぼくだけのタオル投げ込む小劇場
  指きりひとつとても逃れぬ定置網
コメント
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