タウンミーティング/広告代理店の参考人招致を

2006-11-25 05:25:08 | Weblog

 22日(06年11月)の教育基本法参議院特別委質疑。その中で03年12月に岐阜県で開催したタウンミーティングに関する内閣府と広告代理店との業務契約内容についての民主党・蓮舫議員の質問がNHKでテレビ中継された。興味深い内容だったので、録画内容を文字に起こしてみた。

 蓮舫議員は最初にタウンミーティングなる国民の声を直接聞くという試み(儀式でしかないのだが)に掛けた総額が20億円にものぼる生半可な金額でないことを明らかにした上で教育改革関係のタウンミーティングの場合は、その平均経費は1箇所で900万~1000万も掛かっていること、ヤラセのあったタウンミーティングは5千万円も使われていたといった具合に如何に高額の支出となっているかを予め解説した。

 次いで内閣府が開催に関わる業務委託契約に当たって広告代理店に対し「業務広告代理店契約単価内訳票」で細やかな項目の指示を出していたことを指摘してから質問に移った。

 民主党蓮舫「内訳単価表はどうやって決められたんでしょうか?」

内閣府山本大臣官房長「お答えします。タウンミーティング運営業務の運営請負契約につきましては年度当初に一般競争入札を実施して、1年間の請負業務を決定しております。その入札方法ですが、1回当たりの総価での競争を行い、決定をいたします。その際落札業者からその落札金額の単価内訳書、これは大体100項目前後に亘っておりますがその単価内訳書を提出してもらいまして、その単価内訳書に基づく単価で契約を締結している、と言うところでございます」

 蓮舫「広告代理店で何社か一般競争入札をして、そして適当な仕事内容を、まあ一般の民間の感覚で言うと、より安価に提案した方たちが普通そういうタウンミーティングを受注されるんだと思うんですが、ずっと1社なんでね。一般競争入札でも、この受注をしている広告代理店ていうのは。しかもその値段でちょっと驚いたことがあるんですけど、会場費や舞台設営、ポスター・パンフレットの制作なんかは分かるんですよ。これはおカネがかかるというのは、ただ分からないのは、ヤラセ質問があった、これは岐阜でのタウンミーティングでの経費です。内閣府が広告代理店に指示をした最低コスト表です――」

 看板に近い次の大きなフリップを示す。

 空港(又は駅)での閣僚送迎等   15,000
 会場における送迎等        40,000
 エレベーター手動         15,000
 エレベーターから控え室までの誘導  5,000    

 蓮舫「空港又は駅までの送迎に1人当たりの係の報酬経費に15,000円を指示している。仕事内容は何か。空港又は駅まで大臣をお迎えをして、車寄せに来ているハイヤーまでお送りするだけの仕事です。その報酬が15,000円。他には会場で着くハイヤーをお待ちして、大臣が降りてきた、お招きをして、エレベーターまで案内するだけで15,000円です。エレベーターを降りて控え室まで案内するだけで5,000円。ああ、ごめんなさい。すみません、間違いました。会場入口でお迎えしてエレベーターまで誘導するのは40,000円です。これは実際にこの回受注した広告代理店はここに8名を雇って、32万円掛けて大臣をお迎えしているんです。これなんで分けなきゃいけないんでしょうか。駅まで迎えに行った方は会場までお送りして、会場からエレベーターにご案内して、エレベーターから控え室にご案内すれば、一人で済むものを、わざわざ人数を分けて単価15,000円、4万円とする理由が分からないんですよね。これどうして必要経費を計上されたんでしょうか」

 山本「あの、まあ、ちょっと、今のお答えの前に、先程大体入札しますと、最近ですと、4社ないし5社応札しておりまして、その中の最低価格の社と契約を致しておるところでございます。で、今議員がご指摘のような単価につきましても、こういう単価表の事項は示しますけれども、単価に入った額自体はその落札業者が自ら入れた額でございます。これはただ、これは業者の方で入れた額であるということをご理解いただきたいと思います。それから、今、あの、おっしゃいましたように確かに我々から示した仕様書の中には閣僚ですとか、そういう有識者をお迎えするに当たりまして、空港から会場まで、会場からエレベーターに乗って控え室まで、控え室から、アー、実際の会場まで、という具合に分けて仕様書を示しておりました。ええー、あの、まあそういう所に、ポジションに人が要るという意味で入れておったのが実情でございます。しかしながら平成17年度からはエレベーター手動といった項目は削除いたして節減化を図っておるところでございます」

 蓮舫「あの、ごめんなさい。じゃあ、端的にお伺いします。この一番高いヤツですね、会場で大臣をハイヤーから降りられた大臣をお迎えして、エレベーターまで誘導するのに1人1万円、5分――、いや4万円、5分もかかんないでしょ?5分で4万円貰う。その単価表適正だったんでしょうか」

 山本「あの、今申し上げましたように入札をするときに全体の各項目前後の項目につきまして、それぞれの業者が単価を入れまして、それで総トータルで一番安い所に落としているわけでございます。で、その会社がその1項目について入った金額が今蓮舫議員がご指摘なさった額でございまして、その額自体が適切かどうかっていうのはちょっと分かりませんけれども、トータルで、トータルで(ヤジがあったものだから、声を強めて「トータルで、トータルで」と2度繰返す)一番安い額として入札し、えー、落札していると、いうところで、業者の方で入れた額だと、トータルで判断しているということをご理解いただきたい」

 蓮舫「ではお伺いします。あのここにありますエレベーター手動って何でしょうか?」

 山本「内閣府の仕様書の中に平成16年度まではエレベーター手動という項目がございます。えー、この意味は先程議員もご指摘のようにタウンミーティング開催のときに閣僚等相談者が来場された際にエレベーターを待機させておいて操作する人員が必要となることから、そのための項目を設けていたというものでございまして、平成17年度から削除しております」

 蓮舫「エレベーターのボタン係ですね、端的に言うと。大臣が来場されるときにエレベーターを1回押す。大臣が退出されたときにエレベーターを1回押す。極端な話、これはタウンミーティングで2回エレベーターのボタンを押すだけで1万5千円の報酬を経費としてお示しをしているのは、それは適正かと聞いたら、多分同じ答なんでしょう。広告代理店が提示してきた。広告代理店の提示をもとに民間の発想と違うおカネの会計の判を押していいんでしょうか。東京で言ったら、アルバイト、ファーストフードでやる、時給800円から900円が一番高いですよ。正社員になりたくても、なれなくてしょうがなくて、アルバイト、パーとしている人たちが1時間800円で頑張っているのに2時間でエレベーターのボタンを2回押すだけで1万5千円貰うのが本当に適正だとお考えなんでしょうか」

 山本「お答えします。あの、ただ今の額自体についてのコメント、というのはなかなか難しい、まあ、高いなあという感じもあったんです。しかし申し上げましたように、全体のトータルの単価を色々入れていただいて一番安い価格のところに落札しておるわけでございます。で、その業者がそれぞれの単価に入れた。それが今のエレベーターの手動のところに額に入れている、こういうご理解をいただきたいと思います」

 蓮舫「ボタンを、エレベーターのボタンを2回押すとか、会場でお迎えしてエレベーターにご案内するのに4万円とか、それが一番安いという発想でね、税金は使わないんで戴きたいんです。しかもこのタウンミーティングというのに税金を使っても、本当に国民の貴重な声が聞けて、大臣と直接対話ができて、それが政策に反映されるんであれば、意味のあるおカネなんです。ただここでヤラセがあったこと。この1千万円もの経費がまったくムダになってしまって、税金のムダ遣いになっているということが問題だと、私はご指摘させていただいているんですけども、細かいことを聞き過ぎだと質問が、ヤジが先程自民党席からありましたけれども、じゃあ、ざっくりとしたおカネをちゃんと項目付けされているんですかね?内閣府との事前調整という項目、平成14年度の4月から7月には76万円でした。8月から翌年どの3月までは94万円でした。平成15年度の42万8千円。他にも現地警察との事前調整とか色んな事前調整費があるんですが、一番高いのが内閣府との事前調整。これは何に使われたんですか?」

 山本「お答えします。今あの、内閣府との事前調整という項目、それも内訳書に一つの項目として指名されているものでございますけれども、この項目でございますが、タウンミーティングを実際に開催するまでには会場選定から始まりまして、色んな会場整備、会場設営などの会場計画、また進行台本の作成、それから出席閣僚の動線作成、まあ、色んな参加募集も含めて、様々な準備作業を行う必要がございます。こういったような多様な準備作業に尽きまして委託業者のほうは私ども内閣府の方と入念に、まあ、事前に打ち合わせをしまして、調整をしながら進めていくことが必要でございます。そういった項目でございます」

 蓮舫「今おっしゃいました開催会場候補リスト作成ですとか、会場計画ですとか、進行台本作成ですとか、運営マニュアルの作成、全部別に項目で上げて、2万円、2万円、5万円、10万円で予算づけられております。どう違うんですか」

 山本「ここの項目は別途、今議員がおっしゃいましたような項目でございます。ここの内閣府との事前調整と言いますのはスタートから最後まで含めまして、総合的な進行管理も含めた総合調整、企画担当というものでございまして、相手業者の色んなそういった面でのスタッフの経費でございますとか、資料作成費用、それに打ち合わせにかかる経費、そういったものを含むものでございます」

 蓮舫「あの、すみません。最初に言われていることですと、二度目に言われているご答弁の内容が激しく違うんですが、相手業者のスタッフなんですか、使われたんですか?じゃあ、これ何に使われたのかお示しくださって、もう会計は終わってますでしょ?これ契約書ではイベントが1回終わったごとに広告代理店から請求書が来て、請求書を受理して、内閣府は30日以内に決済して振込しなきゃいけない。もう会計で17年度まで全部終わっております。じゃあ、42万8千円は何に使われたのかお示しください」

 山本「先程申し上げました項目の趣旨は準備作成、事前調整に要するものでございまして、具体的な経費といたしましては相手業者のそういった全体の総合調整企画担当、営業担当等のスタッフの経費でございますとか、資料作成でございますとか、そういったような諸経費を言うものでございます。従いまして、これは相手業者の多くは社内経費でございます。そういったような経費が中心となった調整費という具合にご理解いただきたいと思います」

 蓮舫「まあ、ごめんなさい。私も理解する力が低いのかもしれません。今の答弁では納得できないので、委員長のお願い申し上げます。何に使われたのか、領収書等も当然お持ちでございますので、関連資料、誰とどこで打ち合わせ、どれどれにいくら掛かったのかとの資料提供をお願いします」

 委員長「後刻理事会で協議をいたします」

 蓮舫「安倍総理にお伺いします。小泉前総理大臣の時代から私ども与野党で共通認識で持っていたのは、もうムダ遣いややめようと、行政改革を進める上でムダを省いて、そしておカネを、税金を、戴いた保険料を、預かった保険料を大切に使っていこうという意識は共有させていると思うんですが、足元の内閣府で行われているタウンミーティングでさえも、殆どデタラメな値段付けが当たり前に使われていて、通常の恐らくタウンミーティングの額よりもズサン(?)過ぎると思うんですね。そういうおカネの使われ方はよしとされるんでしょうか」

 安倍総理「競争入札で行ってきたところでありますが、えー、先程来議論を窺っておりました。この明細を拝見させていただきました。やはりこれは節約できるところはもっともっとあるんだろうと、このように思うわけでございました。私共政治家も、よく地元で色んな会を開いて、色々と地元の方々とご意見の交換を行うわけでありますが、それは勿論パイプ椅子等をみんなで運びながらですね、最小限の経費で賄っていく中に於いて、意見交換も活発なものが当然できるわけでありますが、そういう精神でもう一つのタウンミーティングの先程申し上げましたように運営を行うよう、見直してまいります」

 蓮舫「おカネの使われ方は教育改革の本質の議論ではないんですよ。ただタウンミーティングでヤラセがあった。調べていくうちにあまりにも看過できない経費付けが各項目に使われていた。そういう小さなことから正していかないと、本当の改革はできないんだということを再度ご指摘させていただきたいと思います」(いじめの問題に移る)

 「日テレ24」で、「塩崎官房長官『逸脱した行為があったわけですから、そこからケジメというものをどうつけるかというのは中身の問題だと思います』と調査結果を見た上で、担当者の処分を検討する考えを示しました。政府の調査委員会は明日(24日)までにと中間報告をまとめる予定です」とやっていた。

 蓮舫議員は重要なことを一つ見落としている。見落としていなければ、追及は違った方向に進んだに違いない。単に不適切な金額で契約が行われたという指摘に集中することはなかっただろう。

 先ず一般的に業務項目を必要以上に細分するのは総額単価を吊り上げる目的からである。二つの意図から行う。一つ目の意図は、「あれも掛かります、これも掛かります」といった経費の理由付けや、「こういうこともしなければなりません、ああいうこともしなければなりません」と仕事内容の確認付けを行うことで要求金額に正当性を持たせることができるということ。二つ目の意図として、実費に利益を何%か掛けて要求金額を算出するとき、項目が多い程、端数の切上げ回数を項目の数に連動させて多くすることができて全体の切上げ額を膨らませることが可能となり、結果的に総額単価を高額に持っていくことができる。消費税の端数切り上げと同じで、高額受注となるとバカにならない総額となる。

 普通、と言うか、常識的に言えば、単価項目をやたらと多くして総額単価の吊り上げを図るのは請負業者側(この場合は広告代理店側)であって、それが入札請負で通用するのは、当然な話だが、談合か随意契約の場合であろう。官公庁が様々な理由を設けて支払い金額の一部を還流(キックバック)させて裏ガネづくりまで行っているような種類の随意契約にしても、請負単価をもっともらしく見せるために項目が細かく細分化されていて、それぞれに一般常識を上回る金額が記入されているに違いない。

 例えば、NHKテレビ06年4月4日「ニュースウオッチ9」で報道された内容だが、環境省が自らのHP(ホームページ)を、お馴染みの図式となっているOBが天下っている管理運営会社に随意契約で委託している金額はHPの内容が変わるにも関わらず4年間同じ920万円で、これを民間のHP作成会社に行わせると学生アルバイトを使ってもできることで、月に30万円、締めて年360万円で作成可能だと言う。契約書は総額の920万という数字を入れただけで済ますわけには行かないから、その差額の560万円分も含めて920万円となることを正当付けるためにもっともらしい業務項目を様々に設けて、それぞれをそれ相応の数字で埋めていかなければならなかったはずである。そしてそういったことは双方の示し合わせをか、あるいは暗黙の合意(=暗黙の談合)を方法としなければ、行い得ないことだろう。

 こういった例を探せば、いくらでも出てくるに違いない。

 談合で入札を決めた業者は受注が持ち回りではなく、特定の業者が常に受注する形の場合は談合に協力した会社に協力金を支払い続ける義務を負うから、特に受注単価を上げなければならない。それだけ単価吊り上げへの圧力を受ける。

 入札(一般競争入札)は「4社ないし5社応札」(山本)しているが、受注は1社の広告代理店に限られているということから談合の可能性は十分にあるが、内閣府大臣官房長山本タロベエは(という名前かどうか知らないが)「こういう単価表の事項は示しますけれども、単価に入った額自体はその落札業者が自ら入れた額でございます」と言っているから、項目自体を細かく細分したのは、細分化の方法を用いて総額単価を少しでも大きくしたい衝動力学を抱えている受注側ではなく、逆に総額単価を少しでも抑えたい意志を働かすべき注文側の内閣府という逆転現象が起きている。

 受注者側が談合などで用いる項目増やしを注文主が逆に行っているのである。「さあ、単価を吊り上げてください」と言っているようなものだろう。ということは、応札している「4社ないし5社」同士の談合の可能性と同時に注文主と受注業者との談合の可能性も疑った方が自然ではないだろうか。

 内閣府が「単価内訳書」で「100項目前後に亘って」業務内容を指示しておきながら、「1回当たりの総価での競争を行い、決定をいたします」としていることも不自然である。山本タロベエはこのことをこうも釈明している。各項目に「それぞれの業者が単価を入れまして、それで総トータルで一番安い所に落としている」

 一見入札方法として正当に見えるが、「総トータル」金額のみで判断した場合、それが「一番安い」金額であっても、談合を行えば各項目金額は言いなりとすることができる。「100項目前後に亘って」業務内容を指示しているのである。項目を指示した以上、項目別にそれぞれの金額が適正であるかの確認作業が伴わなければ、業務内容を「100項目前後に亘って」提示した意味を成さない。その確認作業を行わずに、「総トータル」を根拠として受注会社を決定したのである。確認作業を必要としないを前提として契約したとしか考えられない。

 「総トータルで一番安い」金額であっても、「100項目前後に亘って」指示した各項目の金額がそれぞれ適正だと確認できたとき、その金額は初めて「一番安い」ことの正当性を持ちうるはずである。それが適正でなく、不当に高い金額であったなら、「総トータルで一番安い」は正当性を失い、他者との談合がなければ弾き出すことができない「一番安い」金額としなければならない。

 もし内閣府側が各項目別に適正かどうかの確認作業を行ったとしたら、それは還流するに十分な金額だと確認するための作業に過ぎなかった可能性がある。

 「総トータルで一番安い」金額の各項目別の金額が常識を超えて不当に高ければ、「総トータル」でより高い入札額を入れた他社の項目別の金額は当然より高い金額となっているはずだから、両者を比較して、それが作為を感じさせる金額であるなら、談合と断定し得るに十分な疑いが生じる。

 例えば「空港(又は駅)での閣僚送迎等」が受注会社は「15,000」となっているが他社が「16,000」、「会場における送迎等」の「40,000」が「41,000」、「エレベーター手動」の「15,000」が「16,000」とか、単に同じ金額を上乗せするだけの近似額を取っていたなら、作意がなければ弾き出せない金額と言うことになるだろう。

 また空港(又は駅)から会場までの送迎にエレベーターのボタン押し係まで含めて、「広告代理店はここに8名を雇って、32万円掛けて大臣をお迎えしているんです」(蓮舫)とのことだが、「8名」がアルバイトなら、彼らに実際にいくら支払われたかを調査することで、その差額があまりにもかけ離れていたなら、談合であるかどうかの強力な判断材料の一つになる。

 広告代理店の社員を使ったということなら、給料内の仕事ということになって、何も支払われていないか、ご苦労さん代ぐらい支払ったか、そのいずれかだろうが、上記項目が見せ掛けであることを暴露する動かぬ証拠となる。

 もし自社社員を使っていて、名目上はアルバイト社員の使用となっていたなら、別の不正行為となる。

 多分政府は担当者の処分を検討する考えを示したといっても、一般常識から離れた不適切な金額の契約が行われたとの理由のみで関係者をそれ相応に処分するだけで幕引きを行う可能性が高い。中央省庁だけではなく、地方公共団体に於いても、役人の世界では公費・予算を使った私利の遣り取りが一般化している。そのことから考えただけでも、談合の可能性だけではなく、還流と還流金を原資とした裏ガネづくりの可能性すら疑える。受注した広告代理店だけではなく、応札会社すべてを国会に参考人招致して追及すべきではないだろうか。

 そのとき他社の入札単価表を提出させるべきだが、既に廃棄処分とした可能性が高いが、記憶を呼び起こさせてでも再度計算させて、受注した広告会社の「総トータル」よりも高い金額となること、それがどのような手口で行われていたかを立証・解明すべきであろう。

 それにしても安倍首相の答弁は反応が鈍いものとなっている。単価項目と単価自体にピンと感じるものが何もなかったから、それなりの答弁の形式(言葉数や時間)を整えるために「地元の方々とご意見の交換」の話に持っていったのだろう。「最小限の経費で賄っていく」とカネをかけさえしなければ、「意見交換も活発なものが当然できる」とするのは安易なまでに短絡的に過ぎる。


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