空華 ー 日はまた昇る

小説の創作が好きである。私のブログFC2[永遠平和とアートを夢見る」と「猫のさまよう宝塔の道」もよろしく。

いのち

2020-12-04 14:32:43 | 
白い花の咲く頃(昭和25年)鮫島有美子 Cover


いのち 【poem】
       1
人間の身体にある免疫細胞の働きを知るということは
いのちの神秘を知ることになる
マクロファージがどん欲に菌を食べてくれる
身体を守るために、多くの善の細胞が非自己を区別し
悪い菌を退治するために、働いている
がん細胞なんてものもしょっちゅう出来ても、
免疫細胞が働く
我々人間の命令がなくとも、ちゃんと働いてくれる
もっとも意志が必要だとすると、我々は大変忙しいことになる。
菌やガン細胞を退治するために、たえず見張っていなければならぬ
そんなことにならないように、免疫細胞は勝手に見事に動いてくれる

宗教では、我々は生かされているということがある
手一つ、足一つ、自分の意志でつくったものはない
生まれて、歩き出したら、ちゃんと足も手も目も鼻もある。
不思議と普段思わないが、考えると不思議である。
理屈は科学が言っている。四十兆近い細胞で出来ている、
細胞の中にミトコンドリアがあるとか、遺伝情報ののっかっているDNAがあるとか
それでも何故、そうした全てのものが一人の人間を守るために、見事に動き、
見事に必要なものを取り入れ、不必要なものを吐き出すのか

       2
町だってそうだ
腹が減れば、レストランがある
ラーメン屋もそば屋もある
多くの人が働いているからだ
どこかへ行くのに、服装が必要
そうした衣服は誰か労働者と器械が一緒になってつくったものだ
こうしてみると、自分で作ったものなど、ほとんどない
それにも拘わらず
ビルはどんどん立つ
道はつくられ、飛行機は飛ぶ
店の中には、新しい商品が並べられ
食べ物は店で売られている
これこそ、偉大な生命の力ではないか
路地には花が咲いている。猫がいる。
あそこの猫に一つ。こちらの犬に一つ。そして自分にも一つのいのち。
そういう風に生命を分けて考えがち
そういうのも良いが、たまには地球に働いている宇宙生命のことも思うと良い
我々は死ぬと、そういう宇宙生命に飲み込まれ、
いのちの祭りの日に、復活する
私はいのちであり、復活である【キリスト】
臨済の真実の自己、無位の真人を見つけよ 【釈迦の自灯明】
そして、永遠の大悲の仏

       3 
今から七十年前に戦争が終ろうとする頃
原爆が広島と長崎に落とされた
沢山の人が死んで
やがて一つの映画が出来た「長崎の鐘 」
日本の都市は空襲で、焼け野原になった。
第一次大戦でも、ナチスとの戦いでも若者が死んだ
いのちは何千万と無惨に殺された。
平和な時には、緑と花と森と川で美しいのに、
狂うと、地獄になる。
外見は粉々にされた肉体から美しい霊が立ち上るのだとしたら
我らは救われるのに
このことは秘密にされている。
おそらく、
この世界はいのちの海だ
水が温度によって少しずつ変化するように、
氷が水になり水蒸気になるように、
いのちの海は人のいのちの行動によって相転移する
煉獄になったり、
浄土になったり娑婆世界になったり時には地獄になる


この世に悪があるというのに、
花は美しい
この世に地獄のような所があるというのに、
月も天の川も美しい
この世に悪と地獄があるというのに、
愛と大慈悲心がある

青空にすくっと立つ塔が一つ
その上できらっと輝くものがある
希望という名のUFOが
大宇宙のどこかから舞い降りてきた

満月の夜、どこからか、太鼓が響き
やがて静まり
森の中の祭りのように
どこからか、ヴィオロンの音色が響く
愛と希望というように、
弦の響きは神秘な神々の音色のように
わが胸に壮大な物語が広がる
福祉を大きくして
軍備縮小を世界に働きかける




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