伊調選手などに対する栄和人氏のパワハラ疑惑に対して、レスリング協会が設置した調査委員会が一部黒認定の中間報告を出した。
内閣府に告発状が提出された直後に、レスリング協会は馳浩副会長が疑惑を否定、谷岡郁子副会長も栄氏擁護の会見を行った手前もあり、中間報告を受けた後に行われた協会会長の会見は、歯切れの悪い・見るも無残なものであった。しかしながら、谷岡副会長は協会の強化本部長を辞任した栄氏を、引き続き至学館大学レスリング部の監督に留任させるとして意気軒高である。告発状提出直後に栄氏を擁護した記者会見映像で谷岡氏を見た際、見覚えのある顔だがハテ?と思い調べたところ”みどりの風代表”と分かり、高圧的で傲岸不遜な態度にも納得した。政治家としての谷岡氏には、ソマリア沖の海賊対処不要、私学助成の増額要求、原発即0活動等とともに、パフォーマンスが目立つ議員で会ったとの記憶しかないが、政界引退後20年を経ても唯我独尊の気概は変わっていないと思った。教育者である谷岡氏の栄氏擁護の真意は、自己の正当性保持のみであり選手という弱者の保護は一顧だにしない”強きを助け弱きを挫く”もので、いじめの多発から教科化された道徳教育においては悪しき例として引用されるであろうとも思えるものである。
道徳教育に関しては、昨今の前川喜平氏の言動も疑問符が付くものと思う。自分が次官時代に反対することなく制度化した道徳教育の教科化を、退官後の今になって悪しき矯正・強制として批判するとともに、特定の教科書にイッチャモンを付けているらしい。名古屋の小学校で特別授業を依頼される半面、山口県教育委員会が氏の講演に対する後援を拒絶したように、氏の信条と言動に批判的な感想を持つ人も少なくないものと思う。
最後に、谷岡・前川両氏に、次に掲げる海軍兵学校の五省を熟読されんことを祈るものである。
1. 至誠に悖るなかりしか
1. 言行に恥づるなかりしか
1. 気力に欠くるなかりしか
1. 努力に憾みなかりしか
1. 不精に亘るなかりしか