僕の家内は招き猫が好き

個人的なエッセイ?

願うよ

2018年07月31日 | 日記
ある檀家さんに、電話をしました。
先日、奥様のお葬式をした檀家さんです。

お寺にお礼に来られたときに、お酒を飲んでいました。
お酒好きな方でしたが、少し気になりました。

電話に出た、檀家さん。

『お元気ですか?』
決まり文句しか思いつかない私は、こう切り出しました。

『お酒を飲みすぎないように』
当たり前すぎて、自分が恥ずかしい。

そんな私の言葉に、檀家さんが答えました。

「今、お酒を飲んでします」
普段とは、違う声音です。

『大丈夫ですか?』
私は、心配になりました。

「大丈夫・・・」
言葉とは裏腹に、声は大丈夫じゃないと言っていました。

九州の実家のお寺で、何度も見た光景でした。

私を含め、男性は弱い生き物です。
一人で生きることのできる、女生徒は違います。

悲しみに打ちひしがる。

やがて、前に踏み出そうとする、女性。
今にとどまり続ける、男性。

その結果、未来は180度違ってきます。

僕に、人を救う力があるなら・・・。
電話を握りしめながら、言葉をつづけました。

『今度、一緒にお酒を飲みましょうか?』
当たり前過ぎて、笑ってしまう。

「機会があればね・・・」
弱々しい声。

『その時は、一升瓶を持っていきますよ』
元気な声で言いながら、私は願いました。

無理せずに、前を向いて生きていきましょう。
いつでも力になります。

誰でもいう言葉。
それでも・・・私はそう願うしかありませんでした。




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もうすぐ、8月です

2018年07月30日 | 日記
九州へ、月忌回向のお手伝いに行きました。
昨日の台風が嘘のように、空は晴れ渡っています。

ぐんぐん上がる、気温。
車の外に出るのが、怖い。

今月最後の、月忌回向です。
来月は初旬から、お盆経にお伺いします。

担当地区以外の檀家さんからも、質問を受けます。

何を用意すればいいのか?
時間を教えて?・・・など。

日にちは、はがきで事前にお知らせしています。
それでも、お待ちになる方は詳しい時間が知りたいですよね。

そのたびに、実家のお寺に電話をして調べます。

お盆前にお伺いする檀家さんには、本当に申し訳ないと思っています。

一日でお伺いするお宅がの数が限られているもので、
事情をお話して、ご理解していただいています。

お寺は時々、お葬式などの突発的な連絡があります。
だからお盆経の期間中は、ハラハラします。

特に私は、山口から福岡へお手伝いに行っています。
片道100㎞の距離があります。

20代の時は、不安なんてなかったのに、
最近そんなことばかりに目が行ってしまう。

きちんと対応できるだろうか・・・。

起きてもないことを、あれこれ考えずに、今を楽しみましょう。
何か起きたら、その時は、その時。

なんとかなるわよ。(家内談)

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もう寝ます

2018年07月29日 | 日記
強風と、大雨。
備えは万全でした。

市内の公共施設は閉鎖され、外出は控えてとアナウンスがありました。
危ないのは、午後から夕方にかけて。

お葬式は大丈夫かな。
雨の中、葬儀場へ向かいました。

ご遺族や会葬者の方々が、雨に濡れるのは忍びない。
本降りになりませんように・・・。

お葬式前の緊張感に、台風の不安が重なりました。

落ち着いて、落ち着いて。
自分に言い聞かせました。

人の命を送るのは、責任重大です。
すごく重たい。

自分の持てる力をすべて注いで、お経を読みます。
自分の命を削るみたいに・・・。

だから、お寺に帰りつくと、本堂でお経を一読(いちどく)した後、
いつも座敷の畳の上で横になります。

精魂尽きた感じです。

だから・・・今日は、もう寝ます。

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未来

2018年07月28日 | 日記
年に一度の花火大会。
町おこしの、目玉商品です。

夏休みに入り、人出も多く見込まれていました。
でも・・・台風が・・・。

夕方、中止のアナウンスがありました。
お客さんも来ていたのに、残念です。

近隣の三ヶ所の花火大会も中止となりました。
たこ焼き食べたかったな・・・。

今日は、檀家さんのお通夜がありました。
奥様がお亡くなりになり、年老いたご主人と娘さん二人が残されました。

遺族席の最前列に座られた、親子三人。

そこだけ、ぽっかりと穴が開いたような気がして、
言葉にできない感情を覚えました。

男女が結婚をして、子供を授かり、育て上げる。
その途中には、たくさんの苦労と喜びがあります。

苦労をしながら、たくさんの大切なものを得ていく。
そごく、うれしい。

でも、いつか、それが、失う毎日に変わっていく。
人がいなくなる、悲しみ、さみしさ。

そんな時、僕ならどうするだろう。
どう、生きていくのだろう。

どうやって、生きていけばいいの?

誰もが出会う、未来。
そんな未来が、僕の目の前にある。


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ごめん

2018年07月27日 | 日記
明日、帰省の予定だった、ゴンキチ。

「卒論の指導があるから、帰れなくなった。
 ごめん・・・」

電話の向こうから、ゴンキチの申し訳なさそうな声が聞こえてきました。

29日に、大切な用事がありました。
そのためには、ゴンキチの助けが必要でした。

でも、しかたがありません。

「心配しなくてもいいよ。お父さんは大丈夫だから」
落胆を胸の中にしまいこみ、私は明るい声を出しました。

やせ我慢、やせ我慢。
武士は食わねど、高楊枝。

親は、つらいなぁ。

ps

ところで、ナオキチはどうしてるの?

「彼は、テストだって」

追試かい!

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