7月5日の日曜日、フジテレビの『新報道2001』で東国原を中継出演させて、民主党代表代行菅直人と自民党小池百合子の生出演を交えて、地方分権、その他を論じていた。地方分権のコーナーのみを取り上げて、議論の内容を見てみることにした。
司会者は須田哲夫と吉田恵。コメンテーターと言うのか、黒岩祐治が務めていた。
最初に黒岩祐治から鳩山由紀夫民主党代表の政治献金問題を聞かれて、菅直人が鳩山個人の資金を秘書が個人献金がさもたくさんあるかのように見せかけるためにしたことで、私個人はその説明に納得していると発言すると、小池が「野党ボケの話だなと聞いておりましたけども」、「小沢前代表に対して説明責任が足りないと言ってらっしゃった方にしては説明が足りない、これで総理の目はなくなったのではないか」、対して菅が小池のことを「細川政権では細川の側近で、佐川急便問題であのときは大変だった、それ忘れて、今の瞬間だけのことを言う、自由党にもいて、与党になったら、与党ボケしたのではないか」と遣り返す。
小池「問題は何をやるかです」
菅「それはそうですよ」
小池「自民党を変えるという、東国原さんと私ね、気持一緒なんですね。やはり日本を変えるっていうのは、自民党を変えるって言うこと、これにつながる。そういうことです」
政権を変えることによって日本を変えることは可能だが、それがいい方向への変化かどうかは分からないが、日本を変えたからといって、だからと言って直ちに自民党が変わる保証はないはずである。自民党の変化不全によって今の日本があるのだから。
アメリカの戦後経済発展が日本を豊かにし、その豊かさの陰に隠れて社会の矛盾が目立たなかっただけの話で、経済発展が止まって以降、元々あった矛盾があからさまな姿を現すようになった。自民党政治が放置し、放置することで増殖した数々の社会的な矛盾なのである。
地方分権も自民党政治に放置されてきた矛盾の一つなのは言うまでもない。
菅「それで日本新党に入ったのですか?」
小池「そうですよ」
ここで司会陣が割って入る。小池の「日本を変えるっていうのは、自民党を変えるって言うこと」は東国原が日本を変える、自民党を変えると盛んに言っていることを取り上げたのだろうが、さすが政界遊泳術の巧みな小池らしい持ち上げであると同時に、東国原の考えに自己を同列に置く巧妙な自己宣伝となっている。
次に講演の模様なのだろう、古賀誠から衆院選出馬要請を受けたときの様子を壇上から説明する東国原を映し出す。
東国原「(地方分権)これを実行させなきゃいけないので、その責任者にしてくれと。責任者は大臣じゃありません。大臣ぐらいじゃできない。最高責任者にしてくれ。『何ですか?』と古賀さんがおっしゃった。(笑い)
総理・総裁ですと言ったら、古賀さんが・・・・(目を丸くし、口をあんぐりとあけて呆気に取られて固まった表情を数秒つくる)、あの悪人が男の古賀さんが(自分の顔に両手を持っていき、そういった顔だというようなしぐさを見せる)天子のような顔になってるんだから(瞼を頻りに瞬かせ、口元に優しげな笑みを洩らして天使の顔をつくる)」・・・・
ギャグに変えてしまうのだから、地方分権の必要性を口では言う程に深刻には把えていないらしい。少なくとも笑いを取る余裕はある。
そこへ自民党の小池百合子が街頭で支持者と握手して歩いているところをマイクを向けるシーンが挿入される。
小池「うまいと思いますね。自分の政策を、あそこでボーンと出すわけですからね。そしてこういうあのー、節目のときっていうのは、そういう政策がコロッと実現できたりもする、その一番いい潮目を読んで、いるっていうのは、センスがあると思いますね」
その人気にあやかろうとしているのだろう、東国原共鳴者を演じている。これを無節操と見るか見ないかである。東国原は「地方分権」とは言っている。「9知事連合のマニフェスト」とも言っている。だが、その中身、地方分権の中身――いわば小池が「政策」だとしている中身についての直接・具体的な言及はない。
須田アナの二つの出馬条件であった一つのマニフェストに関して、前向きに検討するという返事を自民党から貰ったが、もう一つの総裁選候補にという条件に対して何か返事があったのかの問いに対して、
東国原「えー、それに関してはありません」
黒岩「総裁選に出馬できる環境をとの意味があったり、一つよく分からない」
東国原「二つあると思うんですね。僕があのー、総裁選の前倒して総裁選に出るときは、総理・総裁を代えなきゃいけないですねー。で、総選挙があって、もし、仮ですよ、私が自民党さんから出馬して、当選したと。国会議員である、要件がありますね。それと推薦人20人。えー、集めるという今の要件がありますねえ。それを確約してくれと。あー、確保してくれるかという、ですね」
黒岩の次の問いかけから判断すると、一つは総選挙前に総裁選を行って、東国原自身が国会議員の身分を持たないまま出馬する。だから、黒岩は「規定を変えると言うこと?」と問わなければならなかった。
もう一つは総選挙が先で、当選して自民党国会議員という条件を確保することになったなら、総裁選出馬条件である推薦人20人の確保を確約してくれと要求した。どちらにしても、自分が言っている総裁候補にしてくれと言うことよりも、限りなく総裁にしてくれと言っていることに近いある意味虫のいい要求である。世襲議員よりも苦労しないで総裁の階段に辿り着こうとしているのだから。
黒岩「じゃあ、今すぐに総裁選ぶ、その規定を変えると言うこと?それなかなか難しいですよね?」
東国原「難しいですよね。社則みたいなもんで、ですからー、ですから、あの、総選挙を、の前に総裁を行わなければ、ですね、あれを出る可能性はありますですよね」
黒岩「二つの選択肢をおっしゃった後の方?国会議員になってから、この総裁になる。こちらの方が条件としては可能性あるっていうことですよね」
東国原「そうですね。それから総裁出れますよね。それもう一つ、僕はあの注文していたのがですはね、これは表に出ていないですけども、総裁選の形を、もう、お変えになったらどうですかってたらね、あの、党員全員に会員費を払ってですね、党員全員に党員費が払っている全百数万人いらっしゃいますね。あの方々のゼンイーン(全員)を選挙にしたらどうですかと。それで推薦人20人とかを、ちょっと、あのー、ハードルを下げて10人とか、それぐらいにして、開かれた選挙を国民のみなさんに開く、開かれた選挙にされてはどうですかってことを、あの申し上げました」
ハードルを下げて推薦人を10人にして、国会議員の身分があるなしに関係なしに党員費を払っている党員全員に総裁選出馬の資格を与える。討論会を開くことでそれぞれの政策の中身を知ることができるだろうが、一地方自治体の指揮官を選ぶのではなく、また国会議員という兵隊を選ぶのでもなく、国内にとどまらず、国際間にまで及ぶ複雑多岐な利害調整の任を負う一国の指揮官を選ぶ以上、それ相応のリーダーシップまで見極めなければならない。リーダーシップは多種多様な経験や試練から生まれる能力であろう。ボーイスカウトでよりよくリーダーシップを発揮し得たとしても、一国の総理大臣としてよりよくリーダーシップを発揮できる保証とはならない。
東国原の提案は一見過激な改革に見えるが、総裁の椅子要求が逆風が吹いている窮状下の自民党の足元を見ただけのことで、それと同じく合理性を備えているとは言い難い。
東国原のこの論理を合理性を備えた正当性あるものとするなら、25歳以上とか30歳以上とかの被選挙権のハードルを下げて、供託金も取らず、党員費ではなく税金を払っている国民のすべてを国会議員として立候補する資格を与えて、それを以て「開かれた選挙にされてはどうですか」という論理も成り立つことになる。
東国原の今ある県知事としての人気を自分でつくり上げたと過信しているようだが、テレビがつくり上げた人気であろう。宮崎のセールスマンを自負しているようだが、テレビが追っかけ騒ぐことによって宣伝効果を生じせしめているマンゴーその他の宮崎特産品の東国原共々売り出したセールス効果に過ぎないはずだ。言ってみればテレビが勝手に番組制作してくれているテレビショッピングみたいなものであろう。
黒岩「それもすぐにはできないということですよね」
東国原「そうですよ。党則を変えなきゃいけないですね」
黒岩は先ずは実現可能性を問うべきを、実現可能性の上に立って、将来的可能性とし、東国原も同じ文脈で答えている。
黒岩「時間がかかりますね、そうすると。やっぱり、東国原さんの話を聞いていると、先ずは国政に出ると、国会議員になると、先ず総裁になるための条件だと、こういうことですよね」
東国原「第一ハードルですよね。第二ハードルが20人の推薦人が集まるということですよね」
黒岩「だとすると、国会議員になる?と言うことは、その、ま、総裁選出馬の条件、環境を整えるということの、何かじゃあ、何か約束、口約束みたいなものが、あれば、大丈夫だと言うことですか?」
東「まあ、あの、口約束でもあり、ありますし、一筆でも書いていただければ」
小池(笑う)「それじゃあ、どうしたことを書けばいいんでしょう?」
東「環境を整えますとか」
黒「ホーホー、ホー、つまり、国会議員20人の推薦、例えばじゃあ、ええー、古賀さんが東国原さんに口説いたと。古賀さんが分かった、東国原君が国会議員になったら、僕は20人必ず集めてあげるから。そういう話を約束してくれたらば、これが条件が整ったとわけとするんですね?」
東「まあ、ぶっちゃけそうですね」
小池「言うだけでいいんですか、古賀さんが」
黒岩「そういうことなんですか」
東「でも、約束を守っていただかないとですね。それは約束ですから」
少なくとも、古賀を信用できない存在、約束を破りかねない存在と看做している。信用していないにも関わらず、総理の椅子を求めたとき、古賀は天使の顔となったと矛盾した印象を語っている。
黒岩「ハー、ハー。そういうことは、もう、東国原さん、国政に出ると宣言したようなもんですか?」
東「いや、違いますよ。ですから、二つの条件が揃わないと、先ずマニフェストを、100%飲んでいただかないと。それを実行するため、責任あると。ここですよ。マニフェストなんですよ。地方分権なんですよ。全国知事会が纏めた、あの9項目をすべて載せてくれないと」
7月3日の「J-CAST」記事が次のように伝えている。
〈 知事は09年7月2日の記者会見で、自民党に突き付けた「次期総裁候補にする」と、「全国知事会マニフェストを自民党の公約に完全導入する」について、記者からどれくらい自民党は前向きなのかと問われた。
マニフェストについては
「どこまで前向きかはわかりませんよ。(自民党の)許容範囲というものがあるでしょうから、100%とはいいませんけど、90%、80%以上はないと(国政への転身はない)」
と答えた。それまでマニフェストは、一字一句たがわず自民党のパーティーマニフェストに盛り込むことを条件にしていただけに、記者の間に驚きが広がった。〉と、〈出馬条件下げたのは「バーゲンセール」か「手打ち」か〉と揶揄している。
同じ日の「毎日jp」記事も、〈これまで「一言一句漏らさず」としていた条件を自ら引き下げた形で、「国政転身ありきの安売りか」と冷めた見方も出ている。〉と批判している。
宮崎のセールスマンだから、「バーゲンセール」も「手打ち」も「安売り」もするだろうが、人気を下げる要因となりかねないマスコミ扱いの危険因子に関しては敏感に自己保身が働くからだろうか、最初の「100%」条件にハードルを戻している。
黒岩「それは可能性高いでしょ」
東「これはですよ、100%載せてくれるかどうか、ちょっと分からないですよ。まだ(自民党の)マニフェストの作成が進んでおりませんですね」
黒岩「東国原さんの人気をやっぱり何としても借りたいからすれば、自民党からすれば、それは低いハードルじゃないじゃないですかね」
黒岩はマニフェストに入れる入れないかのみ形式を問い、内容を問わない。内容価値を問わない。
東「人気ないですよ。そんなに言われる程」
黒岩「小池さんはどうですか。東国原さん、自民党の候補に出るって感じですよね」
小池「私はね、東国原さんが偉いと思うのは、マンゴーを売っていたのがですね、政策をガーンと売り出しているということで、まさに、あの、これからマニフェストをですね、しっかり、つまり、党としての商品、こういうものをですよーということをですね、国民のみなさんにお示しをしな、け、ければならない、ここの中に入れろと、ということ。これは私はもうとてもいいタイミングでですね、おっしゃってるし、まあ、やっぱりね、地方分権というのは、今しなければ、日本と言う国がですね、これから、まあ、色んな試練もあるんでしょう。文明そのものも正面に立っているわけですから。
だから、国がやるべきことっていうのは、やっぱり国防、外交それから、まあ、財政とか、金融、それから世界的な、国際的なインフラを整える。あとは北海道と沖縄と同じようにですね、霞ヶ関が動かそうというのは、土台無理なんだろうと、思うんですね。だから、私はあの、あの、東国原さんが身体を張って、それをするっていうのは評価しますね、ええ」
しかし、「霞ヶ関が動かそうというのは、土台無理なんだろうと思う」ことを自民党の協力を得て、やり続けていた。小池はその仲間の一人に位置していた。
「地方分権というのは、今しなければ、日本と言う国がですね」どうなると言いたかったのか、述べずじまいで、「これから、まあ、色んな試練もあるんでしょう。文明そのものも正面に立っているわけですから」と意味不明の結論で終えている。
大体が「地方分権というのは、今しなければ、日本と言う国がですね」と言う資格は自民党議員の誰一人として持ってはいない。地方分権の必要性は見るべき地方分権制度の実現を怠ってきた自民党政治に対するアンチテーゼであり、改革要求として存在している問題だからだからである。
小沢一郎前民主党代表は自らが発表した「政策とオピニオン」で「1.分権国家の樹立」に関して次のように述べている。
〈 明治以来の中央集権制度を抜本的に改め、「地方分権国家」を樹立する。中央政府は、外交、防衛、危機管理、治安、基礎的社会保障、基礎的教育、食料自給、食品安全、エネルギー確保、通貨、国家的大規模プロジェクトなどに限定し、その他の行政はすべて地方自治体が行う制度に改める。
また、中央からの個別補助金は全廃し、すべて自主財源として地方自治体に一括交付する。それにより、真の地方自治を実現し、さらに中央・地方とも人件費と補助金にかかわる経費を大幅に削減して、財政の健全化にも資する。(中略)
3.基礎的自治体の整備
「分権国家」を担う母体として、全国の市町村を300程度の基礎的自治体に集約する。都道府県は将来的に地方自治体から外し、最終的には国と基礎的自治体による二層制を目指す。〉云々――
要するに「明治以来の中央集権制」を踏襲した自民党政治が、踏襲したゆえに中央集権制と相反する価値制度として存在する地方分権への転換はカエルが空を飛ぶようなあり得ない自己実現性となって立ちはだかり、現在も続いている地方分権の未だ見ない実現であり、そのことを反面教師とした政策提起としてある現在の地方分権意識の高まりであり、言ってみれば、地方分権とは未だ尾を引いている中央集権制からの解き放ちそのものを言うはずである。
ということは、「明治以来の中央集権制」を踏襲し、中央集権制をどっぷりと体質化した自民党政治に求めて解決する地方分権ではないことになる。だからこそ、現在も地方分権を叫ばなければならない状況下に閉じ込められているということだろう。
それを小池百合子は狡猾にも自民党の責任を棚に上げて、霞ヶ関にのみ責任を負わせようとしている。「国がやるべきことっていうのは」と言いながら、自民党政治はそのような国の形に持っていくことに何一つ貢献できないまま現在に至っている。
吉田恵アナ「不思議な疑問に思ってることあるんですけどねえ、元々、霞ヶ関の解体や地方分権、っていうふうに、まあ、今の政治を根本、抜本的に変えようとしていたのは、民主党であって、東国原さんの、その考え方と、非常に民主党の方が近いように思うのですが、なぜ自民党なんですか?」
吉田の「今の政治を根本、抜本的に変えようとしていたのは、民主党であって」という認識は自民党が中央集権体質を抱えた党だから、思い巡らさなければならない当然の考え方であろう。東国原にはその認識がない。
東「まあ、そうですね。あのー、僕らは、僕らの就任してからの国と地方のですね、この制度ですね、国から縛られていると、ですね。非常にキュークツ(窮屈)感を持っていました。で、いつかは、この今のままじゃあ、あの、国の形を、あれ、あの、変えないと、あの、国全体の地方の疲弊や衰微・衰退は、ああー、止まらないと思ったんですね。
で、どの時点で、じゃあ、分権というものを突きつけるかと、つまりこの分権と言うものは霞ヶ関の大きさを3分の2から半分ぐらいに規模縮小するということですからね。で、分権、なぜ分権かと言うとですね、地方の財政を預かる身から、ちょっと、ちょっとだけ言わせていただきますけれども、あと、3~4年で地方はですね、予算を組めなくなる自治体が多くなるんですよ。これ、あの、夕張みたいにですね、あの、倒産する、じゃない、破綻する、財政破綻する自治体が、もう目の前に、何十自治体というですね、あるんです。
で、これはですね、財政なんていうのは、地方も一生懸命財政カットをしましてですね、行財政に取り組んできました。でも、それでは限界なんですよ。財政的にですね。国から財政とか権限を、あるいは人間を、十分に移譲していただいて、そして、地方で決められることは地方で決める。
先程小池さんがおっしゃったように、医療・福祉・保険とかですね、住民サービスとか、そういったもの地方で、地方実情に合った、ですね、意識変革をして貰いたい」
東国原の「国から縛られている」という認識にしても、自民党が中央集権制度を採っている政権党である以上、正しい認識と言えるが、地方分権を阻んでいる主要因が自民党が自らの統治システムとしているそのような中央集権制度そのものであり、敵はそういった中央集権制に立った自民党そのものであるという認識は持てずにいる。お笑い系の人気はあっても、自らの認識を合理的に働かす力はないらしい。
吉田アナの、東国原の地方分権論が民主党の考え方と近いが、「なぜ自民党なんですか?」という問いに答えていないなと思っていたら、黒岩がそのことを問い質した。
黒岩「それが、それは分かる。十分に分かる。それがなぜ民主党じゃなくて、自民党なんですか」
東「ハハイ、これから説明します。で、それで、県の知事会で活動してきました。来ましたですね。民主党さんは最初、300自治体とおっしゃってたんです。今ちょっと変えられたかどうか分かりませんけれども、その300自治体はあり得ないです。国と300自治、基礎地方自治体の理想というのは、宮崎で言ったら、3分割っていうことなんですから、30万人規模のですね、その政令指定都市の権限を与えるっていうのは、これはもうー、ちょっと現実無理かなあと。合併、市町村合併で今1800になっているんです。300、300が1800になったんですよ。この合併――だけで、大変だった。地方ですね」
黒岩「民主党が今出ている地方分権案が、やっぱりこれは納得できない」
東「最初、それだったんですよ」
黒岩「基礎自治体、これ300ぐらいになった」
東「それがちょっと変わってきてるんですよ。ずうっとこらえていたんで、こらえたんで、これはいかんだろうなと、思っていた矢先に、自民党さんの方からお話を戴いたので、これはチャンスだと、じゃあ、全国知事会がずうっと10年間言い続けてきた分権の形?これを飲んでくれと」
「全国知事会がずうっと10年間言い続けてきた」ことの裏を返せば、自民党政治では10年経過しても実現できなかった地方分権であることを意味しているが、東国原には理解する能力を持ち合わせていないらしい。
このことは橋下大阪府知事やその他の知事・市長が地方分権政策に限って即座に自民党支持を表明しないことでも証明できる東国原の無能性であろう。
また「自民党さんの方からお話を戴いた」と言っているが、東国原はこれまでも「民主党ではなく、なぜ自民党なのか」の問いに、「最初にオファーがあったのは自民党だから」とか、「最初に話があったのは自民党である」とか、接触の後先を決定要因としていたが、6月28日の「毎日jp」記事によると、〈最初に自民党への接近を図ったのは、実は東国原氏だった。〉と内情を暴露している。
記事によると、古賀との宮崎県庁での会談で立ち会った、親交のあった町村派の伊達忠一参院議員に今年の1月に「自民党を応援したい」と申し出て、4月には〈伊達氏の仲介で、東国原氏と森喜朗元首相、町村信孝前官房長官らとの会談が都内で極秘に行われ、国政転出の可能性も話し合われた。〉としている。
フィクサーの森が動いていたとなると、自民党政権放棄の危機感に全身見舞われていることだろうから、相当に真実味のある情報に思える。東国原自体が自民党と同じ中央集権型の体質をしていることからの同類相呼ぶの自民党選択だと疑えないことはない。
「日本は中央集権国家」の認識なき東国原の地方分権論/そのウソと矛盾(2)に続く
自民党政治に対する改革要求の一つが地方分権だと言うことに気づかない東国原
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