大井川鐡道井川線の車輌をNゲージで楽しもうと、これまでに3種類の機関車と客車および貨車を作ってきた。客車はアルナインのキットで3両を作り、貨車はトミックスの製品も含めて10両を揃えたので、客車がもう少しあればな、と考えて増備することを決めた。
幸い、手元には上図のように不要となっていたNゲージの車台が7両ぶんあった。6月から大井川鐡道本線の電車などを少しずつ買い集めていたなかで、鉄道コレクション分の車輌を順次動力化していき、動力ユニットと交換して不要になったものである。
これらの車台を活用して、井川線のスロフ客車に改造することにした。実際の井川線のスロフ300形客車の多くが、余剰となったcトキ200形貨車の車台を流用して製造されていることに倣っての、パーツの有効利用の一環であった。
手始めに、改造製作する客車の簡単な設計図を描いた。スロフ300形をベースにして、三種類ぐらいの外観案をまとめ、寸法はアルナインの金属キットの客車のそれに合わせた。例えば、車長は6.8センチ、車幅は1.5センチとなった。
不要車台の全てが、車長がもっと長いものばかりであったため、カットして縮めて、車長を6.8センチに統一することにした。
そこで、スチレンボードの余り材を使って上図のような治具をこしらえた。長さ6.8センチ、幅1.5センチの長方形の穴をあけ、それにカットした車台をはめこんで車長6.8センチ、車幅1.5センチの車台に改造することにした。
台車を外し、車台の中央でカットして縮め、治具にはめこんで長さ6.8センチになるように削って調整し、再び繋ぎ合わせて改造した。
とりあえず、5両分を同じ車長6.8センチに改造した。
台車は元のままのが付いているが、井川線用のアルナインのアーチバー台車が入手出来なかったので、交換せずにそのまま使用することにした。もとは在来線の車輌の車台ばかりなので、台車も車輪も大きく、その分車高が高くなってしまうが、アルナインのアーチバー台車を確保するまでの仮の台車として活かすことにした。
車体はプラ板をカットし、窓や扉の窓を切りぬくという手順で進めた。今回使用したのは、100円均一ショップで売っている0.3ミリ厚の品で、切りやすいために以前からガルパン戦車プラモデルの改造に使っているものであった。
上図のように、側面と妻面の壁体セットを二つ作って窓を切りぬいた後、組み合わせて1つにする、という方法で作った。
車台のほうはいずれも幅が1.4センチぐらいだったので、側面にプラ板を張ってかさ増しした。
壁体セットを組み合わせて上図のように車体を構成した。車内の座席は元の車台に付いていたものをそのままカットして再利用したので、5両それぞれの座席配置が改造後の客車に受け継がれる形となった。
屋根を仮組みして、このようにまず1両が仕上がった。塗装後に窓ガラスを透明プラ板で組み込んで、それから屋根を接着して固定する予定である。
これと同じサイズの客車を、窓のデザインを少しずつ変えつつ、あと4両作ることにした。さらに1両は動力ユニットを組み込んで動力付きの客車にする予定なので、あわせて6両の客車を増備することになるわけである。
また、もう1両は平貨車タイプに改造することにした。出来たら極小サイズのカメラを搭載して、いわゆるカメラカーに仕立てようかと考えている。列車の最後尾に繋げば、実際の井川線のアプト式列車と同じようにカーブでくねくね曲がる列車の姿を捉えて楽しめるのではないか、と思うからである。 (続く)