僕の家内は招き猫が好き

個人的なエッセイ?

「月下美人」

2021年06月12日 | 日記
しとしとと降る雨。
曇り空に時折陽光が射しこんでくる。

じっとりと汗ばむ陽気。
あたりはすっかり梅雨です。

田園地帯を車は走る。
田んぼのあぜ道を抜け角を曲がる。

突き当りの家で僕は車を降りた。
「こんにちわ、〇〇寺です」

田植えの終わった風景。
のどかだな・・・。

玄関のそばには紅色の花が咲いている。
幻想的な花。

「この花綺麗ですね」
小雨に濡れた清楚な花が風に揺れていました。

月下美人。
初めて見ました。

煌々と輝く月の灯り。
静寂に包まれた深夜に咲き始め。

一夜限りの花。

「美人薄命。私の花ね」

美しい時代。
短い寿命を散らした女性。

そうでね。君のことだね。

「キーッ!」

ボコボコ、頭を叩かれながら、
僕は家に帰った。

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