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もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

親バカの悲哀

2023年05月30日 | 与党

 岸田総理の長男である岸田翔太郎政務秘書官が更迭された。

 翔太郎秘書官は、身内の登用そのものが疑問視され、任命後にあっても公務外遊随行中の土産物漁りや公邸でのバカ騒ぎで火だるまとなっていたので、更迭は当然と思う。
 この更迭劇に対して、立民の泉代表は「そもそも公私混同の色彩が強い人事で、辞任は当然だ。国民に対する説明や謝罪にも欠けている」と述べ、維新の馬場代表は「公邸や官邸で写真を撮ること自体はよくある話だが、問題なのは広く流出したことであり、秘書官として知り得た情報まで漏れるのではないかと懸念される」とコメントしている。2つのコメントを並べると、泉代表が底の浅い首狩り族的であるのに対して、馬場代表は官邸の防諜体制不備と本質を捉えているのが興味深い。閑話休題。
 現在の総理秘書官は、2名の政務補佐官と6名の事務秘書官で構成され、政務補佐官は首席秘書官である嶋田隆一(元経産省事務次官)氏と岸田翔太郎氏、事務秘書官は財務省(2人)・外務・経産・防衛・警察の各省庁から選抜・出向となっている。
 事務秘書官について各省庁はエース級の人材を送り込むとされ、秘書官経験者は役所に戻って事務次官にまで上りつめる人も少なくないとされているが、総理が交代すれば出身省庁に戻るために総理(国政)よりも出身省庁の利益を優先する側面が強いとされる。
 政務補佐官は、議員時代の秘書や政策ブレーン・親類縁者・・など総理の信頼の厚い人物が選ばれる。
 したがって、重要な国家機密、各省庁(特に事務秘書官の母体官庁)の利害が衝突する施策、野党との秘密裡の調整などについては、事務秘書官を外して総理と政務担当秘書官だけで処理されることも多いので、その影響力は極めて大きいとされており、小泉内閣の飯島勲氏や安倍内閣の今井尚哉氏などは自分でも記憶している程である。

 事務秘書官には官僚キャリアが必要であるが、政務秘書官選定には定性・定量の度量衡は無く、云わば総理の信頼さえあれば誰でもなれる・就くことができる。
 岸田翔太郎氏の経歴を眺めると、広島県屈指の脩道高校・慶応大学法学部政治学科卒、三井物産勤務の後国会議員秘書で、一見すれば申し分ないものであるが、岸田総理にあっては「このままでは跡を継がせるには・・・」という不安要素が多く・大きかったのだろう。「何とかして現実と政治の厳しさを知って」の親バカから総理秘書官にしたものの、親の心知らずのボンボン豚児は麒麟に進化できなかったように思える。
 秘書官任命~騒動~更迭の一連を眺めると、ボンボン豚児の不甲斐無さ以上に、「それでもなんとかして」という岸田総理の親バカが際だって見える。


自公連立解消の動きを歓迎

2023年05月26日 | 与党

 昨日のブログで解散・総選挙について書いたが、東京選挙区における自公の選挙協力解消が現実となった。

 東京における自公の選挙協力解消は、地方にも波及して少なからぬ影響が出ると予想されているが、自民党の政治家には政党政治を正す好機と捉えて欲しいものである。
 このことに関する報道の中で、公明の推薦無しに当選を重ねている平沢勝栄議員が「日頃から地域を泥まみれになって動けば、応援を貰わなくても勝てる」と云い、ある閣僚経験者も「選挙は別々にやるのが政党のあるべき姿だ」と語っており、当然のことながら自民党議員にあっても普通選挙における政党の在り方を憂うとともに、勝敗(当落)のみに拘る呉越同舟的な選挙協力に否定的な政党人が少なくないことが窺える。
 また、さらに一歩進んで「(公明を)切ってしまった方が、自民は強くなれる」との意見が中堅議員の間に燻ぶっているとも報じられている。
 数合わせの原理による国家の混乱は、イスラエルにおいて顕著であるように思える。
 イスラエルでは、2021年6月の選挙で12年間首相の座にあったネタニヤフ氏に代わって8つの政党による連立政権が成立したが、成立は1票差での承認という薄氷状態であった。また、数合わせの象徴は首相の任期に顕著で、2023年9月までは連立第1党のベネット氏が務め、残りの任期(2年間)は連立第2党のラピド党首が首相を務めることで合意されていた。しかしながら、8頭引きの馬車が正常に機能できるべくも無く、加えて首相交代を前提とする連立は国民の支持を得ることができずにラピド党首への禅譲を待つことなく1年半で瓦解してしまった。
 2022年11月には、総選挙で、再びネタニヤフ元首相が返り咲いたものの連立を組む極右政党の議員を重要閣僚に指名せざるを得ない状態で、パレスチナ問題に対してはこれまでで最も強硬な政権となている。
 このように短期間に左右両極端に振れるイスラエルについては、最大の庇護者アメリカですら「イスラエルにあるのは政争だけで外交は無い」とあきらめ顔と報じられている。

 ロシア核兵器の隠れ共有国であったベラルーシが公然と核共有体制保持を露わとした。
 ロシアの支援で命脈を保っているシリアのアサド大統領が中東社会での発言権を回復したが、背景には中東におけるロシア核兵器の存在(シリアの核共有)があるのではとされている。
 中国はG7サミット開催に合わせてアフリカ諸国を招待し、台湾進攻に関する国連での制裁決議を逃れる舞台の構築に本腰を入れている。

 来るべき総選挙では、日本の振れ幅が世界・特にG7諸国から注目されるだろうことを思えば、最大の争点は子育て支援金の額やLGBT法案の良し悪しでは無いと思うが如何に。


解散総選挙

2023年05月25日 | 与党

 通常国会会期末における衆院の解散が確実となったように思える。

 各党は既に総選挙準備に入っているようであるが、今回の選挙では「維新が台風の目となる」ことで、「より望ましい姿」に変化するのではと期待している。
 これまでの総選挙では、選挙区での立候補者の擁立や協力態勢に「棲み分け」と呼ばれる談合が行われるのが常であったが、来るべき選挙では維新が野党第1党の座獲得の第一歩として全選挙区に候補者を擁立し、立民の泉代表・岡田幹事長の選挙区にも対立候補を擁立して大阪以外での力量を測るとし、東京選挙区では自公の選挙協力が終止符を打つ見込みと報じられている。
 経済活動で複数の同業者が「棲み分け」を行えば、新規参入者や消費者にとって不利益をもたらすとして厳しく罰せられるが、政治家の都合・思惑で行われる選挙での「棲み分け」も立候補を模索する者や有権者の選択機会を奪うもので、経済活動以上に許されない前時代的な手法と思っていた。
 立憲民主党の凋落は政策の不備以上に、前時代的な共産党との選挙協力に端を発したもので、当時の枝野執行部が示した「限定的な閣外協力」のフレーズに協力の内容・程度が明らかでなかったために、多くの立民支持者が「立憲共産党」の匂いを嗅ぎ取ったためと思っている。
 自公の選挙協力にあっても、国会活動での公明党の連立内野党的行動が今では国政運営の阻害要因と化している現状を見る限り、保革伯仲時の過半数維持の数合わせとした役割を終えており、例え自民党が公明党・創価学会の協力を失って議席を減らしたとしても、政党政治・議会制民主主義の原点からみれば望ましい方向であると考える。

 昨日、観るともなくTBSのニュース・ショウを眺めていたら、元朝日新聞主筆と現毎日新聞解説委員が今もって「民主党政権誕生に肩入れした一昔前の論旨」を語ることに驚いた。国際情勢が比較的安定し、誰が・どの政党が政権を担当しても大差なく、言い換えれば、素人の民主党に実験的に国政を預けることができた時代と比べて、些細な過誤が国を危うくしかねない緊迫した状況下の現在では、国民の意識も大きく変化している。にもかかわらず、一昔前の主張を繰り返すジャーナリスト?は、国際情勢や国民の変化をどのように観ているのだろうかと不安になる。
 泉代表も、維新・国民・共産・・・に秋波を送るよりも、無党派層を引き付ける政策を堂々と掲げて欲しいものである。現政権の瑕疵攻撃だけで支持が拡大できないことを、立民以外はみんな知っているのに。


安倍元総理2題

2023年02月04日 | 与党

 安倍元総理の硬軟両面を知った。

「硬」
 2023年1月12日付産経新聞の「阿比留瑠比」氏の署名記事「極言御免」で知ったことであるが、習近平主席との日中首脳会談で安倍氏が『私の島に手をだしてはいけない。私の意志を見誤らないように』と述べたそうである。この発言は台本に用意されたものではなかったために日本側随員は凍り付き、習主席も意表を突かれたとされている。尖閣諸島を巡る中国の不法示威行為に対しては、遺憾砲を撃つだけと歯がゆく思っていたので、別の手段で日本の決意は確実に伝達されていると知って安堵した。首脳会談は、事前の事務方合意に沿って行われるのが一般的であると聞いていたので、このような例は稀有に近いものであろうが、膝を交えた首脳会談でしか行えないものであるように思える。
 その際、習主席は無表情を装ったものの一瞬鼻白ん様子も窺えたとされているので、日本の真意は十分に伝達されたと観るべきではないだろうか。果たして岸田総理には・・・。
「軟」
 2019(平成31)年12月の予算委員会で、立民の岡田克也議員(現立民幹事長)は安倍氏の常套句である「悪夢のような民主党政権」の撤回を迫ったが、安倍氏からは論破されて「小っちゃい男だなぁ」との捨て台詞で退場したことがあった。これは、安倍氏の術策に岡田克也氏がまんまと嵌った結果であるらしく、安倍氏は後日「当時のことを知らない世代もいる。ありがとうと言いたい」と側近に漏らしたとされる。

 今回立民が始動させた「空白の10年検証プロジェクトを機に、
・三原じゅん子議員:2019昨年6月6月の参院本会議で、安倍前首相の問責決議案の反対演説で「愚か者の所業、恥を知りなさい」
・丸川珠代議員:2010年民主党政権の「子ども手当て」質疑で「愚か者めが!」と野次
が改めて注目を浴びている。
 立民が企図する「先見性を持つ政党」とのイメージアップよりも、当時を知らない有権者や議員に中国船長放免などの「忘れてもらいたい一面」を掘り起こして晒す可能性の方が大きいのではとも懸念されている。2月3日付の毎日新聞は「恥の上塗りになるだけ。そもそも党は変わったはずだ」との民主党元議員の発言を紹介しているそうである。

 主題に戻れば、国威と政局に硬軟両刀を使い分けることができた安倍氏を失ったことは、今後の日本に大きく影響するのではないだろうか。


山際大臣の更迭と自衛隊弾薬保有量

2022年10月25日 | 与党

 山際経済再生相が事実上更迭された。

 伝えられる山際大臣の統一教会教祖に対する姿勢は、単なる票欲しのリップサービスの域を超えているので記憶力の減退を併せ考えれば更迭は当然であるが、ここでも岸田総理の情勢判断の未熟さと決断力不足が露呈したと思っている。
 この年齢になれば、「多く(多分)の人は多かれ少なかれ脛に傷を持っており、それを隠すことで社会性を保っている」と思っている。それ故に、大臣候補に挙げられれば身体検査に「大丈夫・潔白です」と答えるに決まっているので総理には任命責任などは無く、ただ要求されるのは任命した大臣の品性・能力を見極めての適格性判断と不適格大臣の交代・更迭の決断であると思う。
 岸田総理の長所は「聴く力」であるとされているが、利害の異なる多くの人の意見を聞けば聞くほど雑念が生じるのは当然で、導き出した結論は凡庸な平均値で、なお悪いことには「聴く」ことに長時間を要して時宜を失ってしまうことである。軍・官・民を問わず「指揮官は孤独である」と云われるのは、この機微を端的に表したものと思っているので、孤独に徹し得ない議員は指揮官・総理に立つべきではないと思う。

 防衛省が「現在の弾薬保有量は所要の6割程度」と発表した。
 最高軍事機密である弾薬保有量を発表すること自体が世界史的にも類例がない愚挙であるが、それほどに自衛隊の継戦力が危機的状態にあることを物語っていると思える。6割の保有量と云うのが、どのような算定で導き出された数字かは知る由もないが、正面部隊装備武器の弾薬保有量が定数の6割ということは考えられないので、おそらく定数射耗後の再補給所要を加味した数字と思いたいが、暗澹たる数字であるのは間違いのないところと思う。
 想像の域を出ないが、自衛隊の実射訓練には直接的な弾薬料金に加えて付随的にも多額の費用が掛かるので、多くの訓練をシュミレーション装置を使った訓練に置き換えているのではないだろうか。自衛隊の格言に「訓練は実戦の如く。実戦は訓練の如く」とあるが、護衛艦の実弾射撃を考えても、各回ごとに天象、海象、通信、電波、武器の状態が一様でなく、それぞれに適応して成果を上げ得るように乗員の練度を挙げるためには実弾を使用した訓練が欠かせない。願わくば、弾薬保有量を再考・再整備するに当っては、平時の訓練機会増加をも考慮して欲しいものである。

 野党は山際大臣の首級に続く攻撃対象を探していると伝えられる。今国会におけるもう一つの争点は紛れもなく防衛力整備の限界を見極めることであった筈であるが、不得手な防衛に手を染めるよりも、安易な倫理・懲罰にいそしんでいるように思える。
 国内の倫理騒動を別に、アメリカ次期大統領への政策提言を主命題とするシンクタンクでは日本と韓国に核武装させることが論議されていると報道され、韓国国内でも核武装の是非に対する議論が起こっていると報じられている。
 エングン(円軍&援軍・友邦)を 忘れてクビ(首級)に 狂奔し・・・お粗末!!