僕の家内は招き猫が好き

個人的なエッセイ?

「思い出の渚」

2018年08月31日 | Music
今日で8月も終わり。

いつの間にか空の色は深みを増して、高くなっています。
秋は、すぐそこ。

やさしさく頬ををなでる風。
どうして、こんなにさみしいのだろう・・・。

九州にいたころ、ひとりで海に行くことがありました。
人影のなくなった、浜辺。

あんなににぎわった海の家も、さみしそう。
浜辺に腰を下ろして、水平線を見つめていました。

サーフボードを抱えて、人が通り過ぎる。
遠くに見える、大型船。

静かな時が流れていく。


君を見つけた この渚に
一人たたずみ 思い出す

小麦色した 可愛いほほ
忘れはしない いつまでも
              「思い出の渚」


あいたい。

誰に会いたいの?

わからない。

だけど、どうしてこんなに悲しいのだろう。


僕は、バイクのエンジンをかけた。

季節は流れていく。
そして、人の心も変わっていく。


◆ 参考文献 「思い出の渚」 ワイルド・ワンズ 歌詞GET


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きれいな顔

2018年08月30日 | 日記
リゾート・ホテル?でアルバイトをしている、ナオキチ。

仕事の内容は、フロント、自転車貸し出し、プールの監視員、雑用、力仕事・・・。
その他も、色々とやっています。

「良く続いているよね」
夕食の時に、家内が言いました。

今まで、何事にも自信が持てなかった、ナオキチ。
そんな彼が、ホテルのフロントなんて、誰が想像したでしょう。

「きちんと、お客さんと会話ができるの?」
ゴンキチが尋ねました。

「できるよ」
僕を馬鹿にするなと言いたげな、ナオキチの顔。

「これでも僕は、『おばちゃん』に人気があるんだぞ!
 きれいな顔ねって、言われたことがあるんだぞ」

『おばちゃん』に人気がある・・・それは、すごい。

そういえば最近、初めてナオキチを見た檀家さんも言っていたっけ。

「男の子に、こんなことを言うのは失礼だけど、
 息子さんきれいな顔をしているのね」って。

さすが、ナオキチ。
さすが、僕の子供。

最高な、一日でした。

ps

ナオキチは、私に似ているのよ!(母ちゃん談)

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心配

2018年08月29日 | 日記
月忌回向でお伺いするお宅で、檀家さんから相談を受けることがあります。

亡くなった近所のおばあちゃんが、勝手口に立って笑っている。
首の切れた、ヘビの死体があった。

相談の内容は、多種にわたります。
そのたびに、私は解決策を見つけなくてはなりません。

ご供養をしたり、お祓いをしたり・・・。
その時、肝心なのは、どうしたら檀家さんが安心するかということです。

お話をよく聞いて、ひとつずつ心配の種をほどいていきます。

視点を変えれば、不吉な現象は、感謝の現象になることもあります。
私自身の経験をもとに、お話をしていきます。

あるとき、お雛様を手放したいと、ご相談を受けました。
娘さんのために買った、七段飾り。

その娘さん嫁ぎ、新しいお雛様も買いました。

あるとき、お孫さん(男の子)が、「このお雛様、気味が悪い」、
と言ったことが気になり、処分したいと思い始めました。

「伐根式をして、『おたきあげ』をしてください」
真剣そのものでした。

お話を聞いた後、私は言いました。

燃やしてしまうのもいいのですが、幼稚園や、介護施設に差し上げたらいかがですか?
お雛様も、燃やされるより、人に見てもらう方が、喜ぶんじゃないでしょうか。

「それも、いいですね」
ホッとした顔の檀家さん。

家内に相談して、知り合いの介護施設に差し上げることにしました。
介護施設の所長さんも、すごく喜ばれていました。

よかったね。
私もホッとしました。

けれど、今朝、「どうしても、手放せません」との、電話。
お雛様を眺めていたら、別れがつらくなったそうです。

仕方がありません。
家内が、介護施設に謝罪の電話を入れました。

私は、今日も車で走ります。
尽きることのない、人の心配。

その先に、笑顔が待っていることを願いながら。

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ナナハン・ライダー

2018年08月28日 | 日記
夏休みも、もうすぐ終わり。
あっという間に、夏が通り過ぎていきます。

ホンダ・カブに荷物を一杯積んで、ツーリングをしていた、人。
伊豆ナンバーの大型バイクで、日本一周をしていた、青年。

彼らは、無事に家にたどり着いただろうか。
出会った人たち、面影。

なんか、自分が取り残されたみたい・・・。

私も20代のころ、750㏄のバイクで、九州一周をしたことがあります。
お盆が終わり、数日間の休みがありました。

初めての、一人旅。
不安と期待が入り混じった、旅行でした。

阿蘇山、高千穂峡、都井岬、桜島、指宿、霧島。
雨に見舞われた毎日でしたが、すごく楽しかった。

バイクは、孤独な乗り物。
強がっていました。

何度も転倒して、ステップが曲がり、
近くのバイク屋さんに修理をしてもらったり。

民宿で、見知らぬ人とお酒を飲んだり。
通りすがりのバイク乗りたち。

沢山の触れ合いがありました。
青春は、一度っきり。

どんな生き方をしても、悔いは残ります。
それなら、たくさんの悔いを残したい。

たくさんの、思い出を作りたい。

とどろく、エグゾースト・ノート。
心は、「ナナハン・ライダー」だぜ!

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未来

2018年08月27日 | 日記
犬のカットをしていた、家内が叫びました。
「もう、この犬いやだ。ノミの糞だらけ」

聞けば、このワンちゃん。
半年に一度、カットに来るそうです。

犬種は、シーズ。
半年間、土間で生活をしています。

何もケアをしていないから、体毛は伸び放題。
身体は、ノミの糞が固まり、体毛がカチカチに固まっています。

このままバリカンを使ったら、刃が欠けてしまいます。

シャンプーを始めて、1時間30分。
時たま聞こえる、家内の叫び声。

100匹近いノモの駆除も終わり、カットが始まりました。
カットと言っても、丸刈りです。

「もう、お断りしたら?」
見かねた私は、家内に言いました。

「そんなことをしたら、この犬がかわいそうよ」
多分、ずっとこのまま・・・。

「ここはお寺だからね。
 やさしくしてあげないと・・・」

家内と一緒に、飼い主のお宅へ行きました。
家内が、飼い主の方にノミ駆除の薬液の説明をしています。

「どうだった?」
車に戻ってきた家内に、私は尋ねました。

「薬液を買ってきてください、って。
 シャンプーして、すぐは無理だから、

 一週間後に、動物病院で買ってくるわ」

そんなサービスまでするの。
私は、びっくりしました。

「これで、あの犬にノミがいなくなるのだから。
 これくらい平気よ。

 このままじゃ、かわいそう」

笑顔の家内。
車は、夕闇に包まれた国道を走ります。

闇を照らす、ヘッドライト。

僕が、このお寺で頑張ってこれたのも、
そんな君が、そばにいたからだよね。

今にも消えてしまいそうな、小さなお寺。
身体中ノミだらけの、小さなワンちゃん。

どちらの生命の未来は、家内の細い腕にかかっています。





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