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もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

黒田博樹氏と前田健太投手

2018年11月14日 | カープ・スポーツ

 マツダスタジアムで行われた日米野球第5戦の始球式に、黒田博樹氏が登場した。

 本日は、氏名には敬称または肩書を付けるという本ブログの原則に反して、呼び捨てにする非礼をお許しいただきたい。

 始球式前、ホームチームMLB先発のマエケンは、一旦マウンドに上がりプレート付近の土を均した後マウンドを降りて一塁寄りの芝生で待機していていた。一方、平服・革靴に上衣だけヤンキースのユニフォームを着た黒田はアナウンスを受けて静かにマウンドに歩を進めた。マエケンはカープとメジャー双方の先輩である黒田に帽子を脱いで会釈して黒田にマウンドに上がるように誘ったかに見えた。黒田はマウンドに上がることなくホームベース寄りの芝生位置から始球式を行った後、マエケン・キャッチャーと握手を交わした後にグラウンドを去った。筆力の無さで球場・カープファンの熱気と黒田・マエケンの醸し出す雰囲気を伝えることは困難であるが、両雄の爽やかな交流はフェルメールの絵画にも匹敵するものに思えた。始球式後のインタビューで黒田は「球が届かないとまずいと思って・・・」とコメントしたが、周囲には「革靴でマウンドに上がるのは・・・」と漏らしたとも報じられている。思うに、黒田の行動はホームチームの先発ピッチャーにのみ与えられる「無垢なマウンドに立つ権利」と「後輩マエケン」に敬意を表したものであろうし、マエケンは一連の行動で「無垢なマウンドに立つ権利」を尊敬に値する先輩黒田に譲ることを伝えたのであろうと推測する。これまでのところマエケンの球歴は黒田に似通っており、マエケンも密かに”キャリアの終焉はカープで”と思い定めているのかも知れない。マエケンも世に云う「ゆとり世代」であろうが、今回示した先輩の業績と生き様に敬意をもって接する態度からは、学校教育の”外”や”以後”における人格陶冶がいかに大事であるかを伝えてくれたものと思う。

 残念なことは、一連の出来事を中継したテレビアナウンサーが、出来事の深淵を即座に読み解き的確に伝えられなかったことである。かって「目で見るのではない、眼で観るのだ」と教えられてきたが、いろいろな映像がネット上に溢れているSNS全盛の現在にあっては、更に含蓄を深めて思い起こされる警句である。