橋下知事の「結婚式へのメッセージ」に群がる府職員/そんなにも結婚式を権威付けたいのだろうか

2009-11-14 19:18:41 | Weblog

 今日14日の「asahi.com」記事――《橋下知事、職員への結婚祝辞「もう限界」 依頼が殺到》

 大阪府の橋下徹知事に「結婚式へのメッセージ」を求める府の職員がこの秋から急に増えて個別にお祝いメールを送っていたが、多くなりすぎてついにギブアップ。秘書課に相談、今後知事の祝辞が欲しい人には、職場が知事の名前で祝電を送ってよいことにしたという。

 発端は9月頃、ある職員に祝辞を頼まれて「いつまでもお幸せに」とメールで返信したところ、式場で読み上げられ、出席した職員の口コミで一気に広がり、それ以来、「人気知事なので家族や友人が喜ぶし、結婚相手も驚く」と依頼のメールが20~30通届き、中には友人への祝辞を頼んだ職員もいたという。

 人気が結婚式の祝電メールにまで及んだということなのだろうから、結構ではあるが、知事か秘書課の承諾を得てからなら知事の名前で祝電を送っていいと取り決めたとしても、その取り決めを無視して大阪流のギャグだとばかりに勝手に知事名の祝電メールを送って、相手を喜ばす不届きな職員が出てくる可能性もある。

 得てして人気は名前がモノを言うようになる。人気によって名前が権威を持つようになり、名前に価値と意義を置くことになるから、他人が勝手に使った名前であっても、その名前だけで人を喜ばすことができるようになる。 

 例え職場が決めて送った職場公認の祝電メールであったとしても、名前だけが橋下知事である祝電を新郎新婦、さらにはその親族だけではなく、出席者一同が、「ほー、あの橋下知事から祝電メールが来たのか」と感心したり、喜んだり、あるいは式場での読み上げを結婚式のメインイベントとし、そしてメールが来たことを勲章とし、有難がる図は何かしら滑稽である。名前に価値と意義を置いて権威づけているから、そういった図式が可能となる。

 直筆ではない、偽筆の有名芸能人のサインをいくら知らないこととは言え、後生大事に有難って勲章とするようなものだろう。

 いや実際に橋下知事が自ら送ったメールであったとしても、それを有難がって勲章とする一種の偶像崇拝は橋下知事の名前の権威付けなくして成り立ち不可能なもので、「人気知事なので家族や友人が喜ぶし、結婚相手も驚く」といった賛美を成果とすることになっているはずである。

 結婚当事者の結婚式であるにも関わらず、有名人の関与を以って自分たちの手柄とし、勲章とする。後々の記念碑とする。国会議員や県知事、町の著名人の出席を有難がって勲章とするのも名前や地位の権威付けからきているものであろう。

 そのような出席や祝電で自分たちに対する格付けまで行う。結婚式に豪華にかけたカネで格付けを行う者もいる。

 格付けも一種の権威付けに相当するが、橋下知事やその他著名人を上に置き、自分たちを下に置いた権威付けなのは断るまでもない。自分たちを下の権威に置くことによって、有難がって勲章とする賛美が生じる。

 カネで豪華な結婚式としてそれを勲章とするのは自分よりもカネを上の権威に置いているからに他ならない。

 自分たちがどういった結婚生活を送るか、人生を送るか、子どもができたら、どういった家庭を送るか、子どもをどう育て、どのように社会に巣立たせるか。そういったことに価値と意義を置き、その成果を勲章とする思いを抱いていたなら、いくら人気があるからといって、橋下知事の名前に価値と意義を置く権威づけを行って、その祝電メールを有難がって勲章とし、自分たちの結婚式を権威づけるような権威主義に駆られることはないのではないだろうか。


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