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もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

与那国島への陸自配備

2015年02月18日 | 社会・政治問題

 離島防衛の要の一つ、与那国島への陸自配備の是非を問う住民投票が行われるらしい。

 反対派は、例によって『陸自が来れば米軍が来る』『レーダー波による健康被害』という、将に根も葉もない推論を基にしたムード戦術を展開しているらしい。加えて許せないのは、未成年者や在日外国人にも投票権が付与されている点である。行政上の主要な争点は選挙によって是非が判断されるものと考えていたが、選挙権のない住民を加えての住民投票結果を行政の判断材料の一つにすることは、現行の選挙制度の否定であり疑問を感じるところである。投票結果が強制力・拘束力を持たないとはいえ、世論の一つとして斟酌されるのは過去の例によっても明らかで、もし配備反対の結果が出た場合、住民投票制度上の不備を隠して『これが世論だ』と独り歩きしかねない。そもそも、国が行う防衛上の施策について、地方自治体が判断すること自体がおかしいことは法曹界からも指摘されているところでは無いだろうか。

 与那国への陸自配備は、経済的効果もさることながら、何時の日か『自衛隊が居てよかった』と思う日が来ることを信じている。


黒田博樹投手の美学

2015年02月17日 | 社会・政治問題

 黒田投手のカープ復帰入団会見を見た。

 20億円でのメジャー残留より、野球人生の終焉を古巣のカープで迎える決断での入団である。『常に、この試合が、この一球が最後』と思い、巨額の複数年契約も得られる位置にありながら敢えて1年契約を続けてきた黒田投手の潔さは、将に戦国武将の風格すら感じさせる。一芸に秀でた人物は、訥弁であっても含蓄かつ秀逸の発言をする人が多い。常人には計り知れない苦悩と体験がそうさせるのであろうか、相撲協会の歴代理事長・衣笠選手・羽生選手など枚挙にいとまない。黒田投手の言葉も前出の各氏に比肩する名言であろうし、生き様は高僧・賢人そのものである。小泉純一郎、鳩山由紀夫・・・等々、晩節を汚す言動で老醜をさらす人物にとって「他山の石」として欲しいもので、黒田投手の言動は、まさに一服の清涼剤である。

 古希を過ぎて終活を求められる自分はもとより、社会の負担になりかねない高齢者にとって、黒田投手の美学と発言は範とするに余りあるものと感じている。


総連本部売買資金

2015年02月16日 | 社会・政治問題

 総連本部の居座りを可能とする売買に、不透明な資金の授受が報じられている。

 政財界を巻き込んだ本部売却については、紆余曲折の間に随分と善意(?)の第3者が介在するらしい。仲介役である元国会議員は『拉致問題解決のための布石』で『商取引慣習の仲介料を得た』と公言しているが、金王朝存続のための対日工作出先機関である総連本部を温存させることが、拉致問題解決の糸口となるのかが理解できない。核問題と拉致問題解決のために各国が行っている制裁を有名無実とする行為で、単なる北朝鮮の走狗となってでも口銭を稼ごうとする姿が想像されてならない。一方、調達資金には、資金洗浄を疑わせるような不透明な部分も報道されており、総連本部の売買は暗黒とは言えないまでも灰色の風景に満ちていると考えざるを得ない。

 信条の自由が保障されている傍ら反逆罪がない日本だからこそ、商取引及び政治活動に《和魂(恥を知る心)》と《士魂(空腹にも高楊枝)》が求められるのではないだろうか。


島嶼防衛の兵力整備

2015年02月15日 | 社会・政治問題

 昨日は、自衛隊出動に対する電話閣議について考察した。

 電話閣議で迅速な決断がなされた場合、次に必要なのは防衛兵力の展開である。特に、島嶼防衛では海上自衛隊の初動対処と輸送能力が大きな課題となる。小部隊の急速展開は陸自のヘリボーンで可能であろうが、規模は小隊規模程度にとどまり、銃器・弾薬・食糧などの常続的な兵站は維持し得ない。空自の対地支援も敵上陸の牽制しか行い得ないだろう。常続的な海上封鎖・上陸阻止・兵站は海上自衛隊の艦艇が担うこととなる。明治中期、対ロシア戦備のための陸軍予算を海軍予算の流用をもって解決しようとした内閣に対し、海軍大臣は『優秀な陸軍工兵が対馬から橋梁を掛けて海峡を渡るなら結構』と述べバランスの取れた戦備に落ち着いた故事もある。えてして直接戦闘にのみ意を用いられがちであるが、バランスの取れた兵力整備を期待するとともに、海自でも準備おさおさ怠りないものと思うがさらに万全を期して欲しいと考えるところである。

 米海軍は、第4艦隊という乗員の訓練を主とした部隊が本土に置かれており、訓練した乗員を7艦隊等の実動部隊に送り出している。戦艦大和の出撃にも、少尉候補生と海兵団を修了したばかりの新兵が乗艦することとなっていた。艦艇の修理と乗員の交代は止むを得ないものであろうが、虚を突かれることのない体制作りをお願いするものである。


電話閣議による自衛隊出動

2015年02月14日 | 社会・政治問題

 緊急時の防衛出動を電話閣議で可能とする方向で、法整備が検討されているが同感である。

 現在、防衛出動は閣議決定事項であるが、緊急な場合は持ち回り閣議による決定も可能として緩和運用されている。このことは、外交交渉が破綻し、相手国からの宣戦布告が予想される等の正規戦を想定したものであろうが、大東亜戦争以後70年間《宣戦布告を伴う戦争》は起きていない。数多く生起した紛争においてもフォークランド紛争以外、《予兆はあったであろうが、まさか》という奇襲で紛争は始まっており、事前準備などできる状態ではない。まして、防衛出動待機命令は相手国に誤ったシグナルを送ることが懸念されるのみならず、情報・通信手段の発達した現在では対象国に手の内を見せるだけのものでしかない。奇襲攻撃への対応は時間との戦いで、出動の可否を速やかに行うための手続きとして電話閣議による決定はぜひ実現させてほしいと考える。

 この際、重要なことは通話内容の秘匿であろう。閣僚間の通信手段がどうなっているか知らないが、秘話装置つきの通信手段が整備されているのだろうか。対象国は、おそらく関係閣僚の有線・携帯電話は傍受するであろうし、暗号化ソフトによるメールも解読するであろう。法整備に併せて、通信インフラ整備と閣僚の防諜意識強化をも希望するところである。