A Moveable Feast

移動祝祭日。写真とムービーのたのしみ。

写真展「TOKYO 8×10」

2007年07月31日 | 8×10を始めよう
PUNCTUMでは、8月27日(月)より、東京8x10組合連合会写真展「TOKYO 8x10」を開催いたします。
8x10(エイト・バイ・テン)カメラは、約20x25センチのフィルムを用いる大きなカメラです。
「東京8x10組合連合会」は、多くに見られる「カメラ愛好者」の集まりではなく、「撮影」をメインに活動している個人の集合体です。
このハンドリングの良くないカメラを使って、東京という街をそれぞれの確固としたまなざしで写しとることを活動のメインとして発足されました。
最初で最後の「東京8x10組合連合会」の写真展をどうかご高覧のほどよろしくお願い申し上げます。

 http://www.punctum.jp/tokyo8x10.html

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 「東京8x10組合連合会」の写真展開催まで、あとひと月を切り、その告知が、田中チョートクさんのメッセージを掲げて、ギャラリーPUNCTUMのホームページに正式に掲示された。各メンバーの写真、文章も添えられてある。チョートクさんのNYの8x10作品も展示していただけるようである。いよいよ尻に火が付いて来た。

 田中チョートクさんが、7月31日の「チョートクカメラ日記」で、バイテン連合の活動に触れ、8x10写真論を展開している。これが実に興味深く、必見だ。その指摘は鋭く、ちょっとばかし苦い。「写真家の視神経の質とは無関係にカメラが獲得した視点は写真の魅力にあふれている」という讃辞(?)を注意深く咀嚼してみる必要がある。写真展に寄せたメッセージよりも、こちらの辛めの8x10論の方が、われわれ実作者への真率なはなむけであろう。
 十数年来の密かな観察によれば、チョートクさんは、非常に多面的な人物だ。クラッシック・カメラの伝道者としての広い交遊と、写真そのものに対する鋭い視線との両方を持ち合わせていて、そのふたつを決して混同しない。きびしく峻別する目は、時々ひやりとさせられるほどのものである。
 今回、バイテン連合の活動が刺激となって、ちょっぴり本気の、辛めの論をチョートクさんから引き出せたとしたら、これも、われわれの成果のひとつではなかろうか。蟻養を感じて、8x10東京写真の撮影に乗り出すという地点まで、引き出せなかったのが、うらみとするところである。
 ライカでも、8x10でも、何か特権的な視線が備わっているかのごとく考えるのは、はなから錯覚である。そんなものは、自己愛の鏡に投じられた視線にしか過ぎない。打ち壊して、前に進むべきである。

 駒村商会がローライ・ブランドのモノクロ・フィルムを扱うようになって、11x14"シート・フィルムもここで手に入るようだ。http://www.rollei.jp/pd/Film.html


宮本常一生誕100年

2007年07月30日 | 流離譚(土佐山北郷士列伝)
 本屋を覗くと、別冊太陽の特集で、「宮本常一 『忘れられた日本人』を訪ねて」というが本が出ていた。8月1日が生誕100周年のためらしい。
 宮本の残した写真は、ネガのまま10万枚あるといわれていて、誌面にも、たくさん興味深い写真が掲載されている。日本中を旅して撮った写真だが、もはやその風景と生活は失われているので、ますますその記録的な価値は高まっている。民俗学者としてのテキストを補完するための写真が一義的であったはずだが、そこに留まらず、見ること、記録することに憑かれているようなところがある。自分の母親を周防大島の自宅近くの野原で火葬し、その骨上げしているところを上から俯瞰して撮った写真まであって、これは尋常なことではない。
 宮本の残した膨大な仕事の全容は未だ以て掴みがたいのだが、その残った仕事よりも宮本という人間の存在の方がより大きいという事情がある。宮本を神格化して、変に賞揚するよりも、その視線の先を見ることの方が重要だし、そこにしか意義はない。
 「民俗学も、もう古老の聞き書きを中心にして資料採取をする時代はなかば過ぎ去ったのではないか」と宮本が描いたのが1965年である。今やそういう時代は完全に過ぎ去った。別の方法を持った「旅する巨人」、「記録する魂」が必要な所以である。

 小田実氏、死去。

11X14"を始めよう

2007年07月27日 | 8×10を始めよう
11X14"のフィルム・ホルダーを探していたのだけれど、某所にストックが見つかり、2枚オーダーした。
11X14"のモノクロ・ネガ・フィルムも、ネットで、Ilfordのやつを注文してみた。
数日うちには、11X14"アダプターも手に入る予定で、案外早く試し撮りができるかもしれない。
レンズは、ニッコールW360mm/F6.5が、11X14”のイメージ・サークル(440mm)をカバーしているようだ。35mmくらいの画角になるか?
ここのところ曇天しか撮れていない。来週からは、青空と積乱雲が現れるだろうか。夏空になれば、8x10”、11x14” 日和である。

SUDEK番外編4

2007年07月26日 | イカすパノラマ天国
 デジカメの手持ちでパチリと撮ったスデクの写真。写真集「プラハ・パノラマ」の中には、好きな写真がいっぱいある。わたしの持っている中古の写真集は、前の持ち主が、繰り返しページをめくった痕跡があって、今にも崩壊しそうなほどボロボロだ。。
 35mmやブローニー版だと、同じ140度パノラマでも、タテヨコ比が1:2.5くらいなのと、レンズが広角なのもあって、圧縮された感じがする。スデクの1:3比率だと、こっちが首を振って眺めているような自然な感じだ。
 デジカメも同じようなものばかり作らないで、アオリができるデジカメとか、球面CCDのスイング・レンズ型パノラマ・カメラとかを作ってもらいたい。そういうものが出て来なければ、フィルム・カメラを越えたとは云いがたい。
 シーソー・ボタンで素早くアオリをしつつ撮影できたりするカメラがあったら、きっとドキドキ胸がときめくと思う。