以前から今村遼平さんの著作は含蓄が多いのでよく読んでいます。昨年の5月に出版された『技術と倫理』という本(いまさらですが)を読み始めています。
技術と倫理
http://www.denkishoin.co.jp/cgi-bin/book/book.php?no=ISBN4-485-66532-1
その第3章で、次のような一節がありました。24Pです。
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「(略)専門職といえども、自分自身の経済的利害関係のために働くのではないか」と思われるのがしばしばですが、次の点で「そうではない」と声を大きくして言う事ができます。
(a) 公衆が専門職に期待している技術サービスの方向がなんであるかをよく説明し、私たちはどういう階層の人々に対しても、またどういう立場か(例えば裁判で訴える側と訴えられる側の立場の違いなど)を問わずに、公正に技術サービスを提供する責任をもっていること。
(b) 専門職は必要に応じて高い技術的対価を求めたとしても、それを正当化するだけの価値があること。
(c) 弁護士と同様に、専門職は公衆の利害関係にあわせて自己を公正に処するだけの自制心を持っていること(つまり、自分の経済的な利害関係に支配されて、公正さを失することはないということ)。
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(b)と(c)については、弁護士なみの社会的認知がなければ難しいような気がします。このためには、(a)公衆が専門職に期待している技術サービスの方向がなんであるか、ですが、昨年手がけたあんしん宅地は、期待しすぎた面もあったので、もう少し時間がかかるような気がします。
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