覚え書きのようなもの・・・分室

私の好きな音楽のこと(主にクラシック)や日々の出来事、思ったことなどをつたない言葉で記してみます

マリナーとドレスデン国立管のグリンカ 「ホタ・アラゴネーサ」

2009年08月11日 | 音楽
・時々、「この録音はどんなきっかけで生まれたのかな?」と思うアルバムがありますが、今日聴いたマリナーとドレスデン国立管のアルバムもその一つ。大体、マリナーとドレスデンというコンビ自体が珍しいですよね。その珍しいコンビが録音したアルバム、収録曲がまた不思議。ラヴェルの「ボレロ」、シャブリエの「スペイン」、チャイコフスキーの「イタリア奇想曲」にグリンカの「ホタ・アラゴネーサ」。マリナーのレパートリーは広いですからともかくとして、およそドレスデンのオーケストラにわざわざ録音させようとは思わない曲ばかり。もっとも、それが狙いだったのかもしれませんが。

・では、その結果がどうなのかといえば、これがなかなか魅力的。もちろん、違和感を覚える方も多いとは思いますが、このオーケストラの落ち着いた深みのある響きで聴くこれらの曲は私にはとても新鮮でした。マリナーの奇を衒わない淡々とした指揮が自然にオーケストラの魅力を引き出しているのでしょう。フィリップスの素晴らしい録音も特筆ものです。

・収録されているどの曲も素敵でしたが、今回はグリンカの「ホタ・アラゴネーサ」。ベルリオーズに影響を受けたグリンカがスペインを旅した時に聴いたギターの曲の印象をもとに作曲したとか。まさにその通りの曲。華麗なオーケストラにいかにもスペインらしい旋律。それをドレスデンのオーケストラで聴けるというのは、なんだかちょっと贅沢な気分。このアルバムを企画した人に拍手です。

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