今日はある道路工事現場の斜面調査に行ってきました。結構大規模な工事には大なり小なり反対運動がつき物です。今回の現場は、斜面を緑化することが道路建設合意の大きな要因となったと聞きました。
そこで「技術士をめざして 建設環境」に目を通してみたのですが(はよ資格とれ!?という声があちこちから聞こえますが、、大汗)道路整備における自然環境の保全という節のなかに、「既存種等による植栽」という項目があり
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道路建設に当たっては、地形改変や植生の破壊を起こさない設計、工法をとることが望ましいが、やむを得ず法面となった部分は、既存植生の構成種からなり、その植生に類似した断面構造を有する植栽を行うことが望ましい
現存の土壌は生物多様性があるため、現地盤を改変する場合には、その表土を保存しておき、建設後の法面表層に用いることが望ましい
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といったことが述べられています。しかし、その一方で、実際の効果について検証されていないことが課題として挙げられていました。
話変わって、今年度末砂防の仕事で、過去の災害時の山地崩壊の状況を見直すという仕事をそれこそ寝る間を削ってやっていたのですが、深さ1m以下の表層崩壊は、植生の被覆状態によって雲泥の差があります。それとこれとはスケールが違いますが、植生の根系による杭効果、水を吸い上げる効果、落葉によって雨水の衝撃を和らげる効果などを確かめる、気長な実験的研究をやってみたいものです。一定の土質定数とDMの都合によりワンクリックで決められる斜面調査など空ろです。
※もうひとついうなれば、建設環境にも地形発達史的背景、地質構造など、生態系の基盤となる場所の特性も調査すべきである(岩級区分と植生の根付き方にも相関があるように思えます)といった視点を加えてほしいものですが、、、その前に技術士とらねば、、、、、、、、、、
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