表通りの裏通り

~珈琲とロックと道楽の日々~
ブルース・スプリングスティーンとスティーブ・マックィーンと渥美清さんが人生の師匠です。

Rolling Stones - Let It Bleed (50th Anniversary Edition)

2019-11-27 11:55:05 | ローリング・ストーンズ
Official Unboxing | The Rolling Stones - Let It Bleed (50th Anniversary Edition)


ローリング・ストーンズの作品中でダントツ一番好きなアルバムが「レット・イット・ブリード」です。あの一見ダラ~っとした雰囲気なのに隅々まで気の配られた完璧な作品群。「スティッキー・フィンガーズ」と双璧のジャケットのデザイン(もちろん裏表のストーリー性も最高)。ローリング・ストーンズを知らなくてもジャケ買いしちゃいそう。

その「レット・イット・ブリード」の50周年記念豪華盤が先日発売されました。



ブルースのアルバムは常に聴く用、見る用、保存用、輸入盤各種、予備etc...と(来日懇願も兼ねて)必ず複数枚購入するんですが、さすがに毎回ローリング・ストーンズまでは手が回りません。もちろんローリング・ストーンズも、ブルースに負けず劣らず大好きですよ。

その中でも「レット・イット・ブリード」だけは、イギリス・オリジナル盤(ステレオ)、日本盤ファースト、再販各種数枚、CD各種数枚と2ケタ枚数があります。大好きだから。
ウワサではUS盤のオリジナルが一番音がブ厚いそうですが、英国盤も相当なものでした。初めて聴いたとき、あまりの音圧にブッたまげましたもん。


そして今回。また新たにリマスターされたステレオ&モノラルの新生「レット・イット・ブリード」が登場。バラ売りもありますが、ここはやはりボックスに手を出さずにはいられません。大好きだから(笑)
しかし豪華ボックス入りなのは嬉しいけど、値段は嬉しくなかったですね。アナログ盤&CDをバラバラに買うとブックレット見れないし、意外にこのテのボックスはガサばるから場所を取るし。帯に短したすきに長しってヤツですね。



あくまでも個人の感想ですが、まず初めて耳にしたモノラル盤について。

オリジナルのモノラル音源を聴いたことがないので比較できませんが、一言でいえば「キレイに混ざり合ってる」感じ。その混じり合った全ての音が、ずっと奥の方からど真ん中を真っ直ぐ突き抜けるような、とにかく大迫力で迫ってくるまさに音の洪水。アルバムを通して聴いて心地よいのは断然モノラル版の方です。
その中でもイアン・ステュワートの軽快なピアノと、ミックのネバっこいボーカルが際立って聴こえるように思うのは、イアンが好きだから?


対する耳に馴染んだステレオ盤。こちらもあくまでも個人の感想です。

全ての音像が立体的で、はっきりと色んな音の聴き分けができます。モノラル版の方が、当時のストーンズの面々に僕一人スタジオに招待されて、贅沢にも目の前で演奏されている錯覚になるのに対し、ステレオ版は誰もいないコンサートホールで、当時のストーンズの面々が僕のためだけに演奏してくれているような感覚に陥りました。
30年以上ずっと聴いてきた音のイメージは、もっと籠ったような、かつザラっとした乾いた感じに思えていたので、今回比べてみるとその籠っていた膜が剥がれて、すっきりとした印象です。
特にキースのギターとチャーリーのドラムが生々しく迫ってくるように思うのは、初来日時に徹夜でラヴレター書いて宿泊先まで押しかけたくらいキースが好きだから?

最後にもう一言。

やはりこのアルバムはレコードで聴くべきだと改めて確信しました。A面が多分当時衝撃的な内容だったであろう名曲「ギミーシェルター」で始まり、「むなしき愛」と「カントリー・ホンク」のカントリー調2連発。このユルさたまりません!
そこからミック・テイラー参加の超カッコ良い「リヴ・ウィズ・ミー」~(僕が一番好きな)「レット・イット・ブリード」の気怠い雰囲気で静かに終わる完璧な流れ。
レコードをひっくり返してB面は「ミッドナイト・ランブラー」の怪しいイントロからヌルっと始まります。「ミッドナイト」は、この曲この先どう展開していくんだろう?と言う感じでどんどん引き込まれていきます。まるで場末のライヴハウスにいるみたいなこの曲、もしかしたら”オリジナル・ストーンズ”5人による最後の作品なのでしょうか?そう思うと感慨深いものがあります。
キースの十八番「ユー・ガット・ザ・シルバー」。ミックの歌うバージョンもあるみたいですが、これはキース。このダルさはキース。いつかナマで聴かせてください!
そしてまたまた問題作。絶対ミックが自分のことを歌った”ジャンキー賛歌”「モンキー・マン」。絶対ラリってますよね?
しかし最後に壮大な「無情の世界」で雰囲気をガラりと変えてきます。今聴けばただただカッコ良い曲ですが、7分オーバーのしかもロックだか何だか分からない曲。僕も初めは全然馴染めませんでした。このアルバム中、この曲だけチャーリーが不参加なんですよね。



今週はずっとモノラル版とステレオ版を交互にターンテーブルに載せて聴いてます。来週は久しぶりのU2来日公演があるのに...気持ちの切り替え大丈夫かな?



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