空華 ー 日はまた昇る

小説の創作が好きである。私のブログFC2[永遠平和とアートを夢見る」と「猫のさまよう宝塔の道」もよろしく。

青春の挑戦 2 【小説】

2021-04-17 13:10:43 | 芸術

2

松尾がそこまで言った時、工場長はち ょっと厳しい表情になって話始めた。
「松尾君と いったな。 確かに君の言うとおりだ。 核戦争を避けることは、人類史的な大問題だ。だがね、 わが社は営利会社なんだ。政治のことに口だしする立場にはないんだよ。会社の利益につながらないことで、会社は行動することはできな い仕組みになっているのだ。君が ビデオで平和を訴えることにより、何か良いイメー ジが会社につながるのなら良いんだがねえ。これは、中々むずかしい問題だなあ。
確かに、わが社と平和が結びつくことは会社の宣伝効果としては良いだろう。しかし、世の中は複雑で色々な考えの人がこの平和については、色々な角度から意見を言っているんだ。 わが社が積極的に平和をとりあげることにより、それかプラス になるかマイナスになるかは簡単には即断できない。君はただ、わが社の応接室を借りたいだけだ と思 っているかもしれないけど、工場長としては、そんな単純にことを進めるわけにはいかないのさ。会社の部屋を 貸し、従業員に見せるとすると、 そのことが会社にとってプラスになるのかマイナスになるのか、 大きな視野から考察する必要があるのさ。今の私も即答できない。ただ君の熱意には脱帽するよ。 ところで君に聞きたいのだけれど、最近、わか社で会社の営利活動の足を ひっばるような組合運動が一部におきていると いう風 に聞いているのだが、君はそういう人達と、 つきあっているのかね?」

松尾優紀は工場長の誠実な話の仕方に感動していた。
「名前を具体的に言っていただかないと返事のしようがないのですけど。でも、工場長はおそらく熊野さんのことを言っておられるのでしよ うから、そのことについて僕も言っておきたいことが あります。熊野さんとは親しくしておりますが、僕は彼を大変尊敬しております。ですから、彼が会社の営利活動を妨害しているなどという悪口を耳にはさみますと、僕は腹が立つのです。彼は、会社で働く人のためになると思っていつも行動しているはずです。彼は、自分のことよりもまずみんなのことを考えます。困った人がいると助けようとします。現代社会では、自分のことしか考えない人間 かふえているのに彼は、そういう意味でまれな人間です。」
「そうか、わかった。君の気持はよくわかった。しかし、君は実におもしろい人間だね。核戦争なんていう問題を会社の仕事を扱うように持ってくるんだから。僕は、最初君の話を聞いた時、少々めんくらったね。 でも君の勇気には感心した。熊野君のことも考えてみよう。まあ、じや、僕も忙しい身だから今日はこの辺で。返事は課長を通じて君に伝えるから、 いいね、」

その翌日、松尾優紀は課長からビデオ試写の許可を 言い渡された。彼は、この黒木という名前の課長をすいていなかっ た。黒木は皮肉な笑いを浮かべ松尾に言 った。
「君は、随分常識はずれのことをやる男だね。工場長に直接かけあうなんて。そういった問題は、まず私に言うのが筋じゃないのかね。それに内容も内容だ。原爆と平和のテーマのビデオだって。私には工場長が何で許可したのかわからんよ。会社とは、まるで関係ないことじゃないか。そんなことは、君が私的な立場でやればいいことだ。まあ、ともかく工場長が許可したのだから勝手にやりたまえ」
松尾は、黒木課長に注意めいたことを言われても、 そんなに腹も立たず、許可を受けたことを素直に喜んだのだった。
その当日、多くの従業員が見ただけでなく、工場長まで来て、試写か終わったあと、わざわざ松尾の所へ来て感想を述べていったのだった。感想は、ほめ言葉と技術的なことについてのアドバイスであった。そして、工場より本社の宣伝部の方がむいて いるのではないかというよう な ことも言われた。その頃、2003年。ネットが盛んになり、熊野はアメリカでユーチューブのような動画配信サービスが近い内に起きる可能性は高いし、それが日本に入ってきたら、個人が作る映像詩の発表の場が生まれると指摘した。そうなれば、気象温暖化の問題や核兵器廃棄の提案のような映像詩も掲載できる日がくるから、そうなればそうした映像が世界に飛び立つこともできるかもしれないとも言った。


その日は日曜日だった。熱中症など、いのちにかかわる暑さが警告される酷暑の到来が予告されていた日だった。
松尾が朝食をとるために近くの喫茶店に行こうと思って下宿で着替えをしている時、工場長から電話が入った。内容は工場長の自宅に遊びに来ないかというものだった。工場長から、直接、自宅に電話がかかるなどどいうことは前代未聞のことだったので、松尾はびっくりした。
松尾は電話をおいてから工場長の真意をはかりかねていた。遊びに来ないかという単なる誘い以外のことは何も言われなかったので、松尾はそれを単なる好意と受け取るほかなかった。彼は工場長室で、話をした光景を思い浮かべ、よほど馬があう仲なのかもしれないという風に考えるのだった。松尾は近くの喫茶店で、朝食をすましてから、出かけることにした。

陽ざしが強く、彼は豪雨を思い出し、再び、地球温暖化という言葉を思い出さざるを得なかった。

工場長の家 は、松尾のいる尾野絵市から電車ですぐの所にあった。町の郊外から少し入った閑静な住宅地にあった。庭が広くスぺイン風の二階だての家でちょっと目立った存在だった。白ぬりの壁と工夫をこらした窓は、 芸術的ですらあった。庭には、バラが咲きみたれていた。松尾が玄関のベル を押すと大学生風の娘が出てきた。あとで聞くと短大一年生ということであった。美人ではないが非常に魅力的な女性であると松尾は思った。
小柄で色の白い細面の顔に宝石のようなやさ しい瞳が輝いていた。松尾は頭の中で島村アリサと比較した。理知的な瞳の輝く丸顔のアリサが明朗で活動的な魅力を持っていたとすれば、船岡理恵子という工場長の娘は静寂な雰囲気を持っていた。アリサは誰の目にも美人と映るタイプであったが、 理恵子は美人型の顔立ちというわけではなく清楚な美しさが顔から服装まで漂ってい て人をひきつけるのだった。そしてアリサは短かい髪を好んだが、 この日、松尾の見た理恵子は腰にまで届きそうな長い髪をしていた。

松尾は、理恵子に案内され応接室のソファーにすわっ た。しばらくして工場長と奥さんが出てきて挨拶した。 そして理恵子がコーヒーとケーキを持ってきた時、彼女の後ろにほっそりした小柄な中学生ぐらいに見える男の子がついてきた。 工場長の家族 は、 この四人で あることは工場長自身が松尾に家族のこと を色々と詳しく紹介してくれたことでわかった。利口そうな目をした末の中学二年生の男の子は、 町の郊外の里山から植物や昆虫を集めるのが趣味で、学校は好きでないようだった。奥さんは、娘と同じようにほっそりし ていておちついた気品のある瞳 と威厳のある唇を持っていたが、やはり四十を少々過ぎた年を感じさせる顔の皮膚には、 しわが時々目につくのだった 。

「いや、本当によく来てくれた。実を言うとね、僕は君のビデオに感動して しまったのだよ。よく、あのような立派な作品をつくってくれたと思ってね。原爆と平和の問題、 これこそ現代人にとって最も緊急に 解決しなけれはならぬことだよ。そのテーマに君が映像という表現形式を使って取り 組んでくれた。すばらしいことだ。僕はね、 松尾君。終戦の時広島にいたんだよ。僕は、その時、五才でね。ちょっ と事情があって広島の親戚の家にあずけられていて東京から離れていたんだ。親戚の家は、広島の郊外にあったので原爆による直接の被害は受けなかったけと、 死の灰は少々か ぶったと思うね。 そんな ことより、原爆が 落ちてから三ケ月ほどたって叔父に連れられて広島の町を歩いた時の衝撃は生涯忘れることはできぬ。君か原爆資料館で見たものを、僕は広島の町の中に見たんだ。こうした恐ろしい事実を世の人に伝えたいという気持はあっても、僕のように大会社で忙しい身になってしまうと、中々 思うように動きがとれない。本当に君のような青年を見ると実にたのもしく思うし、それに君の作品は、見る人に訴える力もある。才能もあると思う。がんばってくれたまえ。ところでテープを持ってきてくれたかね。家内や子供達も見たがってね」
松尾は持 ってきた黒い鞄の中からビデオテープを取り出した。奥さんが、微笑を浮かべながら言った。
「それは、 しばらく貸していただけますの?」
松尾が肯定の返事をすると奥さんは、再び言った。
「それなら、あとでゆっくり見せていただきますわ。 主人はもう見たのでしようから。 あたしと子供達、それに場合によっては近所の人達も呼んで見るかもしれませんわ。映像の魅力があるというのですから、 単に反戦というだけでなく、私達の胸に感動すら与えてくれるか もしれませんわ。私達が、のんきに毎日をくらしている間に戦争の準備がどんどん進んでいってしまわぬためにも、私達の反戦の決意を高揚させていく必要がありま すものね。そのためにも、そうした映像は一見の価値があると思いますわ」
松尾は、工場長から思いの外の称賛の言葉を聞いたり、 奥さんの高い期待にふれたりして、ちょっと困惑していた。将来的には反戦の芸術作品をつくることが目標ではあるが、今回の作品の出来についても彼自身は決して満足しているわけではなかったからだ。反戦の色合いは相当出てはいるが映像の魅力ということになると、まだ改善すべき余地がたくさん残されていると彼は考えていた。それでも急いで公表に踏み切ったのは 、未完成であってもともかく核兵器廃止運動は緊急を要すると考えているからに他な らなかっ た。
それに昼間の職務をやったあとの編集なので完成品をめざしているとまた 相当の日数を必要と すると思われたからだ。
「やあ、奥さん、そんなに期待をかけられるとがっかり致しますよ。私のせい一杯つくった作品ではありますが、まだ色々と不満足な点か 目立つんですよ。でも核兵器の恐ろしさと反戦の気持は充分でていると思いますが。映像の魅力ということになると自信はありませ んね。 でも映像が、 こうした問題に深人りする必要があると思っているんです。 月や花がどんなに美しくたって、そのすばらしい神秘性を感じる 人間が減びてしまうことを考えたら、 やりきれませんからね。
この宇宙にある 、あり とあらゆる美しさを芸術作品を通して表現していくことも大切です が、 一方で 、そうした美しさを無意味にしてしまうような悪魔の力を警戒しなけれはなりません。この悪魔を映像の中に登場させ悪魔の力を弱めるためにはどうしたら良いか、考えてもらう材料を提供するのも映像の重要な役割だと思いますね」

松尾がそこまで言うと今まで黙っていた理恵子は、母親に似た微笑を浮かべて、 な めらか な明るい声で言うのだった。「松尾さんのおっしやること、ごもっともですわ。芸術至上主義では、現代人を満足させること はできませんわ。でも、満足しないくせに芸術も政治も捨ててクリスタルに生ぎるなんてい う のか流行して いるのですから、とても残念ですわ。ク リスタルって水晶のことでしよう。天使も悪魔も知ろうとせずに 人生の一番透明な所だけ通過して、事足れりとする流行は我慢がなりませんわ。あたしは松尾さんのおっしゃる通り悪魔が人間を支配しようと、やっきに なって いると思いますの。そんな 時、クリスタルに生きるなんて許せませんわ。松尾さんは悪魔を信じますの?」
「そういうものが現実にいるとは思いませんね。しかし、人間の心の中に悪魔と いって形容して 良いほどの野獣 性や逆に天使のような美しい心が同居していますからね。そうした一人一人の野獣性が社会という集団になった時、悪魔が現実にいて人類を支配して いるかのように見えることはあ りますね」
「それはちがいますね。悪魔はいるんですわ。歴史は進歩しているはずなのに、ありとあらゆる災難が人類を待ちかまえているのを考えてみて下さい。膨大な核兵器はそのシンボルですわ。
気象温暖化もそうですし、今は2003年ですけど、おそらく二十年以内に大地震や何かとてつもない怖い病気がはやるということもありえますわ」
松尾は理恵子の言葉が強い調子で断定的に言うように変化したのでびっくりした。理恵子の母親が横から口を出した。
「すみませんね。松尾さん。この子 は、ちょっと激しやすい性格で してね。会話の最中によ く興奮してこんな強い調子になるんですよ。」
工場長は笑った。
「理恵子はね。 真剣に徹底的にものを考えるんですよ。親の口から 言うの もなん だか私がび っくりするほと本も読んでいますね。 でも思想的にはノンポリで、ちょっとキリスト教に興味を持っているということかな。最近は 、悪魔にこってい る よ うだね。、妖精だの天使だのって、ちょっと 中世か古代の人 のよ うなことを言 うんで 私も戸惑いますよ」


工場長は、 うれしそうに徴笑 していた。


「松尾さん、私の会話の調子が母の言うよ うにまずいものでしたら、ごめ んなさいね。私の性格の欠点は、自分でもわかっているのですけど感情の起伏が激し い ことね。外見は、おと なしそうに見えて言うこ とはきつ い って時 々言われますのよ。これは努力してなおすように しますわ 。それはそれとして今の私は、神様や悪魔や天使や妖精を信じていますの」
「僕は、この世界にいのち以外のもの はないと思っている んです。ただ理恵子さん の おっしや る よ うにいのちが悪魔や天使の形となって僕達を動かすということはあるかもしれませんね」
「それ、 どういう意味かしら?私にはあなたのおっしやる意味が理解できないわ。 もう少し詳しく説明してくたさいませんか。」
理恵子は用心しながら言葉を連んでいるようで、 ゆっ くりした調子であったし口もとには徴笑をたたえていた。 工場長が松尾の方をむいて言った。
「厳しい質問だが、僕も聞きたいね。僕は物質が世界を支配しているのだと思うよ。 その物質の法則をあきらかにする科学こそ現代において最も信頼すべきものだと 思うがね。 でも宗教を否定する気持はないんだ。 ただ科学と宗教とが心の中でつながらないんだね。 君のさきほどの発言だと悪魔や天使が科学の対象になるように聞こえるんだが、 そこの所を説明してほしいね」
「僕は、 花も石も人間もいのちの現われだと思うんです。つまり、僕は石ころを人間のように見る見方が好きなんてす。石ころは生きているんです。 こうした感じは、僕の子供の頃からありました。 そりや、 石ころを生きているなんて言ったら生物学者にしかられるかもしれません。君は生きているという言葉の意味を厳密につかんでいないねとかいう風にね。
僕も工場長と同しように科学を信じます。 ですから生きているということで人間と石ころを同列にならべれば、 非科学的だと言われる くらい承知しております。そういうことを知っていながら、 あえて石ころは生きて いるという風に言いたいんです。 な ぜなら、そんな風に子供の時代から僕は感じていたんです。 人間だけが生きて いるんではないんだ。山も川も花も昆虫も生きているんだというのは、僕の実感なんで すね。 ですから、 森の 中に妖精がいるなんていう考えは、 僕は好きなんですね。山の中にはいって、風と樹林がすれあう時、 ざわざわ音をたて ますね。 あの音はまるで妖精が合唱しているみたいですよ。 風と樹林の会話は音という生き物となって森の中を動きまわるんです。これを妖精と呼んだってい いじゃありませんか。さきほどの悪魔だって同じことです。 人間の心の中にある汚いものを 、 心理学という科学の力を借りて欲望 だのエゴだのと分析しなくたって、 これを悪魔と言ったっていいじゃないか と思うんです かね」
理恵子は笑った。その笑いは本当におもし ろくてしようがないという風に陽気に部屋の空気を震動させるのだった。

「あなたは、結局、アニミズムの信奉者なのよ。そして、あたしは観念論者というと ころかもね。 パパと ママはその中間ね。
道夫君はどうかしらね。神様を信じているという所かしら。」
船岡道雄はさきほどから松尾達の会話をおとなしく黙って聞いていた、ひどく行儀がよく無言でみんなの会話を聞いている様子は幼児のようにあどけなかった。
身体も中学二年生の平均的体格から見るとひどく見劣りがして、片足がよくきかないらしく歩く時はどうしても身体が傾くのだった。

それで、クラスでいじめられることあるらしく、それも母親の悩みの種だが、本人の心は意外に強く、植物や昆虫を集めて標本にしていると、全てを忘れるようだった。
その道雄が理恵子の呼びかけにびっくりしたような顔をして、実に美しい声で言ったのだった。
「僕、神様、信じているよ。松尾さんのお話なんだか、よく分からない。でも、神様がいらしゃることは、間違いないことだと思います」
工場長が笑って道雄の肩を軽くたたいた。
「道雄はどこから、そんな確信を得たのかね。私は無信仰だし、お母さんはどちらかというと、仏教の方だから、やっぱり姉さんの影響かね」
奥さんが口をはさんだ。
「理恵子はキリスト教を信じてないくせに弟には神様やキリストのことを教えて時々、聖書まで読んで解説したりするんですよ」
工場長は笑った。
「ミッションスクールだから聖書の勉強もしなくちゃならんだろうからね」
「そうよ。でも聖書を読んで礼拝に行ってもキリスト教の神様は、よく分からないわ。すなおに信じられる人は幸福よ。どちらかというと、私の家は仏教的色彩が強いのよ。
そうした雰囲気の中で育ちながら、短大に入ってから急にキリスト教にふれても、よく分からないのが正直な所よ。
同じ神様でも古代ギリシャや古代日本の神話に出てくる神様なら、なんとなく親しみやすく、わかるしそんな風な素朴な神様なら、むしろ素直に信じちゃうんだけど。
というよりは信じているのよ。
悪魔や天使や妖精と一緒にそうしたアニミズムの世界に生きる神様なんて面白いわ。
でも、あたしが一番関心あるのは悪魔なの。
あたしの心にも悪魔はやってくるし、人間の歴史を動かそうとたくらんでいるのも悪魔であるような気がするの。核兵器をつくるように、背後から人間をあやつったのも悪魔だと思いますわ。もしかしたら気象温暖化もね。
今は核兵器が強国にあるのが当たり前になっていますよね。悪魔の悪知恵はたいしたものですよ。多くの人はその状態にまひして、何も言わなくなっている。核兵器反対なんて普通の市民が言うと、単細胞の連中が騒ぐのも、背後に何がいるか想像つくじゃありませんか」
理恵子の母が手を口にあてて笑った。
「理恵ちゃんの考えと、さきほど松尾さんのおっしゃた考えとまるで、そっくりじゃありませんの。きっと気が合うかもしれませんわよ」
「あら、どこが似ているのかしら。アニミズム世界観ね。でも、あたしと松尾さんは同じ妖精を見る場合でも随分違うわ。松尾さんは妖精はいのちだっていうし、あたしは悪魔とはまるで違う心の綺麗な世界の住人だと、答えるし」
そこに妖精とでも形容して良い丸い顔をした黄色い美しい顔の猫が来て、理恵子のそばに座った。
彼女は猫を抱っこして座り、「この子はあたしの妖精よ。でも、石のことまで、考えたことはないわ。三毛っていうの。可愛らしくまるで私の気持ちが分かるように、私の心を慰めてくれるし、とても綺麗な猫でしょ。これこそ、あたしの妖精のシンボルだわ」



(久里山不識より)
1 胃の調子は 一時随分悪く心配しましたけれど、歩くことに熱中して少し改善されてきましたが、油断するとまたあの不快で重苦しい状態が復活すると思うと、憂鬱です。
敵は 運動不足と一合以上の酒、それからストレスや不眠です。

2 それから、ブログの内容は 小説です。ですから、登場人物になりきって、その登場人物
なら、どんな風に考えるか、どんな風に言うか想像して書きます。シェクスピアとハムレットが別人物であるように、私と私の小説の登場人物とは別人物です。
書く方の私の気持は子孫のためにも、今の内に気象温暖化の解決や核兵器の廃棄をめざしたいという思いから、書いています。そんなことは不可能だなんて言われそうですけど、一人一人のそういう思いが世界中に、特に若者に広がれば、前へ進めるという希望を持っています。
現代社会は複雑です。はっきりしていることは格差社会であるということです。
これは是正して、市民が余裕のある生活を営めるように、することが大切なのではないでしょうか。余裕がないと、大切な本も読めません。考える時間も持てません。それでは、政治を見る力も衰えてしまいます。今の日本は全体として見た時、この余裕に欠けていると思います。だから、くだらない噂を広める人が出て、簡単にその噂を信じてしまう人が多くなるのです。
競争が激しいからでしょう。これを直すには、福祉を充実させることだと思います。
労働時間をできるだけ、縮小させ、生活できる給料が支給されることだと思います
私は今、少し改善されたとはいえ、全体として体調が悪く、無理は出来ませんが、時間はあります。その時 思うのはやはり核兵器の恐怖です。コロナは多くの医療従事者の献身的な努力によって、いずれ時間が解決の方向に向かうと思いますが、核兵器は昨年の夏でしたか、国連の事務次長が危険な状態に進んでいると警告しているように、危ないと思ったときにはもう遅いのです。今から軍縮に取り組むしかないと思います。それは気象温暖化にも言えると思います。

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