A Moveable Feast

移動祝祭日。写真とムービーのたのしみ。

渋谷銀座線

2007年07月23日 | イカすパノラマ天国
WIDEPAN PROII
8X10もいいけど、スイング・パノラマにも惹かれる。
130~140度をスイングするパノラマ写真は、街の中で撮ると、ふたつの街角と時間のずれまで写り込む。人物たちは、自分の未来を知らず、お互い別々のドラマを生きているし、地平線、スカイ・ライン、湧き起こる雲は、パノラマ写真でこそ最も美しい。
スデクの写真集「プラハ・パノラマ」を今年手に入れて、時々眺めている。100年以上前に作られたNO4.Panoram Kodak, Model Dに、10mmx30mmのフィルムで撮影しているのだけれど、この長大なタテヨコ比が独特だ。他のパノラマ・カメラに、こんなに横長になるものはなくて、スデクの写真を見ると見劣りしてしまう。1:3という比率に秘密があると思う。
チェコの写真家はパノラマ写真が好きなのか、クーデルカもパノラマを撮る写真家だ。こっちは造形的で、モダンな表現なり。

昨夜、8x10コンタクト・プリントを少々。

フォーエバー・モーツアルト

2007年07月22日 | その日その日
 昨夜、監督ケネス・ブラナーというのに引かれて、映画「魔笛」を観た。時代背景が第一次世界大戦のヨーロッパの塹壕線に脚色されている。もともとの「魔笛」も、しょうもないシナリオとすばらしい音楽の組み合わせだけど、これは、なくもがなの演出かも。
 映画になると、舞台と違って歌い手の素の肉体が出過ぎてしまう。オペラ歌手は、真面目で、教養がありすぎるので、タミーノ、パミーナも真面目で普通っぽい。映画だと、もっとはじけた兄ちゃん、姉ちゃんで見たい気がする。夜の女王のアリアだって、盛大にCGを使って、ハデハデしいSMの女王様のコスプレでやればよかった。
 一番モーツアルト的な登場人物は、パパゲーノ、パパゲーナだと思う。「モーツアルトに端役なし」というけど、すべてが音楽的な構成要素として扱われるからだろう。しょうもないシナリオが軽やかなモーツアルトに合っているのであって、文学的なドラマなど、じゃまなだけ。
 映画館だと終わっても、拍手がなくて、ぷつんと終わるだけなので、なんとなく盛り上がらない。モーツアルトを聴くのはいつもよろこびだけど、やはり舞台で観たい作品ということになる。

 8x10コンタクト・プリント少々。