もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

施政方針演説に思う

2021年10月09日 | 与党

 岸田総理の施政方針演説が行われた。

 紙面に掲載されている全文を読んだものの靄のかかった頭では、お世辞にも熟読・完全理解とは言えないが、新資本主義と銘打った「成長と分配の好循環」を目標に、新自由主義的は成長戦略から一歩引いた経済政策を掲げた以外は、目新しいものは見当たらないように思った。
 岸田型新資本主義は、来週にも発表される自民党の選挙公約にも盛られると思うので、これまで新自由主義打倒による富の再配分を最大公約としていた立憲民主党と、「餅の配り合い」的な展開になってしまった。そんな事態への警鐘であろうか、財務省の事務次官が月刊誌に「与野党のバラマキ合戦は、タイタニック号が氷山(財政破綻)に向かって突進しているようなもの」と寄稿しているらしい。
 そういえば、予算審議の通常国会での定型句「財政再建」「赤字国債圧縮」が聞こえなくなって久しい。

 昨日のブログで「それみたことか」と乱暴にタイトルしたことを痛く反省している。
 これまで、「選挙後の政権では協力しない前提での選挙協力は、議会制民主主義と有権者を愚弄するもの」と度々書いてきたことを顧みれば、枝野氏の「選挙協力の延長としての共産党閣外協力」明言は論理としたは正しく、そうなければならない選択である。このことによって、今回の総選挙は社会(共産)主義と資本主義の戦いであることが明確になって、有権者は選択し易くなったと思っている。
 ソ連邦の崩壊や東西ドイツの統一で決着したと思っていたイデオロギー対立が、30年の時を経て日本で再現されることになる。
 現在、資本主義・自由主義社会での階層化が顕著になり、持てるものと持たざる者の分化・固定化が進んだ結果、仏・伊では共産党が息を吹き返し、共産主義信奉者は社会から排除されるとされていたアメリカでもBLMが「我々は訓練されたコミュニスト」と公言している。さらに、コロナ禍のような国難では、共産主義社会の強権が自由主義に勝る一面が明らかになった点も大きいと思っている。
 枝野氏は、衣を一枚脱ぎ捨てて隠れコミュニストを窺わせる姿態を一部露わにしたが、投開票までには全ての衣を脱ぎ去って、枝野政権の大きな政府が目指す「統制の対象や限界点」まで明らかにして欲しいと願うところである。


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2 コメント

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Unknown (行雲流水の如くに)
2021-10-09 19:57:38
こんばんわ。
岸田首相は「新しい資本主義」ということを言い始めました。これは従来の資本主義の弊害が目に余るので修正を加えるべきだ、という考えだと思います。
同じことは立憲民主党の枝野代表も今年の春ごろから発言しています。
要するに両者は同じ方向を向いているわけです。
俗な言葉で言えば岸田が枝野に抱きついたということです。
かっての自民党(小泉政権以前の)は、資本主義を建て前にしていましたがの実態は社会民主主義の考え方を取り入れていました。(日本型資本主義)
ですから貴兄が主張される社会(共産)主義対資本主義の戦いというのは少し違う気がします。
志位対安倍ならその通りだと思いますが、枝野対岸田には当てはまらないのではないでしょうか?
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有難うございます (管理人)
2021-10-09 20:49:11
ご指導を有難うございます。
只今、貴ブログを訪問しても帰路にあります。
経済政策を見れば、枝野氏が米価統制を表明したことから昭和40年代の日本型資本主義程度の規制(大きな政府)を模索しているように感じますが、外交・防衛に関しては、鳩山政権以上に共産寄りに感じられます。
共産党の選挙協力への見返りとして、共産党に対して日本学術会議以外の何かを密約していると観るのは穿ち過ぎでしょうか。それが、外交・公安・防衛・テロ等の機密情報アクセスで無ければよいのですが。
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