日本はハブ空港で仁川に負け、カジノをつくってもソウル・釜山に負けるのではないか

2009-11-15 17:19:24 | Weblog

 既にブログに書いたことだが、大阪府の橋下知事が先月(10月)末、大阪カジノ設立構想をぶち上げた。

 「こんな猥雑な街、いやらしい街はない。ここにカジノを持ってきてどんどんバクチ打ちを集めたらいい。風俗街やホテル街、全部引き受ける」

 「大阪をもっと猥雑にするためにも、カジノをベイエリアに持っていく」

 「きちんと環境を整えた形でのカジノというものは、カネを稼ぐ、地域がカネを稼ぐ重要なツールに僕はなると思ってますんで――」

 「エンターテインメントの部分をすべて大阪で引き受けてもいいんじゃないでしょうかね。早く財布を一つにしてね、えー、上がった税収をみんなで分けるっていう、その方向に早く持っていかないと、オー、関西はもう、ほんとにもう、沈没してしまいます」

 「国に頼らず、地域で財源を生み出す仕組みをつくることが重要だ」

 相当にいいこと尽くめのうまい話となっているが、関西が沈没しないうちにカジノを国に頼らない財源創出の手段とする。橋下知事の財政にかける切迫感が伝わってくるカジノ頼みではある。

 韓国釜山市の室内射撃場で昨14日発生した火災で日本人観光客8人を含む10人が死亡する事故が起きた。日本人の8人は長崎県雲仙市から参加したツアー客らしい。韓国にカジノが存在していることは情報としては知っていたが、射撃場まで存在するのは知らなかった。

 インターネットで調べたら、釜山にカジノもあれば、射撃場もある。ソウルにしても、カジノも射撃場もある。但しライフルからマシンガンまで実弾で撃てるグアムやハワイの射撃場と違って、韓国の射撃場は45口径以下のワルサーやベレッタといった拳銃のみらしい。

 ソウル市の南部の瑞草射撃場(ソチョサギョクジャン)は実弾10発&指導員付で38口径以下が30000ウォン、45口径が40000ウォンだとHPに出ていた。現在の為替で日本円1円が12.89ウォン――約13倍となる。日本円で約2300円から3100円で実弾10発が撃てる。ちょっとカネに余裕があって、ちょっと熱くなれば、100発とはいかなくても、30発や40発撃ってしまって、十分に満喫するのではないだろうか。

 カジノと射撃場を抱えている都市がその両方に観光客を集めるキャッチフレーズを考えるとしたら、

 「射撃場でピストルをガンガンぶっ放して気分爽快、その勢いでカジノへどうぞ、大儲けしよう!」

 「カジノで大損したら、そのウップン晴らしに射撃場でピストルをガンガンぶっ放して気分転換、スカッとしよう!」

 といったところではないか。

 前原国交相は羽田空港のハブ化を目指しているが、その理由を次のように言っていた。

 「日本にはハブ空港が存在しない。結果的に日本のハブ空港は韓国の仁川空港になっている」

 2001年春に韓国で開港した仁川空港が国内空港から飛んだ日本人海外旅行客の外国各地への経由港となっているということである。いわば仁川空港がハブ空港の役目を果たしていて、日本人海外旅行客の外国への玄関口となっている。貨物取扱量でも成田は香港や韓国・仁川に及ばないらしい。


 英国の調査会社「SKYTRAX」が発表した09年の世界の空港ランキングでも仁川空港は昨年3位から1位にのし上がっている(asahi.com)。我が日本の関空は昨年に続いて6位。関空の評価を押し上げたのは、部門別で1位となったトイレの清潔さだと同「asahi.com」は解説している。確かにトイレの清潔さは必要条件だが、乗降や乗り継ぎ、接客といった飛行機利用に於ける移動自体の便利さをその空港は満たしているかがより重要だと思うが、トイレが自慢の関空ですと宣伝を打つしか手はないのだろうか。

 日本の各空港が仁川やその他のアジアの空港と差をつけられている大きな理由に着陸料の高さが挙げられている。ジャンボジェット(B747)1台の発着料は、成田で約60万円、関空が70万円、仁川空港は25万円、北京空港は30万円だそうだ。
  
 日本円1円が12.89ウォン。韓国旅行が安価に仕上げることができる。日本では不可能な射撃がカジノと同時に楽しめる。

 そういうことなら、橋下知事の念願がかなって大阪のベイエリアに一大歓楽街を作り、その中にカジノを設けたとしても、射撃場を欠いていることと金額の点がマイナス要因となって、海外旅客と同様に韓国に奪われて、そこそこにしか客を集めることができないのではないだろうか。

 そうなったら、財源の確保どころか、日本の多くの空港と同様に赤字経営とならない保証はない。

 〈国が管理する全国26空港について、税金投入を除いた営業損益では約8割の22空港が赤字に陥っていることが国土交通省の調べで分かった。同省がすべての空港別の収支を集計したのは初めて。ほとんどの空港が独立採算ではやっていけない実態が浮き彫りになった。〉と7月31日の「asahi.com」が伝えていた。

 〈営業黒字は大阪(伊丹)の43億円、新千歳の16億円、鹿児島の2億円、熊本の2億円弱だけ〉(同asahi.com


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