A Moveable Feast

移動祝祭日。写真とムービーのたのしみ。

現像再開

2008年09月29日 | 8×10を始めよう
柳沢保正さんが写真展に遊びに来てくれた時、古い木製8x10カメラとメトロゴンを持参していて、小生とsatoboさんの記念写真を撮って下さった。
その結果を今日メールで送って下さった。
その日、シャッターの調子が悪かったのだが、音でかなり低速に切れていたと判断して、減感現像されたそうだ。
さすが、ちゃんと適正露出の範囲に写っている。
今月号の写真工業の連載で、柳沢さんは、ハイペルゴンと風船シャッターの修理に悪戦苦闘している。
興味のある方はご一読を。大判の雑誌連載記事って、この柳沢さんの連載しかないので貴重なのだ。

3日目、写真展に来て下さった加納満さんが、「カメラ・マガジン」で、ライカで撮ったモノクロ写真の連載をしている。今季号では、巻頭と巻末に、イタリアのミラノで撮った写真が掲載されている。尾道、ハワイ、ミラノと毎号巻頭にモノクロ写真と文章が載っているので、興味のある方は、バックナンバーのチェックを。

今、水温はウチの水道水で22度。現像作業をしやすい季節になった。
本日、8x10の現像をJOBO3005で1バレルやった。ポートレートなので、結果は掲載できない。
8x10ポートレートは難しいナ。

月見のおわら

2008年09月28日 | 越中八尾 おわら風の盆
9月27日(土)、28日(日)は、越中八尾で「月見のおわら」。
また28日は、土佐の山北村で安岡家住宅の一般公開日。http://www.geocities.jp/tel6988/yasuoka_ke_zyuutaku.htm
どちらも行きたかったのだが、残念ながら、仕事で行けず。

夜、黒沢清監督の映画「トウキョウ・ソナタ」を見る。
黒沢清の映画は、フィルム映画としてのたのしみを十二分に感じ取ることのできる数少ない映画で、公開される度に、映画館で観ている。
東京の町の風景の切り取り方がすごくいい。前半、失業者に食事を配給する広場が度々出て来るが、ここが以前11X14”で撮ったことのある港南運河のあたりのポイントなのに気が付いた。運河があって、モノレールや新幹線のぞみが、高架の上を交差するように走る所である。
主人公の家族が住む家は線路沿いの住宅なのだが、家族は、そこへ、ふたつの交差する坂道を上って、帰って来る。
一本の坂道をふたりで上ることはなくて、かならずひとりずつだ。この地形もなかなかシビレル。
黒沢清はロケーションの取り方がすごくうまい。美しい光の拾い方、背景のボケもこの人ならではで、いつも感心する。

新宿区 中野

2008年09月27日 | その日その日
オッサンの友人が遅い夏休みで屋久島へ行くという。彼は競馬が生き甲斐で、国内のほとんどのレースで馬券を買う人である。
「屋久島で夕焼けとか写真に撮りたいんだけど、キャノンのキッスとかいうのどうですかねえ」
「キッスなんかだめですよ。キャノンだとイオス50D、ニコンだとD90ぐらいじゃないと」
「でも高いし」
「競馬でいつも1日でそれくらい負けたりしてるじゃないですか」
「馬券ならいいけど、カメラじゃいやだ」
「ヒゲを生やしたオッサンが、キッスとかってカメラじゃ恥ずかしいでしょ」
「カメラにズームレンズが付いているよね。そのF値って何よ」
「F値というのは、ムニャムニャで、ゴニョゴニョ・・・ということ」
「つまり透明度が高くなるということか」
「透明度???どこから透明度が出て来るわけですか」
「ニコンのレンズだと、透明度が高いの?」
「そういうことじゃなくて・・・」





新宿区原町5

2008年09月26日 | その日その日
あの時、きみは雅歌を読んでくれたろ

乙女よ、そなたの足の美しさよ
そのへそは酒満つる丸い杯
その乳房はブドウの房
その腹は百合が囲む小麦の山
その吐息はりんごのように甘く香る

Once Upon A Time In America

新宿区原町4

2008年09月25日 | その日その日
渋谷のルデコに「Vivitar展」を見に行く。Vivitarの周辺光量の落ち込みを効果的に使い、粒子がきれいに立っているモノクロ・プリントがあった。
漂流者さんが会場にいらっしゃった。聞くと、昨夜、渋谷で写真を撮っているWith Zakkaのyasさんに会って話をしたとのこと。
すると昨日7時頃、写真展の撤収が終わった後、それからyasさんはストリート・スナップに出かけたわけであろうか。女性は元気だにゃあ。

写真展「方々」7日目終了

2008年09月24日 | 8×10を始めよう
9月23日秋分の日
写真展「方々」最終日。午後より会場へ出かけたが、来訪者ほとんどなく、今までで一番ヒマであった。
あまりにヒマなので、大久保通りの向こうの原町に、35mmフィルムカメラを持って写真を撮りに行った。市ヶ谷側はビルだらけになっているが、原町の側はまだ古い住宅と路地が残っている。
大久保通りは、新宿方面から尾根筋を走って来て、市ヶ谷柳町で谷底となり、神楽坂へ向かってまた上がって行く。この界隈に住んだのは、30年も前だが、当時からすでに、こういう尾根や谷の高低差のある地形が好きだったのかと、ちょっと驚く。「雀百まで踊り忘れず」
大久保通りの両側に小さなお寺がたくさんあるのは、江戸の街道筋の法則性が強く現れている。お彼岸なので、路地と坂が線香の匂いで満ちていた。近くのお寺の境内で「グランド・ゼロ」という写真展をやっていた。こっちはNYではなく、広島の写真。
5時過ぎより撤収を始めたところに、d4studioさん来訪。話に来たのに、フレーム、写真などの混紡、撤収を手伝ってもらうことになり、申し訳なし。7時前には撤収完了。

ご来場いただいたみなさん、ありがとうございました。

ガイさんの、おわらWatcherぶりが他の追随を許さず、おわらーのGIさんの話が、感動的でいい文章なり。
http://blog.goo.ne.jp/guy-f/

彼岸過ぎまで2

2008年09月23日 | 8×10を始めよう
8X10で東京の町を撮り歩くというのは、本当に馬鹿みたいな、冗談みたいな、ドン・キホーテみたいなことなのだけど、やっぱりおもしろい。
会期中に仲間とよく話したのは、誰かやっていてそうで、実はだれもやっていない。そしてデジタルとは、全然別ものだということだ。
「江戸名所図会」は、神田の草創名主の斎藤家が3代に渡って編集した絵図と地誌なのだが、その動機というのが、名主という実務家の一個人が、ひとえに江戸の繁盛の姿を残したいと思い詰めたことから始まっていて、それが養子3代まで受け継がれ、膨大な江戸の姿を残すことになった。
そのちょっと馬鹿げた情熱と、個人というものが不分明な反近代的なところが好きだ。自分の撮っている8x10も、その遠い、下流にある行為のような気がしている。