丸山穂高議員の言動に対して、議員辞職勧告が決議されそうな情勢である。
本ブログではこれまで、丸山議員の言動に対しては沈黙し国会や世論の動向を見ていた。過去の言動はさておいて今回の言動について考えると、”戦争発言”と”泥酔・女買い”の2点であると思う。”泥酔・女買い”は品性の問題で、辞職に値すると思うが、”戦争発言”については、国会議員の政治主張として保護されるべきであると思う。同議員の『戦争せずに領土紛争は解決しない』というのは歴史が証明しており、その認識の延長として、北方領土の完全(4島)変換実現のためにはロシアとの戦争も辞さないと主張するのは当然の帰結である。国民(有権者)が、多様な主張をする政党や立候補者から最善と思う人物を国会に送り出すことで民主政治は成り立っており、有権者が選んだ議員に対して、その主張(戦争発言)は憲法違反であり議員に相応しくないとすることはあってはならないと思う。憲法の定めた天皇制を公然と否定する社民党や天皇制再考を主張する共産党に対して、誰も憲法違反であり議員に相応しくないと主張しないのは、信条の自由と政治主張の多様性を認めているからである。世界を見ても極左から極右まで様々な政党が存在し、欧州各国では移民の排斥・追放を主張する極右政党が勢力を伸ばし、フィリピンのドゥテルテ大統領のように麻薬の常習者や犯罪者の人権を無視することを公約する元首もある。彼等は反対勢力から主張については糾弾されるものの、地位に対して適格性を云々されることはない。それは、彼等の地位が有権者からの負託を受けたものであると尊重されているからである。丸山議員に対して野党は議員辞職勧告を、与党は問責決議を、それぞれ考えているようであるが、その理由については"泥酔・女買いの品性”であって、”戦争発言の主張”であってはならないと思う。丸山議員を再び国会に送り出すか否かは、有権者が判断すべきことである。
丸山議員の”戦争発言について政府(外務省)がロシアに陳謝したことも疑問である。行政府は立法府の自由な発言に対して責任を負う必要はなく、もし陳謝するとしても所属議員の不祥事として衆院議長が行うべきである。天皇の謝罪を求めた国会議員(議長であったが)の言動に対して、韓国行政府の長たる文大統領は公式に謝罪はおろかコメントもしていない。トランプ大統領にしても、諸外国に関係する上下院議員の様々な発言に対して、本人には反論するが関係国に対して何等の意思表示をしない。それは三権分立の鉄則と、議員の自由な発言を封殺しないことが民主主義の根本であることを理解しているからである。ロシアからの抗議に対しては、行政府の方針とは合致しないことを説明はしても陳謝する必要はないことは自明の理であることを、すべての国民が理解すべきであると思う。