もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

佐川長官の辞任に思う

2018年03月11日 | 与党

 財務省が森友文書の書き換えを認めるとともに、佐川宣寿国税庁長官が辞任した。

 佐川長官は、森友学園への国有地廉価売却時に地方財務局を監督する理財局長の立場にあり、文書書き換えの核心的位置にあったとされている。専門家の意見では、書き換えが「どの文書に対して行われた」によって罪科は大きく変わるそうである。決済原本(原議)の書き換えであれば、公務員の犯罪としては前例を見ないほどの重大事件となるが、原本はそのままで国会に提出した写しだけを書き換えた場合は、有印公文書偽造・公使程度の罪科であるそうである。いずれにしても、罪科の大小は別にして公務員のとしての公正性と品格を根底から揺るがす行為と思われるのに、核心的当事者の辞任を安易に認めた背景を考えれば、財務省や内閣が主導して書き換えを行ったことさえ推測される。公務員が犯罪を犯した場合、一般的には罪科・罪状が明らかにされるまで休職となり、しかる後に行政処分が行われるものと思っていたが、疑惑の段階で辞任を認め、少なからぬ退職金を与えるであろう今回の辞任劇には極めて失望した。直接の関係は不明ながら、近畿財務局で森友学園への用地売却に関与したとされる職員が自殺したことも報じられているが、事態が進めば更なる処分者や失職者が生まれることも予想される。北方水滸伝では、首領の宋江が敗戦の責を負うべき軍師に「安易な自裁を禁ずる。死んだ兵士を思う長い夜を過ごせ」と諭すが、佐川氏は自己の栄進の路上の屍を思う長い夜を過ごす人物ような人物ではなかろうと思わざるを得ない。

 職員の自殺という「トカゲの尻尾きり」で事態は収拾できなかったため、長官というトカゲの胴体まで切る必要があったのだろうが、頭は依然として残っているのではないかと推測される辞任劇であると思う。

 


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