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俺は、中小企業のおやじ(鈴木修)

2009年06月12日 01時00分00秒 | 
<金曜は本の紹介>

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 この本は、自動車のアルトやワゴンRで有名なスズキ株式会社の代表取締役会長兼社長である鈴木修さんの自伝です。

現在1930年1月30日生まれの79歳ですが、週1回のゴルフ、海外出張のハシゴも苦ではなく、8時間歩き詰めの工場監査の後、サウナに行き、深夜におよぶ宴会もこなしているようです。

 働くことが楽しく、有給休暇は死んでから嫌ほど取れると考えているようです。

この本では、2代目社長の娘婿となった頃の話から、大ヒットしたアルト、工場建設、工場監査、不遇の時代、ジムニー誕生、GMとの提携、ハンガリー・スペイン・インドへの進出、ワゴンR、後継者などについて分かりやすく書かれた本で、人生を生きる上でのヒントが盛りだくさんで、とてもオススメです!!


以下はこの本のポイント等です。

・私には、会社経営について、ひとつの確信があります。企業は一時的に順調でも、いつまでも順風満帆で成長していけるものではない、ということです。周期的に危機がやってきて、それを克服できれば、よりたくましくなりますが、その波に飲まれると成長が止まってしまう。最悪の場合は、倒産して組織が存続できなくなってしまうこともあります。その周期の長さは、だいたい25年くらいではないでしょうか。四半世紀に一度は、その会社を土台から揺さぶるような危機が訪れ、そのときにこそ真価が問われるのです。

・会社も同じです。年間の成長が数百億円なら、きっちりと節ができてどんな過酷な条件にも耐えられます。しかし、急に大きくなると、節と節との間隔があきすぎてしまい、いくら竹でも折れてしまう。

・やはり、もっと早く人材を育てておくべきでした。たとえば、大卒の技術者といっても、一人前になるには12年から15年かかります。売上高1兆円のときに次の飛躍に備えた規模の採用をしておけば、いまは彼らが中核になっていたはずです。しかし、そのときは会社がこんなに大きくなるとはイメージしていなかった。いまの陣容で足りるだろうと考えてしまった。経営者としての未熟さを反省するばかりです。

・これを見て、「ああ、そうか」と気づきました。人間誰でも同じでしょうが、自分より格上のものの存在がどうしてもおもしろくないのです。そこで私は、アルトの等級をやめて一本化することにしました。「デラックス」でも「スタンダード」でも構わないのですが、とにかく等級付けするのをやめました。

・ここで得た教訓は、「1位と2位が本気で戦いはじめると、3位以下のメーカーなんて木端微塵に吹き飛ばされる」ということです。つまり、3位以下の企業というのは不安定で脆弱な存在にすぎず、やはり小さな市場であってもナンバー1になることが大切だと思います。

・この事件を振り返って思うのは、重大事が起こったおきに、経営者が自ら現場に行って自分で判断することの重要性です。私が浜松に引きこもって部下任せにしていたら、ロサンゼルスの頼りなさそうな弁護士を起用することになったかもしれません。そうなれば、状況が悪化したのは必至で、スズキのイメージは大きく傷ついたことでしょう。もうひとつは、弁護士にはカネを惜しむな、ということです。これは医者についてもいえることですが、ケチケチせずに最高の人材を雇えば、その見返りは大きいことを知りました。そして、やはりそのことを教えてくれたのもGMです。

・読者の皆さんには「そもそもスズキは、なぜハンガリーやインドのような国ばかりを選ぶのか」といった素朴な疑問があると思いますが、理由は非常に簡単です。軽自動車中心のスズキは、アメリカやヨーロッパで通用するような大きなクルマを持っていなかったからです。東南アジアならなんとかなりますが、現地事業のライセンスをなかなかとれません。そこで、インドやハンガリーのような、人の行かない市場に注目したのです。

・「会社というのは、いろいろ手間がかかっても一から自分でつくりあげたほうが、いい結果が出る」という教訓です。世の中では「M&Aブーム」といわれた時期もありますが、少なくとも自動車産業でM&Aをやって大成功しているところはありません。自力でコツコツと積み上げてきた企業が成功し、ダイムラーとクライスラーのような大合併は結局、失敗だったと思います。フォードも、せっかく買収したジャガーを売ってしまいました。

・インド人は経済観念が発達しており、「最もバリュー・フォー・マネーのいい商品を選ぶ」といわれます。「バリュー・フォー・マネー」というのは、平たくいえば「お買い得」ということでしょうか。お金持ちになったからといって、大きなクルマを買いたいとか、「ベンツ」のようなブランド車に乗りたいという人はそれほどたくさんはいないようです。そこが、中国やロシアなどの他の新興市場との大きな違いです。

・インド政府の面々は「われわれと直接向かい合って、真剣に話を聞いてくれた社長はミスター・スズキだけだった。だから、もう一度、浜松まで来たのです」と言ってくれました。私はいざというとき、トップが直接乗り込むことは非常に大切だと思います。

・子供のころ、雪だるまをつくるとき、最初の根になる雪玉を母にしっかりとつくってもらったことがあります。その雪球を転がして雪だるまをつくるのですが、雪球がダメだと上手にできません。逆に雪球がちゃんとしていれば、雪だるまが解けても、根となる雪だまは解けずに残っている。創業者の偉大さはここにある気がします。2代目、3代目、4代目は、休まずコツコツと雪玉を転がしていけば、企業は発展していくものです。


<目次>
第1章 ピンチをチャンスに変える
 忘れることのできないクルマ/発売を1年延期
 ヒントは工場の従業員から/格上のクルマは不愉快
 35万円でつくって儲けが出るクルマ/初の全国統一価格
 あるときはレジャーに、あるときは通勤に
 息を吹き返した軽自動車市場
第2章 どん底から抜け出す
 アルトの儲けを設備投資に/儲けがないなら水でも飲んでおけ
 投資は3年で元をとる/タイヤは4つあるが、排気量はバイクと同じ
 大卒の若造に何ができるか/代理店の社長経験なしに営業関係の役員には登用しない
 販売店の息子さんを預かる/規模ではなく中身が重要
 できない理由を言うな/セールスは断られてから始まる
 1位と2位が争ったら、3位以下は吹き飛ばされる
第3章 ものづくりは現場がすべて
 スズキとの出会い/実態は町工場/企画室との闘い
 本社を追い出されて工場建設/35歳以下10名の強行軍/ケチケチ作戦
 購買部長に就任/24年ぶりの国内新工場/理想は「うなぎの寝床」型工場
 工場監査/小少軽短美/工場にはカネが落ちている
 とことん生かし切れているか/入れたばかりの設備でも非効率ならすぐに直す
 部品の共通化-ハーン博士の教え/技術者の力を引き出す難しさ
第4章 不遇な時代こそ力をためる
 マン島TTレースでの優勝/USスズキの設立
 エンジンをばらしていない日はない/聞く耳を持ってくれない本社
 ホープ自動車、小野さんとの出会い
 4輪駆動の軽自動車/ジムニー誕生
 アメリカでの赤字を帳消し/お世話になった方々
第5章 トップダウンはコストダウン
 GMとの提携/注目される小型車/蚊は鯨に飲み込まれない
 カルタスで小型車に挑戦/対米輸出自主規制の延長
 北米での小型車生産開始/クルマづくりはGMから学んだ
 サムライ横転事故/最高の人材を雇えば、見返りは大きい
 スズキなら5分で決断できる/ハンガリー進出
 現場、現物で陣頭指揮をとる/スペイン事業の撤退
 後ろ向きの仕事はしない
第6章 小さな市場でもいいから1番になりたい
 インドは、世界に例のない小型車中心の市場
 募集の締め切りはとうに過ぎていた/表敬訪問のつもりが3時間
 真剣に聞いてくれた社長はミスター・スズキだけ
 国内で1番になるのが難しいなら海外でやってみよう
 ガンジー首相との出会い/最悪でもなんとか1年ですむように
 ガンジー家とスズキの縁/幹部用の個室の壁をぶち壊す
 スズキがインドの労働者の意識を変えてくれた
 苦労した現地部品の調達/政権とのトラブル
 寡占と競争の違い/競争にもまれていない会社はもろい
 いきなりメジャーリーグになったインド市場
 インドは、このうえなく重要な事業拠点
終章 スズキはまだまだ中小企業
 すぐに商品化しなかったことが幸運を招いた
 ワンボックスブームの到来/セダンもあるけど、ワゴンもあーる
 小さなクルマをつくることなら誰にも負けない
 2輪事業の反省/「売上高」と「取扱高」の違い
 難しい後継者選び-さよなら小野くん
 思い出す義父との意気投合/思いがけない言葉
 想像以上の働きぶり/生涯現役で走り続ける
あとがき
語録 -会社経営/海外進出/製品/経営者として/仕事への取り組み/ものづくり
資料
年譜

面白かった本まとめ(2008年)


<今日の独り言>
ランチ食べ放題のお店に行くと、やっぱり食べすぎますね^_^;)ついつい欲張ってしまいます^_^;)

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