空華 ー 日はまた昇る

小説の創作が好きである。私のブログFC2[永遠平和とアートを夢見る」と「猫のさまよう宝塔の道」もよろしく。

魔法をかけられた春の町(poem)

2020-03-20 09:15:17 | 文化


何かの魔法をかけられて、生まれてきた町、そこには
春になる時に、白い家の窓に
小麦粉のような大雪が降って
冬は終わりを告げる。
翌日から、人は春の衣装を着て、楽しそうに歩くのだ。

白い道に突き出たカフェーで、コーヒーを飲みながら、
心の秘密をささやくカップル。
孤独の友と語りあうかのような猫を抱く若い女。
そして、銀の箱の中から、パンを出して愛する人の瞳を歌う逞しい男。
憂うつな思い出を歌おう   パンとジャムよ
美しき空の青さに酔いしれて春の風を心に感じて、宇宙のいのちを感ずる
緑の梢と愛の宝石
キラキラと輝く風の音楽と共に
春は緑色の小麦粉をまきちらして、 町の中を歩いていく
夕闇の中に映る町の影よ

どこからともなく永遠の町から町へ
幸福の吐息が聞こえてくるよ
ああ、永久に墓石の上にとどまる風のため息
庭に咲くコスモスの花それによりそう白い腕
人の歩く道は、軽やかで歌のようだ ああ、町の真紅のばら

幻のような人生には
窓の外は春の息吹が横溢し美しさに満ちた町の人々の往来があり
ショウウインドーには背広、靴、あるいはガラスの日常調度品がならぶ
人々は歌をうたい談笑し、コーヒーのあたたかい湯気が白い机の上から立ち昇る
ああ 小麦粉の白さに満ちた町の灯り

そして、又、魔法をかけられて静かな眠りにつく


【久里山不識】
体調がよくないので、掲載などのんびりやりますので、よろしくお願いします。

 

花は咲く Hana wa Saku "Flowers will bloom" 復興支援ソング

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いのちと愛

2020-03-07 10:34:40 | 文化

 

都会に住むと
忘れることがある
物が愛と慈悲の現われであることを

町には愛がないだって
君のいる「今、ここに」愛があるじゃないか
人が息をしたいと思わなくても
空気という愛の塊が人の口に入るではないか
いのちを助けるために、

喉が渇けば
小川が愛の竪琴を奏でるではないか
人工のものでも、ペットポトルがある、そこに労働という愛が君の喉の渇きを助けてくれる

お腹がすけば
人は多くの人の労働によってつくられた食物を口に入れることが出来る
これを愛と言わないのか

昔、蘇軾という大詩人が谷川の音を聞いて、そこに仏の説法を聞いたという

金を出すから、食物が手に入る
その通りではあるが、愛を見落としては、仏の説法を聞けないのでは

確かに悪はある。悪はうんざりするほどある。
心の中にも外にもある。
しかし、悪と戦うことにこそ、魂を磨き、さらに深い愛を知ることになるのではないか

地球の回転は
季節の恩恵を人に与えてくれ
自然は人に感動を与えてくれる

そして、死はポエムだ
秘密の花園のように、科学でも手出しは出来ない
直観で、いのちの秘密の世界に入ることが出来る

例えば、美しい花を見る
花のいのちを、その色彩の中から読み取る
花はやがて散るけれども
それは無といういのちに入ったということである。
無一物は生きている

 

見上げてごらん夜の星を(坂本九)・東北のみなさんへ - kyu sakamoto

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春の旅

2020-03-02 13:41:06 | 文化

外は春の気配が濃厚だ

青空と優しい陽射し

それでも身体の痛みとかコロナウイルスとか

外の散歩が頭に浮かぶと、春のサタンが邪魔をする

ふと、聞く美しいヴィオロンの音色

今ここに非日常の美がある、浄土がある

 

何も外だけが春ではない

家も春なのだ

温度計を見てごらん

玄関には木蓮の白い花が咲いている

慈悲と愛という言葉が浮かび

詩を書き始めた

古今東西の大詩人の生涯を想い浮かべながら

 

満月と星

そして月と酒を歌った李白

旅に出て、家族を思うせつない心の杜甫

あちこち放浪し、子供達と遊ぶ良寛

 

あれから、百年、千年と月日がたち

今も、私は永遠の列車に乗っているのだろうか

 

あ、藤の花の並ぶ街角が見えるではないか

そこから飛び立つ鳥の群れ

青空には城のような白い雲

 

あ、落ちるような巨大な銀河が見えるではないか

あちこちの闇から、白く輝くUFOが飛び立っている

そんな魔法のような出来事があるのだろうか

 

それでも、ここは幻のような列車の中

私もこの旅を昔の詩人のように、楽しもう

 

【久里山不識より】

アマゾンより「霊魂のような星の街角」と「迷宮の光」を電子出版

【永遠平和を願う猫の夢】をアマゾンより電子出版

 

水岡無仏性のペンネームで、ブックビヨンド【電子書籍ストア学研Book Beyond】から、「太極の街角」という短編小説が電子出版されています。

 

ノクターン 第20番 嬰ハ短調 (遺作) ショパン / 辻井伸行

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