![]() | 司馬遼太郎の日本史探訪 (角川文庫)司馬 遼太郎角川書店このアイテムの詳細を見る |
昭和という時代の歴史観形成に巨大な影響力を持った司馬遼太郎。
それはサヨク的なものとは違っていた(当時のサヨクは、司馬を右翼的とさえ言っていたかと思う)。
この人の人の見方、歴史の見方を抜きにして昭和は語れない。
私はかつて、とある学生が司馬遼太郎にのめり込むのに接して、文系音痴から脱却し、ひきづられて、のめり込むようになった。
昭和という時代から随分と時間が経ち、司馬遼太郎も亡くなり、彼のメッセージは風化しつつあることが悲しい。
しかし、それも歴史というものなのだろう。
人間が歴史を見る目は所詮、ホイッグ的なのである。
(ホイッグ的とは、その時点時点にたってしか、過去を見る事が出来ないという歴史観のバイアスのこと)
この本は、歴史上の人物に焦点をあてた対談集である。
最後の対談は、明治開拓時代の北海道のフロンティア精神である。
わずか1年しか北海道にいなかったクラーク氏のインパクトはすごいものがある。
新渡戸稲造や内村鑑三など、武士の精神とキリスト教の精神を融和させ、日本人の誇りを打ち立て、一気に世界へ躍り出た。
内村鑑三のクリスチャンリベラリズムは、後に東大総長となった南原繁へも受け継がれた。
第二次世界大戦末期、日本帝国大本営東大設置を拒否し、戦後のアメリカ進駐軍本部のための東大キャンパス接収をも拒否し、厳然と学問の府の自由を守った歴史へとつながっている。
私は今、アメリカの地に出張できているが、その時代、外国へ出た人間のカルチャーショックを超え、未開国とのレッテルを超え、誇りを築き上げた先人にいつも感動を覚えてならない。
あすから会議、1週間。
頑張るぞ!久々にサイエンスだ!

ここは暑い!でも気持ちいい!