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自動回転扉事故~その後でXserve

2004-03-30 | ロクロクアーカイブ
先週の金曜に起きたこの事件は、その後回転扉の構造上の問題についての森ビルと三和シャッター工業の奇妙な見解の相違や、小泉首相の献花、警視庁の異例の捜査本部設置、被害者の溝川涼くんの告別式など、週をまたいだ現時点でもマスコミを賑わしている。

ヒルズ内に7基ある自動回転扉はもちろん、人が手でまわす手動回転扉も多く封鎖されているようだ。「TOHO CINEMAS」などは、出入り口のほとんどがこの手動回転扉なので、かなり出入りがしにくくなっている。でも、それは仕方ないと思う。構造上の欠陥なのだから。

聞けば、ヒルズOPEN以来のこの約1年間で、回転扉関連の事故が32件もあり内20件が手動回転扉で起こっているとのこと。絶対数が手動の方が多いということもあるんだろうけど、人の手で動かす以上、たとえ事故が起きても力を加えている人間が気づかずに押し続ける可能性があるという点では、欠陥センサーにも勝る怖さがある。実際、強風の日なんかは、この手動回転扉は急に勢いがついたりして、大人でも恐ろしいときがあった。

昼にヒルズの近くにある昭和の薫りただよう薬屋で「冷えピタ」と「熱さまシート」を買ったときに、店のおばあちゃんが「今日で最後のサービスだよ」と、花の植木をくれた。一体何ネタのサービスなのかよくわからなかったが、これも何かの縁と思い、これを回転扉の前にいつのまにかできていた献花用の祭壇に置いていこうかと思ったけど、結果としてそれはできなかった。

祭壇を遠巻きに眺める野次馬がたくさんいた。手をあわせて供養する人もたくさんいた。ちょっと入り込みがたい雰囲気があった。でも、そんなことよりも今日はおかんの誕生日だった。せこい話だけど、この花をそちらに充てることの方がリアルに思えてしまったんだ。そして、俺は献花を躊躇した。

でも、深夜になって考えが変わった。おかんにはFFXIで「ミスラ風山の幸串焼き」を2ダースも送っとけば十分、と考え直した。今ならさすがに人も少ないだろうし、目立たずに献花できるはずだ。だが、時はすでに遅かった。

深夜0時過ぎ、件の自動回転扉の周りは巨大な青いビニールシートで覆われ、周りを10人ほどのガードマンがものものしく目を光らせていた。ビルの外までがロープで囲われ、まるで一切の外的要因から現場を死守するかのごとく警戒態勢が敷かれていた。

まったくもって、笑わせやがる。いまさら何を警備するっていうんだ? 子供一人守れないくせに。大体、あんだけガードマンを雇う金があるなら、遺族の補償金なり再発防止の工事費なりに充てるべき。

六本木ヒルズの不可解な負のスパイラルは、これからも続きそうだ。花は、明日の朝おかんに渡そうと思う。