土曜日に松尾大社の方が先日の神幸祭のお手伝いのお礼に来られた。その際にこちらからは改めて来月5月15日の還幸祭が葵祭と重なったため、お手伝いできない旨、お詫びをすると、「来年はよろしくお願いします。賀茂神社と松尾大社は古くから関係も深いんですよ」と・・・
その時は、深く聞く事もなく分かれたのだけれど、「関係が深い」というのが気になって少し調べると、やはり深い関係にあった。
物語は神話の世界にある。松尾大社の祭神の一人?に大山咋神という山を取り仕切る神がいる。一方、下鴨神社の祭神の一人?に玉依媛命という方がいる。もちろん名前から想像できるように、大山咋神は男性で玉依媛命は女性だ。
ある時、玉依媛命が鴨川で禊をしている時に、上流から丹漆の矢が流れてきた。これを拾って床においたところ、その矢が美しい男子になり、結婚して、男の子を産んだと言う。
その生まれた男の子が上賀茂神社の賀茂別雷大神である。で、上流から流れてきて美しい男に変身した矢は大山咋神ということになる。
これは神話であるが、実際はどういうことかと推察すると・・・
当時、京都には土着の賀茂氏が鴨川周辺を中心に勢力を持っていたが、そこへ大陸からやってきた秦氏が松尾・太秦辺りに入り込み、勢力を拡大してきた。当然、二大勢力は覇権争いを始める。が、そこはうまい具合にお互いに融合し合う事によって均衡を維持するようになった。
これが神話として残っている話の実際ということになる。その後に平安京が誕生し、共に朝廷の後ろ盾をもらって繁栄していったということだ。
実は今年気がついたのだが、松尾大社のあちこちに双葉葵の印がついていたのだ。双葉葵というと葵祭の印だし、どういうことかなあと思っていたのだが、何となく納得できた。
京都で長く生きているのに知らないことが山とある・・・