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もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

菊池涼介選手の失策に思う

2021年04月07日 | カープ・スポーツ

 カープ菊池涼介二塁手の失策が確定した。

 失策は4月2日のDeNA戦八回裏《1死一、二塁の場面で二塁ベース手前へのゴロに猛チャージ。一度グラブに収めたがこぼれて失策と判定された》ものであるが、素人観には内野安打ではないかと思った。
 この失策判定については実況解説者や多くの野球解説者も一様に「内野安打では?」と疑問を口にしていたが、本日の紙面で、広島・DeNA球団の双方がNPB(日本プロ野球機構)に公式記録の訂正(変更)を求めたものの、再検証したNPBは訂正しない決定をしたことが報じられた。
 菊池選手は、2019年9月16日以来569回の守備機会を無失策で乗り切っていたため2020年シーズンは二塁手として史上初のシーズン無失策の快挙を達成していたが、史上空前の記録も途絶えることとなってしまった。また、569回の守備機会には、一流の選手でも安打とされるであろう打球のいくつかをアウトにしていることを考えれば、勝敗には左程影響しないエラーが紙面をにぎわすことは、菊池選手が将に超一流の守備の名手であることの証明であると感じている。菊池選手は談話で「あそこで待って内野安打になるくらいだったら、攻めてチャレンジした方が投手としても納得できるかなと思った。僕的にはいつも通りのプレーです」と淡々としているそうであるが、一芸に秀でた人のすごさを改めて感じたものである。

 芸能人が畑違いの俳句や水彩画等を競う「プレバト」という番組を良く見るが、出演者は余技というにはもったいないほどの感性と腕前を発揮する。世に「一芸は多芸に通じる」と云われるが、本当は多芸をもこなし得る資質があってこそ一芸で名を成せるのではないだろうか。羽生善治九段は流暢な英語を操り、海外クラブに所属するサッカー選手は2・3か国語に通暁し、内藤九段・増井山は演歌で名を成し、木村拓哉氏はあの顔と歌唱力とダンスを併せ持っている。
 一芸にも秀でることがない自分は、「天は二物を与えず」の諺を頼りに、一芸・多芸に秀でた人も何らかの裏を持っているものと”鵜の目鷹の目”であるが、前述の人々を見る限り素直に脱帽すべきであるようである。
 菊池選手が捕球・刺殺が困難であろう打球に対して、自己記録や評価を埒外として瞬時に投手に与える影響まで判断したとすれば、菊池選手はプロ野球界屈指の守備の達人以上に人生の達人、解脱者の域に達しているのかも知れない。
 菊池涼介選手とカープ球団に心からの応援を込めて。