表通りの裏通り

~珈琲とロックと道楽の日々~
ブルース・スプリングスティーンとスティーブ・マックィーンと渥美清さんが人生の師匠です。

柴又出張!?~弥生の裏通り・改~

2017-03-17 18:21:22 | 焙煎珈琲裏通り
予定は予定。皆さん良くご存じの通り、常に流動的で臨機応変な営業が身上の裏通りです。
明日以降の予定が多少変わりますのでご注意ください。



① 12時~営業予定だった明日18日は通常営業します。
② 20日(月)は朝から愛子方面に行かねばならず、戻り次第営業する予定です。目標は13時~
③ 25日(土)は急遽柴又方面への出張が入りそうです。その場合は終日不在となりますのでご了承ください。

もちろんこの③が一番重要です。

ついでにお伝えします。
28日(火)は一周忌です。それを記念して"青山さん"を格安でお出しします(^-^)


Deja vu~デジャヴ~

2017-03-15 18:47:02 | ブルース・スプリングスティーン
ニューヨークの大雪、峠は越えたようですね。

やはり思い出すのは去年のブリザード。Facebookにも投稿しましたがまるでデジャヴ。ジョン・フォガティの名曲Deja vu(All Over Again)とともに思い出が蘇りました。



夕方前には非常事態宣言が出され、一部の地下鉄を除き殆どの交通網は遮断。住んでいる人々は楽しそうだったけど、こっちは気が気じゃありませんでした。
夜には翌日のブルースのコンサートの中止(実は延期だったけど)が決まり、どれほどあの雪を呪ったことか...(笑)

状況がこれ以上悪くならないことを祈っています。

僕のインスタグラム littlecafe4492 で去年のブリザードの動画アップしました。久しぶりにあのときの動画見たけどスゴかったですね。良く帰って来れたな。

https://instagram.com/p/BRp2g9Ilitd/

村上さんと『ザ・リバー』

2017-03-10 11:50:47 | ブルース・スプリングスティーン
村上春樹さんの新作「騎士団長殺し」ようやく読み終えました。相変わらずの村上節全開、ムラカミ・ワールド炸裂ですね。
阪神淡路大震災やオウム事件以降の村上作品は、何故こんなに売れるのか(と言いながらこの三十数年ずっと読んでいますが)分からない回りくどくて難解な物語が多いのに、新作の初版発行部数にビックリ。本の売れないこのご時世にこれだけ話題になって売れているってのはスゴいとしか言いようがありません。

今回は別に村上さんの新作について語るワケではありません。そういうのはアンチといハルキスト(変な言葉w)にお任せして、当ブログのタイトルについて語らせてください。多少ネタバレがあるので悪しからず。

以前から村上さんの作品にはブルースの曲が良く?出てきます。古くは短編「ファミリー・アフェア」で"僕"が「ボーン・イン・ザUSA」を聴きながら歯を磨いているシーンがあります。このときは曲について一切何も語っていないので、ただのBGMだったようですね。

さらに名作「羊三部作」の番外編「ダンス・ダンス・ダンス」で"僕"がハワイでクルマの運転中にラジオから「ハングリー・ハート」が流れてきます。ここで"僕"は「良い歌だ。世界もまだ捨てたものではない」と感想を述べています。

その後エッセイ集「意味がなければスイングはない」の中では、ついに丸々一章を使って「ブルース・スプリングスティーンと彼のアメリカ」というエッセイを発表しました。アメリカの作家レイモンド・カーヴァーとの共通点について書いてあるんですが、これがまた面白かった。村上さんの影響でカーヴァーの作品も幾つか読みましたが、カーヴァーの立ち位置が分からないので、ブルースと彼の共通点は残念ながら見つけることはできませんでした。
しかしコアなブルース・ファンではないはず(でも最後に「あつかましいとは思うものの、つい密かな連帯感を抱いてしまうことになるのだ。」とブルースへの想いで結んでいます。)の村上さんの視点で描かれるブルース評は一読の価値はあると思います。

2010年刊行の「村上ソングス」では『ネブラスカ』収録の「ステート・トゥルーパー」の翻訳と短いエッセイが載っています。ニュージャージーの州警察との悶着を絡めて、あの暗い曲をステキに紹介してくれています。

そして「騎士団長殺し」。
何だか読書のリズムに乗れないまま読んでいましたが、第一部の後半から俄然面白くなり、そこからはほぼ一気に読み終えました。感想は割愛します。ここはタイトルの通りブルースに関連した話を。

主人公の"ぼく"は小田原市内の中古レコード店で目についた『ザ・リバー』を購入します。それまで"ぼく"は訳あって住んでいる知人の家で家主の残したオペラやクラシック音楽のレコードばかり聴いて過ごしていました。ちょっとした理由で別のレコードを探しに入った店で、目的のものが見つからなかったため『ザ・リバー』(と他一枚)を買います。
しかし家に帰ってすぐに聴いたのは他のレコードの方。このまま『ザ・リバー』は登場せずに終わるのかなぁ~と悶々としながら読み進んでいきました。
するとある理由で気持ちが混乱していた"ぼく"はおもむろに『ザ・リバー』をターンテーブルに載せます。ここの話の流れはブルース・ファンには堪らないので、是非読んでみてください。

A面が終わったら両手でレコードを持ってひっくり返し、B面の冒頭に注意深く針を落とす。(中略)もしそういうことができないなら、このアルバムの価値はいったいどこにあるのだろう?(中略)それはCDで続けざまに聴くアルバムではない。
(中略)優れた音楽を聴くには聴くべき様式がある。聴くべき姿勢というものがある。


これに続いてまだしばらく『ザ・リバー』に関する記述が続きますが、涙もの鳥肌ものの素晴らしい一節になっています。今日は改めてアナログ盤(リマスターしていない方!!)を聴いています。

A面冒頭は「タイズ・ザット・バインド」から「二つの鼓動」まで息をつかせぬロックンロール四連発。そこから急に「独立の日」で落としてB面へ。村上さん絶賛の「ハングリー・ハート」から緩急織り交ぜて「ザ・リバー」まで。
二枚目のレコード、俗に言うC面はこのアルバム中一番暗くて不吉な感じの「ポイント・ブランク」から始まっていきなり転調してビックリの「キャディラック・ランチ」「アイム・ア・ロッカー」そこからまた暗くなって、D面は「恋のラムロッド・ロック」、大好きな「ザ・プライス・ユー・ペイ」と究極のラブソング「ドライブ・オール・ナイト」、そして最後は「雨のハイウェイ」で静かに幕が下りる...。

CDで流して聴いてしまうと気が付かないことがいっぱいです。『ザ・リバー』は一枚に入りきらずに二枚組にしたものだと言うのが通説です。しかしやはりレコードならではの構成があり、そこに作者(ブルース)の意図や気持ちがこもっているんでしょうね。
改めて『ザ・リバー』は僕の一番好きなアルバムであることを再認識しました。そしていつか村上さんとこのアルバムについて語り合ってみたいですね。


ん?ってコトは昨年のザ・リバー・ツアー2016でアルバム収録曲を一気に聴いてしまったのは間違いだったのかな!?(笑)