勿論、本人は否定している。そのとおりですよと言うわけはない。
12日(2010年11月)、外務委員会で新党大地の浅野貴博議員が前原外相に対する北方四島問題で質問を行った。ご存知のように新党大地代表だった衆議院議員鈴木宗男がワイロ罪などで実刑判決が確定、9月15日を以って議員失職、それを受けて比例代表北海道ブロックからの繰上げ当選を9月28日に決定、まだ1ヵ月半の議員経験、1978年4月5日の生まれだと言うから、32歳の若さだが、静かに落ち着いて、だが気鋭の雰囲気を漂わせて前原外相に当たっていた。
新党大地は民主党と会派を組む。いわば半ば与党同士の質疑となるが、完璧な与党同士のヨイショはなかった。
浅野貴博「我が新党大地、北海道の地域政党でございます。北海道と言えば、やはり北方領土問題。今大変、道東釧路、根室のみなさん、大変な懸念を持っておられます。そこで前原大臣にお聞きします。
昨年10月17日、当時国交大臣、北方担当大臣でいらっしゃいました。えー、根室訪問された際に、えー、海上保安庁の巡視船「くなしり」に乗られ、国後島を会場から視察された後、羅臼町で記者に対して、ええー、『日本国民として、望郷の念を強くした。ロシア側に不法占拠と言い続け、四島返還を求めていかなければならない』と発言されていると、承知しています。
北方四島は、歯舞、択捉、国後、エー、色丹。この四島がロシアに不法占拠されているという認識に、大臣、今でも変わりはありませんでしょうか」
前原「えー、北方四島は、我が国固有の、おー、領土でありますけれども、我が国は現在、えー、管轄権を事実上行使できない状況にあると、いうことでございまして、えー、四島の帰属を確定して、そして平和条約を結ぶ。何とか、この、おー、領土問題、イー、1956年の、おー、日ソ、共同宣言後ですね、えー、解決をしない領土問題、何とか解決をしたい、という思いでございまして、その思いに変わりはございません」
浅野「不法占拠という思いには、変わりはありませんでしょうか?」
前原「えー、繰返しになって恐縮でございますけれども、北方領土は我が国固有の、領土であるけれども、えー、管轄権を、事実上行使できない、状況が続いていると、いうことでございます」
浅野「ハイ、分かりました。えー、昨年10月の前原、当時の国交大臣のご発言、そのうち、我が師である鈴木宗男、おー、代表が出した質問趣意書の答弁が、昨年11月24日、閣議決定されまして、その中に、『政府としてはロシア連邦が北方四島を不法に占拠している現状に於いて』と、いう文言があります。
これ、当時新聞報道なされましたが、ロシアが大変、激しい反発をいたしました。また、本年の9月29日、前原大臣、ベールイ駐日大使を外務省に呼びつけて抗議をされています。『北方四島は我が国固有の領土であり、ロシアが』、あーあー、によって『実効支配されている』
これは事実でございますが、この不法占拠という言葉が殊更、昨年来政府が強調をして、何も私はロシアの側に立つ者ではありませんが、ロシアとしては、日ロの、おー、冷静な議論を、えー、北方四島に関する交渉を行う、冷静な空気を、日本側が壊したと。
少なくともロシア側がそう受け取って、今回のメドベージェフ大統領の国後訪問、強硬、姿勢を取らざるを得なくなった。こういう背景があろうかと思うんですが、前原大臣、どういうふうにお考えなりますでしょうか」
前原「様々な見方はあるかもしれませんが、私共は、あー、えー、そのような見方はあまりしていません。えー、これは累次、イー、今までも、国会答弁をしてきておりますけれども、私はやはり大きいのは、えー、国際社会の中で、資源価格が高騰してですね、えー、石油や天然ガスの、おー、産出国である、ロシアの財政というのは豊かになった。
今まではなかなか資金が回ってこなかった。あー、北方四島が、あるいは千島列島にでもですね、おカネがまわってくるようになってきた。そしてこれは、2006年8月3日に、閣議決定された、クリル諸島、社会連邦発展特別プログラム、ま、以下クリル開発計画と言わせていただきますが、えー、これが先ず、この2007年から、2010年までが第一段階。そして来年からは第二段階に入ってきて、えー、内外企業の投資誘致、漁業コンプレックス企業、の、集中的発展、養殖業の創設と、効果的な操業確保、そのためのインフラ整備、また、観光リクリエーション発展、等ということで、かなりの資金を、エー、投入をすると、ま、いうことで、えー、その視察のために、2002、5年以降は、多くの、おー、要人たちが、北方領土を、訪れるようになってきております。
エー、今までですと、イワノフ国防大臣であるとか、あるいは、ア、また、これは、イワノフさんが、えー、副首相になってから、えー、ラズロフ外相、(言い直す)ラブロフ外相も何度か、訪れております。えー、あるいはサハリンの、知事、あるいは長官、様々な要人が、訪れて、エ、この開発計画の実施状況を視察に来ておりまして、むしろそういった要因の中で、エー、今回の視察が、ま、行われた、可能性が高いのではないかと思っております。
ただ、いずれにしましても、エ、北方領土、国後島も含めて、我が国固有の領土を、エ、ロシアの大統領が訪れたということは極めて、遺憾でありまして、エー、私の方から、アー、抗議を、ヲー、いたしました」
浅野「えー、何よりもこの問題、いろんな要因があると私も考えています。エー、先日の外務委員会で前原大臣、外交は原理原則だけじゃできないと。まして外交はケンカじゃないと、おっしゃったのは私も印象に残っております。兎に角今私の二度に亘る質問で、前原大臣、不法占拠という言葉をおっしゃいませんでしたけども、ま、一国民、もしくは一国会議員、が言うのではなく、閣僚が不法占拠と、殊更相手側を刺激する言葉を使うのは、我が国にとって国益にならないと思います。何よりも、静かに冷静な環境で実利を得るべく、四島を如何に取り戻すべきか、現実的な交渉をこれからも、大臣はお願いしたいと思います。
続きまして、最後にあのー、(壁時計?掛け時計?に眼をやって時間を確かめながら、)メドベージェフ大統領の、国後訪問につきまして聞きたいと思います。これ10月28日、の産経新聞でしょうか、11月1日の産経新聞ですね。河野駐ロ大使が記者団の質問に対して。えー、噂はー、ア、『今回のメドベージェフ大統領の訪問について、噂はあるが、具体的な計画があるとは承知していない、準備しているという話はない』と語った、という記事が出ております。
また、これ記事になっているわけではないんですけども、小寺外務省欧州局長が、えー、マスコミ関係者との懇談会の中で、この常識的に考えれば、ないだろうと判断していた、私の判断が間違いか、ロシアの常識がおかしいのか分からないが、結果として訪問、領土に行かないという判断は間違えていたと。
このロシア、えー、に、日本の全権代表として行かれている河野大使、そして対ロシア外交責任者とも言うべき欧州局長、大変非常に、甘い認識を有していたことは、この中で窺い知れます。この発言事実がどうか、外務大臣、確認されてますでしょうか」
前原「エ、河野、ロシア大使の発言は、これはマスコミに対して行ったものでありまして、えー、そういった趣旨を大使が、発言したということは承知しております。えー、ただ、一方で小寺欧州局長の発言についてはですね、シー、これは、非公式の形で行われたのか行われていないのか、えー、そこは確認をしておりませんし、えー、そのような、ア、発言を、公式の場で、したことは認識しておりません。
ま、いずれも、いずれにしてもですね、これは浅野委員が先程おっしゃっていただいたことで、私は大変、意を強くしたんですが、1956年から、(笑いながら)解決しない、大変大きな問題、ですよね。えー、そう一朝一夕で、エ、これは解決する問題ではないというふうに思います。やはり今までの、交渉経過というものを、しっかり紐解いて、そしてまた、今の、ロシアの、国内事情、ヲ、というものを、しっかりと読み解く中で、えー、焦らずにですね、エ、しかし、自らの立場をしっかり保ちながら、あー、交渉を進めると、いう姿勢が、我々、この、オ、連立政権でも必要ではないかと、ま、こう思っておりますので、是非、この問題、関心を持っておられる浅野委員にも、様々な観点からの、エ、お知恵をいただきたい、アドバイスをいただきたい、こう思っております」
浅野「今、大臣、焦らずにとおっしゃいました。確かに一朝一夕に、イー、明日(あした)にでもすぐにこの問題が解決すると思っておりません。ただ、あー、北海道、特に、イー、多くの、元島民の方がお住まいの、根室、そして釧路、元島民の皆さんが、もう平均年齢が、70代後半になっております。時間が、残された時間が極めて少ないです。焦り以上、ソウショウカン(焦燥感)と言いますか、絶望感、皆さん抱いていらっしゃいます。
中にはこの60年以上経って、外務省に解決できないんであれば、外務省じゃなくて、内閣府にやってもらえればいいと(フッと笑いをこぼす)、そういう厳しいことをおっしゃる方も、いらっしゃいます。今日明日にでも解決する問題ではないことは確かです。ただ、今回少なくとも河野、大使、あの、大臣、先程確認できていないとおっしゃいましたが、小寺局長、前線に立って、情報を集めて、大臣、そして菅総理に、情報を上げるべき人間が、この認識が甘かった、判断を間違えた、ことは事実だと思います。
我々国会議員、仕事を、おー、選挙で議員バッチをいただいて、それを任期まで、選挙できちっと仕事ができなければ、選挙に於いて国民から厳しい審判を下されます。信賞必罰というものはどの組織にも必要だと思います。今回のこの事態を受けまして、河野大使、小寺局長、人事を一新するお考えはあるでしょうか」
前原「あの、先程焦らずにと申し上げたのは、エー、焦ると、オ、交渉相手に、足許を見られて、えー、交渉が、ア、うまくいかない、あるいは、こちらの言い分というものが、叩かれると。マ、こういう意味で申し上げたわけでありますが、他方で、浅野議員がおっしゃったように、解決していない、よく解決していない問題で、元島民の方々の高齢化、エー、後は半分の方々が亡くなって、おられます。
マ、そういう意味では、勿論、悠長に構えてやるという意味ではなくて、交渉に於いて、エー、その、焦るということはエー、交渉に於いては一般論として、エー、慎むべきだと、いうことを申し上げたわけであって、ただ早くに解決しなければいけないという問題だと浅野議員と問題意識を共有しております。
なお、私もこの立場に立って、エー、1ヵ月半、余り、が経ちます。シー、エー、ま、組織の中の、おー・・・、ま、人事、それから体制のあり方、エ、これについては、一緒に仕事をしていく中で、エー、シビアに見ていかなくてはいけない、問題だと思っております。
マ、従いまして、個別にどの部署がどう、誰かにどうのっていうことは今、何も考えておりませんけれども、今、直ちに何かをするということは考えておりませんが、当然ながら、浅野議員がおっしゃったように、組織というものは官僚組織だけじゃなくて、これは政治家の組織も同然だと思いますけども、エー、信賞必罰、そして、エー、頑張った者が報われる、ま、そういうものでなければいけない。そう思っておりますので、役所全体で、エ、考えてまいりたいと、エ、思っております」
浅野「ありがとうございます。今回の問題、イー、今回の問題に限りませんが、ここ数年、特に、大臣、外務大臣を支えるべき外務官僚がきちっとした仕事をしていないと、私は痛切に感じております。
大臣、外務大臣、前原大臣を裂帛の気合で守り抜くと、菅総理を守り抜く、こういう気合が交渉の実務者である外務官僚にない限り、北方領土問題に限らず、日本外交、再生はあり得ないと私は考えておりますので、前原大臣に於かれましては、きちっとしたリーダーシップを発揮されて、日本の国益のために、頑張っていただきたいと思います。ありがとうございました」(質問終了)
最後は会派を組む関係らだろう、半分ヨイショ混じりの激励で終わっている。
浅野議員が質問の最初に当時国交相・北方担当相だった前原の根室訪問時に発言した「日本国民として、望郷の念を強くした。ロシア側に不法占拠と言い続け、四島返還を求めていかなければならない」を捉えて、その認識に現在も変わりはないかと問い質した。
だが、前原大臣はなかなか巧妙・狡猾である。どう認識しているかは直接答えず、「不法占拠」を「管轄権を事実上行使できない状況」にすり替える誤魔化しを働かせて見事かわしている。
浅野議員の再度の問い質しに対しても、ほぼ同じ回答で自身の認識については明かさない。
「不法占拠」の主体はロシアである。「管轄権を事実上行使できない状況」にある主体は日本である。後者の主体は決して認めることはできない主体であって、ロシアの主体を排除して、そこに日本を据える方策の模索があって然るべきだが、答弁の間、そういった模索は一切なしに自身の「不法占拠の」認識を「管轄権を事実上行使できない状況」の主体に日本を置くすり替えはロシア非難の後退を示すだけではなく、「北方四島は我が国固有の領土である」の主張の一層の形式化、あるいは一層のお題目化に導くことでもあるはずである。
「不法占拠」とすることが「北方四島は我が国固有の領土である」の主張をより活かすことができるのであって、逆に「不法占拠」の撤回、もしくは隠蔽となっている。
但し浅野議員も「不法占拠」発言はロシアの反発を買うから控えるべきだとする態度を取っている。自身が質問の中で触れているように日本側の不法占拠だとする姿勢がロシアの強い反発を招いた経緯があるかとしているからだが、その延長上にある今回のメドベージェフ大統領の国後訪問ではないかと追及するが、それもあっさりとかわされる。
昨年10月17日の視察を記事から見てみる。《前原沖縄北方担当相:北方領土を視察 「不法占拠」と発言》(毎日jp/2009年10月17日 18時09分)
2009年10月17日に北海道根室市の納沙布岬を訪れ、対岸の北方領土の島々を視察、その後、根室海上保安部の巡視船に乗り洋上からも国後島を視察・
前原国交相「歴史的に見ても国際法的に見ても(北方領土は)日本固有の領土。終戦間際のどさくさにまぎれて不法占拠されたもの。やはり四島の返還を求めていかなければならない」
《北方領土 「不法、言い続けないと」 前原担当相洋上から視察》(Doshin Web/09.10.17)
前原国交相「日本国民として望郷の念を新たにした。歴史的に見ても北方領土は日本固有の領土。(ロシア側の)不法占拠と言い続けないといけない。・・・容易ではない交渉だが、四島の返還を求めていかなければならない」
次にロシアの反発。《前原氏の「不法占拠」発言にロシア「遺憾だ」 北方領土》(asahi.com/2009年10月20日10時12分)
ロシア外務省「新政権がロシアとの関係発展に前向きな意向を示し、9月のニューヨークでの日ロ首脳会談が建設的に行われた背景の中、受け入れがたく不適当で法的根拠のない発言が再びなされた。・・・(前原氏の発言が)対決的な気分を残している」
対する前原国交相の再反論
《前原北方担当相:「不法占拠」発言へのロシアの批判に反論》(毎日jp/2009年10月20日)
前原「鳩山外交の姿勢と違うとは全く思っていない。・・・自民党政権時代からの日本政府としての法的な立場を改めて申し上げただけだ」
前原「お互いの認識が違うからこそ、領土問題が未解決になっている。・・・・四島の帰属を明確にし、日露間で平和条約が結ばれた中でさらなる協力関係が結べる状況になればいい」
浅野貴博議員が自身の政治の師だとしている鈴木宗男も前原発言を批判している。
《鈴木宗男氏が前原氏の「不法占拠」発言を批判》(MSN産経/2009.10.20 17:19)
鈴木宗男衆院外務委員長「不法占拠という表現は失敗だった。(ロシア側は)係争地域であると認めている。(11月にシンガポールで予定される)日露首脳会談の前に言うと、間違って受け止められる。・・・・過激なことを言えば受けると思ったら大間違いだ。外交は静かにやるものだ」――
浅野貴博議員の「不法占拠」を刺激的表現と把えている忌避反応は政治の師であるとする鈴木宗男の批判を受けた反応であろうが、例えロシアがどう反発しようと、「不法占拠」だと内外に向けて言い続けることによって、「北方四島は我が国固有の領土である」はより具体的、強硬な訴え・抗議となるはずである。
いわば、「不法占拠」と「北方四島は我が国固有の領土である」は一体の認識とすべきである。「管轄権を事実上行使できない状況」とする認識は「北方四島は我が国固有の領土である」を曖昧化する一方の認識でしかない。
前原外相は浅野議員が指摘したロ大統領国後島訪問の要因を否定し、否定の代りに取り上げた要因は、この日の質疑から4日遡る11月8日の衆議院予算委員会で民主党の城井崇衆議院議員と前原外相との間の質疑応答での答弁とほぼ同じとなっている。
浅野議員は北海道比例区選出で四島返還問題に取り組んでいる国会議員として情報として手に入れ、検証しているはずだから、知らない情報としているわけない。知らない情報としていたなら、怠慢となる。前原外相としたなら、相手も既知としている情報だとの認識を持つべきを、持つことができずに尤もらしい落ち着きを見せて、4日前に述べたことの繰返しを、それ以前にも述べているかもしれないが、行った。
内容は極東方面の開発に向けて投資する資金の余裕ができ、その開発の進捗を背景としたロ大統領の訪問だとしているが、実態はロシア側が北方四島で展開している事実の経緯の説明に過ぎない。
資金の余裕ができて、「社会連邦発展特別プログラム」に則って北方四島の開発を進めているなら、日本との間で外交問題となる北方四島を大統領が何もわざわざ訪問しなくても、開発は進む。大統領訪問が開発進展の要因となるわけではない。資金と計画の有効性が要因となる開発であろう。
だが、訪問し、外交問題化させた。日本側の反発・抗議に対して、ロシア外相は「国内問題」だとし、メドベージェフ大統領は日ロ首脳会談で「私が自らロシア領土への訪問を決定した」と北方四島をロシア領土だと印象づけている。いや、大統領自らの訪問はロシア領土の宣言にも当たる象徴的行為であるはずである。大統領自身が「ロシア領土」だとしている国後島の地に二本足で立ったのである。他の何を象徴したというのだろうか。
大統領自身が訪問してロシアの領土だと宣言する象徴的行為を必要とした要因は訪問しなくても進めることができるロシア政府の手による開発・ロシア領土化であるはずはなく、「不法占拠」だとする日本側の認識がロシア側の開発を害することになる心理的な障害を考えるべきであろう。
「不法占拠」という言葉は「「北方四島は我が国固有の領土である」よりも質が悪く、その土地に開発を進めることになるからだ。その障害を取り除くには日本側に「北方四島は我が国固有の領土である」を諦めさせるしかない。
《北方領土は「解決不能」 ツイッターでロ大統領》(47NEWS/2010/11/14 00:47【共同通信】)
国後島を訪問した11月1日に自身のツイッターに次のように書き込んでいる。
「大統領の義務は、最も遠いところも含めたロシアの全地域の発展を監督することだ」
そして13日の日ロ首脳会談後のツイッター。
「日本の首相に会い、解決できない論争より経済協力の方が有益だと伝えた」――
解決できないんだから、諦めろ、我々は北方四島の開発を進めるのみだとの意志を滲ませた文章となっている。
誰々が北方四島を訪問したといった単に経緯を述べるだけの危機感のなさも然ることながら、浅野議員が駐ロ日本大使と外務省欧州局長の情報収集能力と情報解読能力を個別の人間の資質の問題として質問したにも関わらず、組織の人事、組織の体制のあり方という一般論にすり替える危機感のなさ、封じることになったゆえに将来的な成算もなく発したことが分かる、そのメッキを剥がした「不法占拠」発言から否応もなしに炙り出すことができる、有能な政治家であるか見せるかける虚勢を張った姿等々が前原と言う政治家の正体を表すことになっている。