もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

「レダと白鳥」を知る-1

2023年07月15日 | 美術

 7月6日に「フローラを学ぶ」と題したブログを作成したが、その中でメルツィの「フローラ(エルミタージュ美術館蔵)」がダ・ヴィンチの画風に酷似しているなぁと思った。ネット上にも情報が少ない画家であるが、フランチェスコ・メルツィ(1491年 – 1570年)はダ・ヴィンチの弟子で、最後まで行を共にして臨終を看取るとともに相続人・遺言の執行者とされていた。

 メルツィの絵画を観ようとネットを渡り歩く途中で、1692年以降に失われたダ・ヴィンチの絵画があることを知った。失われたのは「レダと白鳥」をテーマにした2枚で、1枚はレダが立っており他の1枚は腰をかがめているとされる。ダ・ヴィンチが描いたとされる根拠は、ダ・ヴィンチ自身による準備素描と崇拝者ラファエロを含む多くの画家の模写が存在することと、ダ・ヴィンチ以前には「レダと白鳥」をモチーフにした絵画が無いことであるらしい。
 Wikipediaでは《「レダと白鳥」はギリシア神話のスパルタの王テュンダレオスの妃レダに対するゼウスの恋の物語で、レダは白鳥に変身したゼウスに誘惑され同衾、同じ夜に夫と同衾した結果、ゼウスの子供としてヘレネとポリュデウケスが、テュンダレオス(夫)の子供としてクリュタイムネストラとカストルが生まれた》と解説されており、更にはレダが子供を卵として産んだとされているので、今様には「多卵・多精・卵胎生双生児」とでもなるのだろうか。
 絵画については、まずダ・ヴィンチはひざまずいたレダを描き、1年後に立像タイプのレダを描いたとされるが、後者の方が高く評価されたようで「モナ・リザ」を越える価値(値段?)が付けられていたともされている。
 また、写真冒頭のチェザーレ・ダ・セストによる模写作品も現在行方不明とされているが、富豪の好事家の収蔵庫に眠っているのかも知れない。


 チェザーレ・ダ・セストによる模写(最もダ・ヴィンチに近いとされている)


ラファエロによる模写

 
ウフィツィ美術館蔵(一時期、ナチのゲーリングが所蔵)


フィラデルフィア美術館蔵(オリジナルからの逸脱が大きい)


ボルゲーゼ美術館蔵


腰をかがめたバージョン(ジャンピエトリーノ蔵)

 


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