安倍晋三の頭の悪さが分かる「北朝鮮拉致被害者」救出を誓う音楽の集い発言

2013-12-22 09:55:12 | Weblog

 

 12月16日(2013年)、国家主義者安倍晋三が都内で行われた《ふるさとの風コンサート~『北朝鮮拉致被害者』救出を誓う音楽の集い~》に出席して挨拶を述べている。

 安倍晋三「我々は強い決意を持って、安倍内閣においてこの問題を完全に解決をしなければならないと決意をしているところでございます。

 この拉致問題について、北朝鮮が今までとってきた政策を変えてこの問題を解決して北朝鮮の未来への国づくりを再び始める大きな決断を金正恩第1書記にしていただかなければならないわけであります。

 そのために我々は今、対話と圧力の姿勢で何とかこの状況を転換しようと、この姿勢でやってまいりました。ほかに道はないのか。もちろんそういうご批判もあります。ほかにいい道があれば是非教えていただきたいと思うわけでありますが、しかし今までとってきた政策を変えさせない限り完全解決は無いわけでありますから、彼らが今、とっている政策を変えなければ北朝鮮の将来は無いんだ、そう決意をしなければなりません。

 その決意をさせるための圧力、私たちはそのための圧力をかけているわけであります。チャンスがあればいつでも話し合いをしたいと思っています。

 私は総理に就任して1年間、150回以上首脳会談を行いました。首脳会談においては必ず、拉致問題についての理解を求め、日本の姿勢に対する支持を求めてまいりました。すべての国から支持をいただいています。10年前はほとんどの国々がこの問題に対する理解がありませんでした。しかし今や国際社会にとってこの拉致問題は、人権に対する大いなる侵害であり、主権に対する侵害、この共通認識は多くの国々が持って頂いてるのではないかと思います。そして同時に日本が、国民がまとまった声をあげる、その意味においてこうしてたくさんの皆様にこのコンサートに参加していただきました。是非、この声を北朝鮮に伝えたいと思います」――

 これだけの会話だが、話の内容自体に多くの矛盾が含まれていることに安倍晋三は残念ながら気づいていない。判断能力が壊れているからだろう。 

 先ず第一に金正恩は北朝鮮が今まで採用してきた政策を変えて拉致問題を解決して北朝鮮の未来への国づくりを再開する大決断をしなければ、それ以外に北朝鮮の将来はないと断言している。

 そうさせるための方策が安倍晋三の「対話と圧力」だと信じて疑わない姿勢を示している。

 つまり「対話と圧力」こそが金正恩の政策を転換させ、北朝鮮の将来を保障するための有効な唯一の方策だとしている。

 この姿勢は拉致被害者5人が帰国し、それ以外の被害者の問題解決が進展しなくなった状況以降からの特に自らが作り上げた一貫した姿勢である。にも関わらず、「ほかにいい道があれば是非教えていただきたいと思う」と、有効・唯一の方策だとしていることの一貫性に反することを今更ながらに言う矛盾を演じている。

 小泉当事首相が訪朝して金正日と第1回目の会談したのが2002年9月17日。拉致被害者5人の帰国が2002年10月15日。第1次安倍内閣発足が2006年9月26日。

 第1次安倍内閣に「拉致問題対策本部」設置されたのは2006年9月29日。第1回会合が2006年10月16日。

 この中で、〈かかる状況の中、拉致問題については、政府として、引き続き、「対話と圧力」という一貫した考えの下、解決に向け粘り強く取り組んでいくこととし、拉致問題の解決なくして北朝鮮との国交正常化はあり得ないということをここに改めて確認した上で、今般新たに設置した拉致問題対策本部を中心に政府一体となって、すべての拉致被害者の生還を実現すべく、今後の対応方針を以下のとおり決定する。北朝鮮がこうした我が国の決意を厳粛に受け止め、拉致問題を解決するための決断を早急に下すよう強く求める。〉と、「対話と圧力」を小泉内閣に引き続いて、いわば路線継承して対北朝鮮政策とすることを確認している。

 小泉首相が対北朝鮮政策「対話と圧力」を国際公約としたのは第1回訪朝2002年9月と第2回訪朝の2004年5月の中間、米国での小泉・ブッシュ首脳会談のときのことで、ブッシュに「北朝鮮問題解決のためには『対話と圧力』が必要」と発言したとインターネットで紹介している。

 いわば「対話と圧力」は2004年の小泉・ブッシュ会談での国際公約から9年、安倍晋三が内閣として2006年9月に「拉致問題対策本部」を設置・主宰してから7年、一貫した対北朝鮮政策としてきたのである。

 だが、「対話と圧力」は金正日をしてその先軍政治を変えさせる「大きな決断」をさせるに至らなかったし、権力父子後継者である金正恩に対しても「大きな決断」をするに至らしめる効果を今のところ何ら見せていない。

 その理由を検証することもなく、「対話と圧力」こそが金正恩に対して北朝鮮が今まで取ってきた政策を変えさせる有効・唯一の政策であり、そのことが北朝鮮の将来を約束すると自らの姿勢をバカの一つ覚えのように頑なに守っている。

 少なくとも「対話と圧力」が金正恩をして北朝鮮の対外政治を変えさせるにどれ程の進展を見せているか明らかにしなければ、「対話と圧力」の評価を測ることは不可能で、明らかにすることによって、その適否の評価を客観的に与えることが可能となり、その政策を続ける資格を問うことができることになる。

 だが、効果を検証することもなく、これ以外に方法はないと、「対話と圧力」一辺倒となっている。いわば効果との比較で掲げている「対話と圧力」ではないということになる。

 これほどの矛盾、バカさ加減はない。

 最大の矛盾は、「私は総理に就任して1年間、150回以上首脳会談を行いました」と言っていることである。例え首脳会談を「150回以上」行おうと、1000回以上行おうと、そのことを通して訪問国の各国首脳が「拉致問題は、人権に対する大いなる侵害であり、主権に対する侵害」だとする共通認識に至ろうとも、安倍晋三が「対話と圧力」こそが北朝鮮の政策を変えさせて拉致問題の解決につながり、尚且つ北朝鮮の将来を約束する契機となると言っている以上、各国訪問も北朝鮮に対する「対話と圧力」に効果を発揮する出来事でなければ、いくら共通認識に立とうと、意味はない。

 いわば北朝鮮に対する「対話と圧力」に役立っているのかという視点で外国訪問と首脳会談を意味づけなければならないはずだが、発言はそういった視点を全然取っていない。

 このような肝心要な視点もなく、外国訪問回数と首脳会談開催数を誇り、外交辞令でもするはずの共通認識の獲得を勲章とする見当外れの単細胞をご披露している。

 安倍晋三の頭の悪さが分かるというものである。

 安倍晋三の矛盾、頭の悪さを古屋拉致問題相がそっくりと受け継いでいるから、拉致解決にとって始末に悪い。佐賀県での集会挨拶。

 《「拉致、解決する大きなチャンス」古屋拉致問題相》asahi.com/2013年11月9日17時09分)

 古屋圭司「北朝鮮による拉致問題は、小泉内閣で5人が帰国して以来、進展がない。第1次安倍内閣で政府に拉致問題対策本部と担当大臣ができた。ここからが勝負の始まりだったのだが、残念ながら1次内閣は1年で終わった。以来、毎年のように首相が替わり、途中で政権交代も起きた。これでは、北朝鮮は日本にどういう思いを持つか。

 今年7月の参院選で私たちに信任をいただき、何年ぶりかで衆参のねじれが解消した。今度は安定した政権を目指すことができる。拉致問題を解決する大きなチャンスが来た。すべての被害者を戻さなければ、北朝鮮に支援はおろか制裁解除もあり得ない。北朝鮮に立ちゆかなくなると悟らせる」――

 「拉致問題対策本部」が1年で終わったということは意味をなさない。後の麻生内閣、福田内閣が受け継がなければならない政策だからだ。

 百歩譲って、古屋が安倍晋三のリーダーシップを俟たなければ解決できない難しい問題だと認識していることからの発言だと認めるとしても、「すべての被害者を戻さなければ」、「北朝鮮に立ちゆかなくなると悟らせる」ことができる可能性について具体的に言及しなければ、当てずっぽうな上、情緒的な反応の期待発言となる。

 少なくとも金正恩は現在のところ、「すべての被害者を戻さなければ」、北朝鮮は「立ちゆかなくなると悟」ってはいない。いわば第2次安倍内閣発足1年間、「対話と圧力」は「悟らせる」だけの役には立っていない。

 今後は役に立たせることができるという確証があるなら、その確証を説明しなければならないはずだが、何らの説明もない。

 つまりそういった趣旨の発言となっていなければならないにも関わらず、なっていないのだから、安倍晋三と似た者同士の頭の悪さと言わないわけにはいかない。

 安倍晋三は上記挨拶の最後に「そして同時に日本が、国民がまとまった声をあげる、その意味においてこうしてたくさんの皆様にこのコンサートに参加していただきました。是非、この声を北朝鮮に伝えたいと思います」と言っているが、国民の声を金正恩の耳に届ける具体的な方策を示し、実際に耳に届ける実行力を発揮しない限り、古屋の「北朝鮮に立ちゆかなくなると悟らせる」と同じで、単なる情緒的な反応で終わる。

 情緒的な反応はその場では多くの人間の共感を得ることができても、金正恩の共感とするだけの力は持ち得ない。

 安倍晋三がこうも頭が悪いようでは、いくら米国に倣って国家安全保障会議(日本版NSC)を設置しようと、大したリーダーシップは働かせようがないはずだ。

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