ことしもだんだん残りが少なくなってきました。政府は”聖域なき事業仕訳”とやらで、早くも師走の様相ですね。どこまで本質的な議論がなされているのでしょうか。ここでキーワードとなるのは、やはり”エコ”になってくるんだと思います。流行語大賞でも取れそうな感じもしますね。
私が気になっているのは、ECOの後の”LOGY”が忘れられていることです。ECOという言葉は、もともとギリシャ語で”家”を意味するのだそうですが、そうすると「エコ住宅」というのは、”家の住宅”ということになり、妙な語幹になってしまいます。世間の風潮では、”ECO”は緑あふれる雰囲気みたいなファジーさを残し、みなぼんやりとしたイメージで語っていますね。
ECOLOGYは、学問の分野でいえば生態学です。生態系を理解するためには、単に動物や植物の生息数だけじゃなくで、それを支える土壌・大気・水、土壌を生む地質(母岩といいますが、これは生態系を理解するうえでとても意味の深い、やさしい表現だと思います)、大気や水の循環ということを念頭において、相互関係・因果関係を理解しなければなりません。まさしく、これがロジックであり、"環境”を語る上での基本認識となります。
マスコミ報道やそれに煽られたともいえる世論は、”カンキョウ”というよりは”カンジョウ”論になりがちです。LOGYがないと”エコ”が”エゴ”へと変質する過程も止められないのかもしれません。
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