楽学天真のWrap Up


一語一句・一期一会
知的遺産のピラミッド作り

いい論文をかこう(9)データ記載

2007-12-07 17:49:15 | 科学
本シリーズも9回目。
今回はデータ記載の節について。
注意すべきは、記載と解釈を混ぜないこと。
自然の中から引き出された事実がきちんと整理されていると、データが自ずからメッセージを発する。
それが理想である。
データの統計学的処理もきちんとされているか、などは基本の基本。

どうも不明確な傾向に対して, 主観が先行してしまうと
「うへ!そんな馬鹿な!」「そんな傾向なんかないぞ!」となり、rejectの対象である。

ここでちょっと批判めいたことを1つ。

さる東京の有名な大学の研究所の研究とさる仙台界隈の研究所の地震のデータでいつも印象的なのが、
膨大なデータの精度を上げ、データが自ずと自然の真理のメッセージを発する仙台学派の論文と、over-interpretationの東京界隈の違いが気になる。

解釈などせずとも、読者がデータを見て、間違いない!と思うデータ記載が最高である。
少ないデータで無理をしても、思いは伝わらない。
思いたい、と誰しも認めることとは違うのである。

人が納得できない段階のデータでは、いまだ論文に値しない時期尚早なのである。
主観と客観の一致、それがサイエンスの基本だ。
頑張れデータ闘争!

少ないデータでも徹底して深さを追求して、論文に仕上げるというのがアメリカ人など得意であるね。
そして徹底して討論し、データの少なさを論理の整合性で乗り切る。
そんな方法もあるが、初心者には向かないかもしれないね。

あふれるようなデータの山から自然の本質を抽出する、まずはそのことが大事かもしれない。
ただし、このことは観察、観測、実験系の研究の話である。






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