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「子どもの才能は3歳、7歳、10歳で決まる!(林 成之)」という本はオススメ!

2011年11月11日 01時00分00秒 | 
<金曜は本の紹介>

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 この「子どもの才能は3歳、7歳、10歳で決まる!(林 成之)」という本は、以前にこのブログで紹介した「脳に悪い7つの習慣」「<勝負脳>の鍛え方」と同じ著者が書いた本です。

 本書は子どもの才能をアップさせることに特化し、子どもの脳を高めるには、本能を磨くことや良い心を育むことが重要でそれらが三位一体になっていること、そして0~3歳、3~7歳、7~10歳以上に分けて、具体的に子どもの才能をアップする方法について書かれています。 そしてそれぞれのステップでの大きな目標は以下の通りとしています。

 1.0~3歳で、脳の本能を磨き、「心が伝わる脳」を育てる
 2.3~7歳で、脳にとって悪い習慣をやめ、「勉強やスポーツができる脳」のベースを育てる
 3.7~10歳で、自ら学ぶ「本当に頭がよい脳」を育てる
 4.10歳以降は、よい習慣を存分に活かし、「才能を発揮する脳」を伸ばしていく
 
また、子どもの将来のことを考えれば、本当に必要なのは「思考」「理解」「記憶」といった脳の「機能」を十分に引き出すこと。さらに、長期的な視野に立てば、成長にともなって持てる才能をどんどん開花させる「進化する脳」を育て、また同時に周囲とよい人間関係を築く性格や、何事も手を抜かず全力で頑張る素直さを育て、社会でいきいきと活躍できる総合的な「人間力」を身につけることも大切と説いていて、とてもオススメです!

以下はこの本のポイントなどです。

・脳は、情報を受け取ると、まず「A10神経群」と呼ばれる部分で情報に対して「好きだ」「嫌いだ」「興味がある」といったレッテルをはることがわかっています。実は、このレッテルは脳の機能に非常に大きな影響を与えるもの。「好きだ」「興味がある」といった、プラスのレッテルをはられた情報は、しっかり理解でき、思考が深まり、覚えやすいのです。

・身の回りで、「あの人は優秀だ」と言われる人たちは、みな、好奇心旺盛ではありませんか?逆に、「何事に対しても無関心だけれど、頭がよい」という人はまずいないはずです。ここで非常に大切なことは、人の心は本能を基盤にして生まれるという点です。このため、脳の本能がなにを求めているかを知り、本能を磨くことは、探求心、向上心、貢献心、自尊心、友情や愛情を感じる心などを育むことにつながります。そして、心を育むことは、人間性を高めるのはもちろん、脳の機能を高めることにもつながっているのです。つまり、育脳において大切なのは、脳のしくみにもとづき、「脳の本能を磨き」「心を育み」「機能を発達させる」ことを一体に考えて取り組むことであるといえます。そして、これこそまさに「社会の中で自分の才能を十分に発揮し、よい人間関係を築き、充実した幸せな人生を送る」ための子どもの脳の育て方である、といってよいでしょう。

・実は、脳の機能を高めるにはほかにも重要なカギがあるのです。それは、本を読んだり人の話を聞いたりして情報を得たときに、「なるほどなぁ、すごいなぁ」と感動することです。読書をする際は、「きっと興味深いことが書いてあるに違いない」と気持ちを高め、「なるほどなぁ!」と感動しながら本を読むと、脳の機能が高まり、得るものが多くなります。

・人間の考えは、繰り返し思考することによって深まっていくものであることがわかります。緻密に繰り返し考え抜くことでよりよいアイデアがつくられる理由は、脳のしくみから説明できるわけです。最近は効率を重視することがよしとされる風潮がありますが、脳の思考力を存分に発揮するには、時間をかけて繰り返し考えることが必須。子どもにも、時間をかけてじっくり考える習慣を身につけさせなくてはなりません。

・子どもが才能を発揮できるようにするために、意識して鍛えるべきポイントがあります。それは、「空間認知能」です。空間認知能とは、空間の中で位置や形などを認識する知能。時間の長さを把握する能力も、空間認知能によっています。少し専門的になりますが、より具体的には、視覚的空間認知能、言語的空間認知能、運動的空間認知能、思考的空間認知能、先を読む空間認知能があり、ものを見て絵に描く、本を読んでイメージをふくらませる、身体のバランスを取って運動するなど、思考したり身体を動かしたりするときに大変重要な役割を果たしているのです。空間認知能は能の機能全体にかかわるものといえ、空間認知能が鍛えられていないと、能は才能を十分に発揮できません。たとえば運動的空間認知能を高めるには、姿勢や歩き方を正しく保つ、目線を水平にするといった基本的な習慣づけが大変重要です。また、思考的空間認知能を高めるのであれば、読み聞かせをし、ストーリーの先を考えさせるような質問を投げかけるといった方法もあります。

・育能においては、年齢を問わず常に基本となる方法があります。ここで、脳の「機能」と「本能」「心」を一体で鍛える10の方法を見ておきましょう。
 ①物事に興味を持ち、好きになる力をつける
 ②人の話を感動して聞く
 ③損得を抜きにして全力投球する素直な性格を育む
 ④「無理」「大変」「できない」など否定的なことを言わない
 ⑤目標に向かって一気に駆け上がる
 ⑥「だいたいわかった」などと物事を中途半端にしない
 ⑦重要なことは復習し、繰り返し考える
 ⑧自分のミスや失敗を認める
 ⑨一を尊敬する力をつける
 ⑩”類似問題”で判断力を磨く

・もう一つ大切なのは、学校の先生など、指導者を好きになること。みなさんは、嫌いな人の話はどうしても熱心に聞けない、頭に入りにくいと感じることはありませんか。A10神経群は、嫌いな人が発する情報には「嫌いだ、面白くない、興味がない」といったレッテルをはってしまいます。つまり、「先生を嫌いになると、その先生が教える教科も嫌いになる」のです。嫌いなものは理解しにくくなり、考えづらくなり、覚えにくくなりますから、嫌いな先生の教科の成績がよいということはまずありません。ですから、子どもが先生に叱られて帰ってきて先生の悪口を言い出した場合、お母さんは「そうね」と同調してはいけないのです。「でも、先生にはこんなよいところがあるよね」などと言い聞かせ、子どもが先生のことを好きでいられるようにしてあげましょう。

・先に、思考は繰り返すことで深まるとご説明しましたが、思考を重ねていくことは、「ひょっとしたら、同じように見えるが微妙に違うのではないか」「もしかすると、同じかもしれない」などと吟味できてこそ意味があります。つまり、「微妙な違いを判断する力」なくしては、新たな発見や独創的な思考を生み出すことはできないのです。ちょっと、考えてみてください。そもそも、多くの人が「だいたい同じであろう」とおおざっぱに片づけてしまうようなことにも差異を見出し、それをヒントにする人でなくては、「新発見」や「ほかの人が思いつかないような意見」を出すことなどできないはずです。

・0~3歳は、お母さんからたくさんの愛情を受けて「好きになる力」を育てるための時期といっても過言ではありません。その意味で、この時期の子どもはできるだけお母さんと一緒に過ごし、お母さんから声をかけてもらったり抱いてもらったりすることが大切です。

・子どもが尊敬する心を育てるには、お母さん自身が尊敬の気持ちを持って子どもと接することが必要です。「この子がいるから私は成長できる」と考え、子どもを一人の人間として尊敬することを忘れないでください。

・育脳において0~3歳からぜひやっておきたいのは、子どもの耳を鍛えることです。集中してものを聞く習慣がつくと、人の話にきちんと耳を傾けられるようになるので、「感動して聞く力」のベースが育まれます。耳がよいと、音に瞬時に反応できるので、スポーツに必要な反射神経がよくなるというメリットもあります。耳を鍛えるには、具体的には「音階をきちんと聞き分ける」というトレーニングが有効です。たとえば、楽器で音を出して同じ音階を声に出させ、上手にできたらほめる。ピアノなどの音を聞かせてどの音かを当てるクイズをやる。こんなふうに、無理なく親子で楽しめる方法でよいと思います。

・0~3歳の子どもの脳を鍛えるために、「生きたい」「知りたい」「仲間になりたい」という本能を鍛えるための具体的なポイントとして、次の10項目を押さえておきましょう。
 ①明るい表情を見せ、愛情を十分に注ぐ
 ②失敗を認め、よくほめる
 ③真剣に競争する
 ④自分の足で歩かせる
 ⑤やっていることを止めない
 ⑥すぐに手助けしない
 ⑦興味を持ったことを応援する
 ⑧子どもの目線で一緒に遊ぶ
 ⑨話に共感しながら最後まで聞く
 ⑩いつも楽しんでコミュニケーションする

・幼い子どもにお勧めなのは、積み木やブロック遊び。立体的なものを積み上げたり組み合わせたりするには、水平を意識し、集中して、ものの形や位置を正しくとらえることが必要で、自然に空間認知能が鍛えられるからです。この点、粘土のように形が変わるものは、形を正しくとらえる訓練には向きません。もちろん何か悪影響があるというわけではないので、楽しんで粘土遊びをするのはまったくかまいませんが、幼いころの積み木遊びやブロック遊びに育能上のメリットがあることは知っておきましょう。運動能力を鍛えるという意味では、はだしで遊ばせるのもよいでしょう。足の裏の感覚が鍛えられ、バランスを保ちやすくなり、空間認知能が高まることが期待できます。

・子どもは本来、学習するのが大好きです。生まれながらに「知りたい」という本能を持っているので、新しいことを知るのはうれしいと感じます。「新しいこと」を「無理がないように、ちょっとだけ」教え、「できるようになったら、思い切りほめる」ことが、本能をのばし、学ぶことが好きな子供に育てるコツです。

・また、子どもに教えることは、お母さんも興味を持って好きになり、一緒に楽しむことが大切。親が「自分は英語が苦手だから、せめて我が子には・・・・・」と英語教材をあてがっても、大好きなお母さんが嫌いなものには、子どもはなかなか興味を示さないからです。子ども自身が興味を持っていないことは、いくらやらせても脳がつらいと感じるだけですから、無理をさせないようにしましょう。

・脳の本能を鍛えるには、水泳がお勧めです。きちんと大人の話を聞かないとおぼれてしまいますから、水泳をやっている子どもは人の話をよく聞く力がつきます。また、自己保存の本能が働いて水を怖がる子どもは少なくありませんが、それを乗り越えることで、本能の過剰反応を抑える経験を積むことができます。

・空間認知能を鍛えるという観点では、絵を描かせるのがよいでしょう。ものの形をとらえたり、物語を聞いてその内容を絵に描いたりすることで、空間認知能のトレーニングができます。幼いうちは上手か下手かを問わず、絵を描いたら「よく描けたね、上手だね」とほめ、絵が好きになれるようにサポートすることに注力します。少しずつものを見て描き取れるようになってきたら、色や形、光の当たり方など、注意して見るべきポイントをアドバイスすると、より観察力が鍛えられるでしょう。

・3~7歳は、適切に「間引き」し、脳神経伝達回路のベースをしっかりつくることが重要ですから、知識やテクニックを教え込む時期ではありません。この時期は、「勉強やスポーツができる脳」の基礎固めを目指し、脳の機能や本能、心を鍛える際の妨げとなる「脳に悪い習慣」をやめることに力を注ぎましょう。では脳機能や本能、心を三位一体で働かせるためにやめるべき習慣とは何でしょうか。ここで、「3~7歳で徹底的にやめさせたい、育脳に悪い習慣」をチェックしましょう。
 悪い習慣①物事に興味を持てない、感動しない
 悪い習慣②無理、できない、大変など否定的な言葉を使う
 悪い習慣③よく「後でやるよ」と言う
 悪い習慣④集中できず、途中で違うことを考える
 悪い習慣⑤だいたいできたところでやめる
 悪い習慣⑥人の話を聞き流す
 悪い習慣⑦人をバカにする、尊敬できない
 悪い習慣⑧学んだことを確認しない
 悪い習慣⑨自分が失敗したことを素直に言えない
 悪い習慣⑩損得を考えて手を抜く

・お父さんに担ってほしい役割の一つは、子どもの”逃げ道”になること。子どもを育てる過程では、厳しく叱らなければならない場面が出てくるものです。しかし、両親がそろって厳しく叱ると、子どもは逃げ場がないと感じ、叱られることを極端に恐れるようになってしまいます。その結果、嘘をついたり、挑戦するのを嫌がったりするようになることもありますから、子どもを叱る際は必ず”逃げ道”を用意しておくべきといえます。そこで、お父さんの出番です。お父さんが本気で叱ったら、お母さんより怖いのは当たり前ですよね。必要以上におびえさせるよりは、叱るのはお母さんに任せ、お父さんは子どものフォローにあたる役割を担うのがよいと思います。もう一つは、子どもと一緒にハメを外すこと。子どもは、ふざけてハメを外し、一緒に遊んでくれる大人が大好きです。「うれしい、楽しい」と感じる気持ちや「お父さんが大好き」という気持ちをしっかり育てるためにも、泥んこになって暴れたりして思いっきり遊んであげてください。

・子どもが楽しみながらできるトレーニングとしてお勧めなのが、なわとびです。ただとぶのではなく、地面に丸を描き、そこからずれずに着地するように繰り返すのがポイント。そうすると、真上にとんで着地するトレーニングができます。「ずれずに何回とべるか、競争しよう!」などともちかけると、子どものやる気をアップさせることができます。慣れてきたら、上り坂や下り坂で同じルールでとんでみます。しっかり意識しないと低いほうに身体の軸がずれていきますから、より高いトレーニング効果が望めるでしょう。もちろん、とんでいる間に目線がずれたらなおしてあげます。なわとびには、腸腰筋が鍛えられるというメリットもあります。身体の軸を安定させるなど運動能力を左右する非常に重要な筋肉ですが、日本人はもともと胴体が長いため、欧米人などと比較すると腸腰筋が細いのです。日本人の運動能力の弱みになってしまいがちな部分ですから、身体の成長に合わせてしっかり鍛えていくのが望ましいといえます。

・身体を動かして空間認知能を鍛えるには、親子でボール遊びをするのも効果的です。キャッチボールをしたりボールを蹴り合ったりする動作は、空間の間合いを測るトレーニングになります。また、スポーツで必要となる「相手の動きを観察する力」もつけることができます。

・習い事は、子どもが自分から興味を持ち、やりたいという気持ちになってから始めるべきなのです。ですから、まず大切なのは、好きになるような環境を身近に用意し、親自身がそれを楽しんで見せること。たとえば音楽なら、楽器を身近に置いて親が楽しそうに演奏してみせたり、一緒によい音楽を聞きながら「すてきな曲だね」と声をかけたりしましょう。子どもが「自分でもやってみたい」と言い出したら、存分にチャレンジできる環境を整えてあげてください。子どもは、大人が希望するように「あれをやりなさい」「これをやりなさい」と言ってもその通りにはならないものです。まったく興味を示さないものを無理にやらせても、能力を伸ばすことはできません。子ども自身が、何に関心を持っているのか気づけるように導くのが大人の役割なのです。ただし、一つ注意点があります。それは、子どもが自分から「やりたい」と言ったことはきちんと続けさせること。途中で物事を投げ出すのは、脳にとって大変悪い習慣ですから、「やっているうちに嫌になった」などの理由で簡単にやめさせてはいけません。

・大人はどうしても損得でものを考えがちです。しかし、子どもが興味を持つものに対して、「これは役に立つ」「あれは役に立たない」などと判断するのはNG。もっとはっきりいえば、子どもが興味を持っていることを、大人が「くだらない、意味がない」と決めつけるのは間違いです。子どもが何かに興味を持ったら、親はその興味が存分に満たされるよう、応援しなければなりません。子どもの興味は一つのところにとどまらず、次々と移り変わり、変化していくものです。親が「そうなんあ、すごいね、すてきだね」と言えば、子どもはますます興味を深め、電車が動くしくみに関心を持つなど「知ろうとする力」をどんどん発揮していくようになるでしょう。子どもが何かを好きになることは、もって生まれた能力を発揮し、才能を開花させるための引き金となる非常に貴重な経験です。親が損得勘定でそれを摘んでしまうことがないよう、十分に留意してください。

・「経験や情報をたくさん与えるのがよいはずだから」と考えて、子どものころから動物園や博物館などに次々と連れていったとしても、脳を育てるという意味ではさほど大きな効果はないでしょう。経験や情報の量を追い求めるのは、育脳においては賢い方法とはいえないのです。もちろん、子どもに新しい経験をさせることが悪いわけではありません。ただし、その経験を脳にとってよりよいものにしたいのであれば、経験の数ではなく「経験のしかた」を重視すべきです。先にご説明したように、脳は感動しながら見聞きしたことについては深く理解し、思考し、記憶することができます。子どもが何に興味を示すかを注意深く見守り、関心を持ったものは親子で感想を言い合いながらじっくり見聞きするとよいでしょう。また、家族で外出する際に何より大切なのは、みんなで仲良く楽しむこと。家族全員が同じ経験をし、その感想を共有するということそのものが、「仲間になりたい」という本能を磨きます。

・小さいころから本を読んであげると、子どもは本が好きになります。「好き」は才能の扉を開けるカギですから、子どもに本を読み聞かせるのは大変よいことです。「好きになる力」が高まるよう、わが子が興味を持つものを選んであげることも大切です。育脳という観点では、ただ読み聞かせるっだけでなく、「先を読む空間認知能」をトレーニングするとよいでしょう。まず、子どもには主人公になった気持ちで聞くように声をかけると、物語にしっかり入り込みます。そのうえで、読み聞かせの途中、「この続きはどうなると思う?」「あなただったらどうする?」などと質問するのです。このような読み聞かせは、空間認知能を鍛えるだけでなく、「そのものになりきる力」も高めます。この力は、大きくなってからものを覚える際に大変役立つもの。そのものになりきってイメージすると、あたかも自分自身が体験したかのように強い記憶をつくることができるからです。また、一方的に聞かせるのではなく、間に「うれしいよね」「悲しいね」「困っちゃったね」などと会話をはさむと、子どもは共感を覚えて話を一生懸命聞くようになります。読み聞かせは、やり方次第で「感動しながら話を聞く力」を養うこともできるのです。

・7~10歳以降は、本格的に学習に励んでよい時期です。ただし、育脳という観点から、大人が気をつけなくてはならないことがあります。それは、子どもには絶対に「勉強しなさい!」と言わないことです。しかし、「勉強しなさい」は封印してください。特に、ある程度発達した子どもの脳にとっては、このようなあ指示・命令は”百害あって一利なし”だからです。子どもは、脳が発達してくると、勉強にかぎらず「ああしなさい、こうしなさい」といった指示を嫌がるようになります。親があれこれ口出しすると、「いま、やろうと思っていたのに!」と反発するのです。これは、脳の発達にともなって自己報酬神経群の働きが活発になっている証拠です。先に見たように、自己報酬神経群は「自分で決めたことを自分で達成したい」と考え、「自分でやる」ことをごほうびとして機能します。つまり、自主性・主体性を持ったときにうれしいと感じるのです。親が「ああしろ、こうしろ」と指示することは、「自分からやる」ことができなくなることを意味します。つまり、親の指示は、脳に対して「やる気を削いで思考力を落とす」という悪い影響を与えているのです。7~10歳以降の子どもの脳は、親があれこれ指示・命令するほど、パフォーマンスを落としていくことになります。

・自己報酬神経群の機能を高めるには、子どもが自分から「こうする、こうしたい」と決めることが重要です。そこで登場するのが、「よい質問」なのです。「こうしなさい」と言いたい内容を選択肢として示したうえで、「あなたはどうすればよいと思う?」と尋ね、子ども自身に選ばせるというステップを踏むのです。たとえば、理科が苦手な子どもがいた場合、「もっと理科の勉強をしなさい」「わからなければ先生に質問しなさい」と言っても、子どもはなかなか腰を上げません。そこで、「お母さんも理科は苦手だったのよ。でも、学校の先生にわからないことは何度でも質問に行っているうちに、得意科目になった経験があるの。あなたはどんなふうに取り組みたい?」などと尋ねるのです。このような場合、子どもがどうすべきか、わかりやすく答えを示してしまってかまいません。あるいは、2つの方法を提案し、「どっちを選ぶ?」と聞いてもよいでしょう。ここで大事なのは、子どもに自分の口で「自分もそうする!」「私ならこうする!」と言わせることにあります。

・10歳以降は、脳はほとんど大人と同じになりますから、ガンガン勉強させてかまいません。そこで大切なのが、子どもに思う存分、勉強に励んでもらうための方法です。ポイントは、「子どもの自尊心を刺激すること」。たとえば、子どもが頑張ったら「すごいね」「こんな勉強のしかたはあなたしかできないね」と頑張ったことに胸を張れるような言葉をかけましょう。

・10歳以降に意識的に鍛えておきたいのが、物事に取り組むときの順番を決める力。物事の推移を考える際には、思考的空間認知能がかかわっています。子どもはどうしても目の前にある自分がやりたいことから手をつけてしまいがちですから、やはり親が上手に「手順を考える力」がつくようにサポートしてあげたいところです。もちろん、「先に宿題をやりなさい」などと物事の順番を指示するのはNGです。それを言うと、子どもは「そうしようと思っていたのに!」と反発してしまいます。子どもの意欲を削がないためには、「宿題とゲームとピアノ、どれを先にやる?」などと選択肢を示して自分で選ばせるようにしましょう。このとき、計画性が身に付くよう、アドバイスを添えてもかまいません。たとえば「いまから宿題をやるとちょうど夕食までに終わりそうだけど、宿題とゲームとピアノ、どれを先にやりたい?」というように尋ねるのです。親にしてみると、いちいちこのような言い方をするのは面倒に感じるかもしれませんが、自己報酬神経群の働きを阻害しないよう、「子どもに自分で選ばせる」ことを心がけて言い方を工夫してください。

・子どもに勉強の場所をつくることは、能の本能から考えても、大変重要です。脳には、統一・一貫性を好むという本能があるのでしたね。このため、環境の統一・一貫性が保たれると、脳は力を発揮します。勉強や仕事をする場合、いつも同じ場所を使ったほうがよいのです。このことを知っておくと、試験やスポーツの試合などもうまく活用することができます。たとえば、試験会場では「いつもと環境が違う」ということが脳の力を落としてしまいます。これを防ぐには、日頃から試験の状況、具体的な時期や場所などをイメージしながら勉強するのがお勧めです。また、試合の会場などで緊張してしまったら、いったん場所を移動しましょう。緊張を覚えた場所に居続けると統一・一貫性が外れず、緊張をほぐすことができないからです。

・10歳以降の子どもに対してお父さんが果たすべき一番大事な役割は、「背中を見せて、一緒に夢を語ること」。いつも身近にいて、時には細かいことまで叱らなければならないお母さんは、子どもと一緒に大きな夢を語るのにはあまり向きません。やはりここはお父さんの出番といえます。特に小学校高学年や中学生くらいになったら、お父さんは意識して自分の経験談を話し聞かせ、子どもに夢を語らせてください。もちろん、ただ夢を語らせればよいというわけではありません。子どもが目を輝かせてお父さんの経験談を聞き、「ぼくはこうしたい、わたしはああなりたい」と夢を語るようになったら、次は「夢に向けていまはどこまで何ができているのか、足りないことは何か」をきちんと指摘してあげることが必要です。大人から見て客観的にいまできていないことを示し、脳に対して目標を明確にすることは、子どもが夢に向かって頑張るためのサポートとなります。このときも、「ああしろ、こうしろ」と指図するのではなく、脳がパフォーマンスを発揮するように子どもの自主性を大切にすることを忘れないでください。

・学習において重要なのは、実は予習よりも復習です。「だいたいわかった、覚えた」ではなく「完璧にわかった、覚えた」というところまでやり抜くことが大事だということを忘れないでください。もちろん、先取り学習にもメリットはあります。それは、よい成績を取ることで子どもが自信をつけられることです。一つでも自信が持てるものがあると、子どもはさまざまなことに対して意欲的に取り組むようになります。また、先にご説明したように、同じことを繰り返し勉強することは脳の思考力を高めるうえで非常に大切です。先取り学習するのであれば、「繰り返し勉強する」という習慣の一環として取り入れることが肝要です。先取り学習をさせる場合には、弊害が出ないよう、「一度塾で習ったことでも、学校の授業ではまだ知らないポイントが出てくるかもしれないよ」「どんなことでも、感動しながら話を聞くと、頭がよく働くんだよ」などとアドバイスしましょう。子どもが興味を持って最後まで人の話を聞けるように導くのが、大人の役目です。

<目次>
まえがき
親の望みは子どもを”勉強ができる子”にすることなのか
脳の機能はどうすれば高まるのか
子どもの脳と大人の脳には違いがある
第1章 子どもの脳はこうして発達する
 脳はどのように情報を受け入れるのか
 脳は「本能」には逆らえない
 本能を過剰反応させてはいけない
 本能が「心」を生み出している
 才能と切り離せない「本能」と「心」
 「考え」はこうして生まれる
 どうやって人に気持ちが伝わるのか
 鍛えることができる「知能」とは
 「3歳、7歳、10歳」が重要なターニングポイントになる理由
 子どもの才能は後天的に伸びる
 脳を鍛える10の方法
第2章 0~3歳は本能を徹底的に磨く
 3歳までは本能磨きに集中する
 0~3歳の子どもに母親が果たすべき役割とは
 0~3歳は耳を鍛える
 0~3歳の子どもの脳を鍛える10のポイント
 0~3歳の育脳Q&A
第3章 3~7歳は脳の土台をしっかりつくる
 不要な細胞が減ることで脳の土台がつくられる
 「よい間引き」のために脳にとって悪い習慣をやめよう
 「いくら勉強しても頭がよくならない」には理由がある
 心と本能のギャップに気づけるか
 3~7歳の子どもに父親が果たすべき役割とは
 3~7歳で始めたいトレーニングとは
 3~7歳の育脳Q&A
第4章 7~10歳以降は自主的に勉強させる
 子どもに「勉強しなさい」と言ってはいけない
 子どもの才能を上手に伸ばすカギとは
 10歳以降はどんどん勉強させる
 自主的に勉強する環境のつくり方
 記憶力が劇的に伸びる方法
 10歳以降の子どもに父親がすべきこと
 子どもに悪い仲間ができたら深刻な事態だと考えよう
 7~10歳以降の育脳Q&A
あとがき

面白かった本まとめ(2011年上半期)

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