表通りの裏通り

~珈琲とロックと道楽の日々~
ブルース・スプリングスティーンとスティーブ・マックィーンと渥美清さんが人生の師匠です。

チャックの思い出

2019-08-14 17:41:43 | Rock
1989年8月14日。ちょうど今から30年前の今日、僕は(結果最初で最後になったけど)神様と会うことができました。



当時の音楽雑誌にも殆ど掲載されず、あの頃流行っていた色々な企業が冠スポンサーの"スーパー・ギグ"系のイベントで来日していたようです。

ジェフ・ベックやスティーヴ・ルカサー・バンドなんかと一緒に来ていて、何故か(多分小遣い稼ぎ)中野サンプラザで単独公演をやったんでしょうね。

なので、改めてチケットを見ても主催も後援も一切なし。きっと神様のわがままで「せっかく日本まで来てやったんだから、どっか会場押さえろ。あんなステージだけじゃ納得できねぇ!」みたいな感じで実現したのではないでしょうか。

まあ、そのおかげでホンモノの"動く"神様に会えたんだからラッキーだったと自分に言い聞かせておきましょう。

もう30年前のことなので(ストーンズのステージはまるで昨日のことのように思い出せるけど)殆ど覚えていません。会場入り口に手書きの立て看板程度はあったかもしれませんが、ロビーでの物販も一切なし(当然ですよね。だって急なんだもん)。ステージも装飾の類は全くなくて、今思えばまるで高校のギター部の発表会みたいな雰囲気だったとかろうじて記憶しています。

セトリも全く覚えていなくて、多分メジャー系の曲は一通り演奏してくれたとは思いますが、何せ神様ご機嫌ナナメだったようで登場から挨拶も曲間のMCも一切なし。肩すかしも良いところ。

開演前は神様久々の単独公演に対する期待からか、場内は熱気に包まれていましたし、僕としてもあの名作『ヘイル!ヘイル!ロックン・ロール』を何度も観た後だったので、あんな感じの盛り上がりを期待していました。



ほぼ定刻通りに開演して、結果何曲演奏してくれたんだろう?20曲くらいやったのかな?でも元々一曲が短いし、MCも挟まないもんだから、多分長くても45分程度。もしかしたら30分くらいだったのかも。今の時代ならネット大炎上間違いなし(笑)

もちろん神様は最後まで笑顔を見せることなく、挨拶どころか手も振ってくれずに舞台袖に消えていきました。会場の皆さんもきっと

「え?まさかコレで終わり?アンコールくらいあるんだよね?」

と、思ったことでしょう。でもそんな下界の民の淡い期待も空しく、二度と神様がステージに戻ってくることはありませんでした。

でも良いんです。神様を数メートルの距離でお会いできたんですもの。あの伝説のダックウオークも何度か見せてくださいましたし、最悪の音響だったけど名曲の数々のイントロやギター・ソロがナマで聴けたんですもん。

ありがとうございました。神様。


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