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「ゆるキャン△」に登場しない大井川鐡道を巡る その13 現存唯一の老機の勇姿

2024年03月25日 | ゆるキャン△

 新金谷駅にて運転準備中のSL急行かわね路号ののC10形8号機をしばらく見ました。既に周囲には大勢の観光客が柵沿いにカメラやスマホを構えて見物しており、横の駐車場には既に5台の観光バスが入って複数の団体観光ツアー客が次々に降りて私たちの見物の列に加わってきました。

 その人数は、ざっと見て300人以上でした。それで今回のSL急行かわね路号の客車が7輌もあるわけか、と納得しました。旧型客車の定員は約50人だと聞いていたからです。
 周知のように、SL急行かわね路号は予約制なので、当日までの予約数を集計すれば、乗客の予定数が分かります。それに基づいて、当日の飛び込み分を追加して客車の数が決まるのだな、と理解しました。

 

 同時に、平日の火曜日にもかかわらず、それだけの観光客が集まっていることに感動しました。さすがにSLの列車はどこでも大人気なのだなあ、と感心しました。大井川鐡道さんの懸命の企業努力も功を奏しているのでしょう。

 地元の京都にも、梅小路の鉄道博物館に多くの動態保存のSLがありますが、旧型客車とセットで営業運転するというのは無いので、ここ大井川鐡道のSL急行かわね路号のほぼ毎日の営業運転というのがいかに凄いことであるか、鉄道には疎かった私にもだんだんと分かってまいりました。

 

 見学中に携帯が鳴りました。この日の切符を譲ってくれた川本氏からでした。このタイミングを見計らってかけてきたのでした。

「よお、ホッさん、調子はどうやな」
「最高や」
「ははは、それは良かった。ホッさんなら大いに楽しめる筈やからな・・・、大代川側線は行ったか?」
「ああ、川さんのアドバイス通りに行って、色々見てきた。話すことは一杯あるで」
「やろうな、また聞かせて貰うわ。そろそろ乗車時刻やろ、楽しんでこいよ。じゃ・・・」
「あっ、ちょっと待って、質問が一つあるんや、ええかな」
「何かね?」
「C10形8号機のナンバープレートな、あれサイズが大きい気がするんやが、製造当初からああなのかね?」
「ああ、それな・・・、今のナンバーは近年に付け替えてるのよ。元のナンバープレートは戦前からの車番の前に間があけてあるタイプやで細長かった。今のは間がなくて続いてるから、パッと見にはC108と読めるやろ」
「そうなんよ、Cの108号機かと思えてしまうな」
「それや。見ようによってはC10形の8号機と分からへんから、今のプレートは下に小さく形式番号が入ってるやろ、「形式 C10」って」
「ああ、入ってる・・・、そうか、なるほど・・・、その小さい形式番号を入れたからナンバープレートが大きくなったわけか」
「そういうことや」

 

 それじゃ、と相手が電話を切るのを聞いて携帯を閉じて鞄にしまいました。代わりに乗車券を取り出して席番を確認しました。7号車の7-Aとありました。

 7号車というと、あれか、C10形8号機の次に連結されている青色の客車(上図)だな、と気付きました。大井川鐡道では新金谷から出るのを下り、千頭や家山から出るのを上りとしていますから、今回の列車の客車も新金谷側から順に1号車、2号車と続きます。今回は7輌の客車が用意されていましたから、7号車は最後尾にあたりますが、新金谷駅においては先頭になりますから、牽引機関車と連結されるわけです。

 

 時計を見たら11時40分でした。そろそろ改札口が開かれるかな、と思ってもう一度C10形8号機を見て写真を撮りました。撮っていて、あれ、と気付きました。ナンバープレートの下の動輪の横に下がっている部品に既視感がありました。

 

 あの部品、大代川側線横の部品置き場でも同じのを見かけたな・・・。泥溜タンクだったな、あちらはC56形44号機のパーツだろうと見ましたが、こちらのはやっぱりC10形用のパーツなので、形状が全然違います。頂部に繋がるパイプやハンドルがありませんでした。

 

 何度見ても見飽きない、カッコ良すぎる現役の蒸気機関車の勇姿です。もう最高かよ、でした。

 

 記念に、これから乗る客車の7号車のプレートと車番も撮っておきました。スハフ43-2なんだな、たしかこれもNゲージのほうで持ってたな、と気付きました。さらに嬉しくなってまいりました。

 

 その時に、ボーッと音が響いて白い蒸気が機関車の車体を覆いました。運転準備完了、といった雰囲気でした。

 

 運転席の様子も見えました。デジカメの望遠モードを効かせて撮りました。メカメカ感満載ですね・・・。

 

 11時42分、出発時刻の10分前に改札口が開かれました。私は行列の先頭から5人目ぐらいに並んでいて、駅員に切符を掲示しつつ改札口を通り、列車の前の踏切を渡りました。その際に上図の写真を撮りました。

 

 私だけでなく、他の観光客も同じように踏切の上からスマホやカメラで撮っていました。やっぱり正面から見る姿も絵になるからです。

 

 ホームへ上がりつつ、何枚か撮りました。私だけでなく大勢の観光客の大部分が同じように撮っていたので、改札口からの行列の動きがゆっくりになり、駅員さんが「どうぞ御乗車下さーい」と声を出して列を促していました。

 それにしても、このC10形8号機は本当にどこから見てもカッコ良すぎました。同時にこんな貴重な蒸気機関車が今も現役であるのは稀有の現象だな、と深く感動しました。

 なぜならば、このC10形は、戦前の昭和五年(1930)に23輌が一括で製造されたのみで、その後の追加製造がありませんでしたから、23輌で全てであり、これは日本の蒸気機関車の一形式の生産数としては少数に属します。そして現在に至っているのはこの8号機のみで、他の22輌は全て廃車、解体されています。

 だから、いまも全国各地に多く存在する静態保存の展示機のなかに、C10形は1輌もありません。なので、上図の8号機のみが、現存唯一のC10形としていまも動態で健在であることがどんなに貴重で稀少で価値があるかが、よく分かります。川本氏が「大井川鐡道のC10形は、超国宝級の機関車やぞ」と何度も力説していましたが、その通りだと思います。

 なので、その日本に現存する唯一の老機の勇姿を目の当たりにし、かつその牽引する列車に乗るというのは、なかなか得られない至高の機会じゃないか、と何度も思ったのでした。  (続く)

 


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