僕の家内は招き猫が好き

個人的なエッセイ?

恐怖の大魔王

2018年04月30日 | 日記
あるお寺様の、お葬式のお手伝いに行きました。

お亡くなりになったのは、おばあちゃん。
長い闘病生活を、送られていたそうです。

お集まりになったお子様方も、さみしそう。
親を見送ることは、いくつになっても悲しいものです。

自分もいつか、親を見送ることになる。
ご焼香をされるお子様方の後姿が、自分の姿と重なりました。

お葬式を終えて、式場を出ようとしたとき、
葬儀社の若い社員の方の名札に、目がとまりました。

どこかで聞いたことのある、お名前です。
たしかナオキチが、同級生が葬儀社で働いているって、言っていたような。

「あなた・・・もしかして、ナオキチ知ってますか?」
恐るおそる訪ねてみました。

「はぁ?」
けげんそうな表情を浮かべています。

「いや・・・〇〇高校でナオキチと一緒だった、
 同級生の方かと思って」

「〇〇町の、ナオキチ君ですか?」

「そうです」

びっくりした、若者の顔。
ナオキチ、お寺出身だって、友だちに教えていなかったの?

「頑張ってね」

出棺間際の、慌ただしい中での出会いでしたが、
一所懸命に働く同級生の姿が、まぶしく見えました。

「ナオキチ。
 君も頑張らないと、おいていかれるよ」

ps
母ちゃんが、家の掃除をしている。
掃除機の音。洗い物。洗濯。

食卓テーブルの上も、きれいに片付いている。

「もしかして、ゴンキチが帰ってくるの?」

「・・・」

恐怖の大魔王の、お帰りです。

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プレゼント

2018年04月29日 | 日記
あるお寺様に、法要のお手伝いに行きました。
「春供養」という、法要です。

ゴールデン・ウィークに入り、道路は車であふれています。
休みに車が多いっていうのは、ここが田舎だから?

ちょっと、複雑。

バイク、自転車、車、走る人。
道路を、多種多様な人たちが、闊歩しています。

午前中、仕事に行っていた家内は、
僕をお寺で降ろした後、また職場へ・・・。

そして、夕方に再び迎えに来ました。

昨晩は、午前2時まで仕事をしていたのに、
ごめん、母ちゃん。

そんな家内と一緒に、帰り道に園芸店に寄りました。

「ブルー・ムーンがあるわよ。
 これほしい」

でも、これはつるバラです。

「あなたじゃ…無理かな?」

「失敬な!」
でも、それ・・・あたっている。

匂いのあるバラがほしい。
そうして見つけたのが、「オデッセイ」。

紅いバラで、中輪の花が咲くそうです。
匂いも、ちょっぴりあるし、これでいいかな。

少し早いけれど、
母の日の、プレゼント。

6時に、お経に行きます。
もうひと頑張り、しますか。


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「バンパイア」

2018年04月28日 | Music
夕食後、ジョギングをしました。
午後7時を過ぎても、空は明るい。

ついさっきまで、冬だと思っていたのに、
いつの間にか春になり、初夏の匂いが忍び足でやってくる。

もう田植えが始まる。
田舎ならではの、風景です。

藍色が深まる街角で、僕は足を止めた。

夜空が、明るい。

東の空に、くっきりとした輪郭の、
大きな月が浮かんでいました。

青い光が、夜空を包んでいます。
瞳に映る、月光。

僕の身体は、変身する。

うぉ~!

僕は、大きな声で叫んだ。
もちろん、心の中で・・・。

♪月の光 夜の風
 しのびよる 黒い影

 みるみる変わる その姿
 そうだ僕は バンパイア♪

子供のころビデオで見た、水谷豊さん主演ドラマ、
「バンパイア」のメロディを口ずさんでいました。

♪バンパイア バンパイア 悲しきさだめ♪

うぉ~!

唸り声をあげながら、僕は闇を切り裂き、疾走する。

ps
夢を語らないの・・・。(家内談)


◆ 参考文献 「バンパイア」水谷 豊 主演 You Tube

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紅いバラ

2018年04月27日 | 日記
月忌回向に、お伺いしました。
今日お伺いしたお宅は、車で迎えに来てくださいます。

お寺まで、送ってくださったときのことです。

「この紅いバラが、『星降る街』に書いてあった花?」
バラを眺めながら、檀家さんが言いました。

私は一瞬、何のことかわかりませんでした。
「紅いバラって・・・あっ、イングリッド・バーグマンのこと?」

その瞬間、なぜか嬉しいより、恥ずかしい気持ちになりました。

偉そうなことを書いて、実物はこの零度・・・。
そう思ったんだろうな・・・。

でもこれって、ちゃんと「星降る街」を読んでいいるからだよね。
ありがとうって、言わないと・・・。

車に乗り込む檀家さんの背中に、私はお礼を言いました。

花壇に咲いている、紅いバラ。

「檀家さんが、見てくれたよ。よかったね」

そよ風に揺れる花は、
照れくさそうに、顔を赤らめていました。



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学生服

2018年04月26日 | 日記
九州へ、月忌回向のお手伝いに行きました。
昨日までの寒さが消えて、春らしい温かさです。

「できれば、朝早く来てくれない?」
檀家さんのニーズの答えて、午前8時10分に到着。

お経が終わって、お茶をいただいていると、

「9時から、『老人大学』へ行くよ」
と話されました。

「老人大学?・・・市民大学じゃなくて?」

「そう、老人大学。今年の春に入学したんだ」

お話を聞けば、60才以上の方が対象で、
市内の二会場で、開催されているようです。

生徒数は、なんと1000人。
講座数は、15講座。

「僕は、英会話。

 でもね、生徒の中には、
 大学で英語を専攻していたとか、

 海外に赴任していたとか、
 そんな人ばかり。

 緊張するよ」

そう言いながら、笑顔がいっぱいです。
体育祭や、修学旅行もあるそうです。

「いいな、中年大学も作ってくれないかなぁ」
お茶をすすりながら、うらやましく思いました。

今の世の中、人の揚げ足取りや、悪口ばかり・・・。

こんな風に、子供の時のように、無心に何かを学びたい。
損得なんて、いらないよ。

「でぃす、いず、あ、ぺん」

学生服は、まだ似合う。




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